米1X、家庭向け人型ロボ「Neo」量産開始──2027年末に年間10万台体制へ

米1X、家庭向け人型ロボ「Neo」量産開始──2027年末に年間10万台体制へ

シリコンバレー拠点の1Xが、家庭向けに設計したヒューマノイドロボット(二足歩行ロボット)「Neo」の本格生産を開始した。

■1X、ヒューマノイドロボット「NEO」の本格生産に着手

1Xは2025年10月に受け付けを始めてからわずか5日でNeoの予約を1万件獲得し、CEOのベルント・ボーニックは2026年末までに出荷を開始すると約束していた。そして米国時間4月30日、ボーニックはその約束を改めて強調した。

同社は4月30日、「カリフォルニア州ヘイワードにあるNEO Factoryは、米国初の垂直統合型・大量生産対応ヒューマノイドロボット工場である」と発表した。「延べ床面積5万8000平方フィート(約5400平方メートル)で、すでに200人超のチームメンバーを雇用しており、NEO FactoryはNEOの本格生産を開始した」。

1Xはまた、2026年後半にサンカルロスの別施設も稼働予定だと付け加えた。自動化を計画的に強化することで、2027年末までに年間10万台のヒューマノイドロボットを生産できる規模へ拡大できるとしている。

■競合各社の量産加速とともに、ヒューマノイドは製造の競争に移行

これは、ヒューマノイドロボットが(まさに今、あるいは間もなく)転換点に差しかかっていることを示す、さらなるシグナルにすぎない。Agibotは四半期で5000台を出荷し、Figureは3カ月連続で生産と出荷を倍増させている。さらにApptronikは、ボストン・ダイナミクス、ウェイモ(Waymo)、アマゾンの出身者を新たに採用した。

「多くの人はヒューマノイドをロボティクスの問題だと思っている」とボーニックCEOは書いた。「それは誤りだ。これは製造の問題である。量産に比べれば、プロトタイプ作りは簡単だと思えるほどだ」。

■身長168センチ体重30キロのNeoは、片付けやスケジュール管理までこなす

Neoは異色のヒューマノイドロボットであり、1Xもまた異色のヒューマノイドロボット企業である。Neoは家庭市場を明確に狙っており、1Xによれば基本的な片付け、物の受け渡し、来客のためのドア開けなどをこなすという。身長は5フィート6インチ(約168センチメートル)で、体重約66ポンド(約30キログラム)だ。誕生日のリマインドやスケジュール管理を手伝い、これまでの会話やユーザーから受けた指示を記憶し、さらには洗濯物をたたむことさえできるかもしれない。

■モーターから「肉体」まで「米国製」として内製し、垂直統合で他社と差別化

多くのヒューマノイドロボットメーカーが物理的な部品の大部分を他社に外注している。アクチュエーターは日本のハーモニック・ドライブや中国のサプライヤーから、バッテリーセルはCATLやLGから調達。モーターコントローラーは市販品を使うといった具合だ。これに対し1Xは、極めて垂直統合志向が強い。

ヘイワード工場は稼働以来、すでに1万7000基のモーターを生産している。1XがNEOの腱駆動アクチュエーションシステムの心臓部と呼ぶ「Revo2」モーターは、銅の原線ロールを起点に、巻線・加工・組立に至るまでを、1Xのエンジニアが自ら設計した機械が担う。Revo2モーター、独自の腱、バッテリーパック、BMS(バッテリー管理システム)電子部品、さらには柔らかなポリマー製の「肉体」までを内製することで、コスト・改良の速度・品質、そして──重要性が増す──地政学的リスクをコントロールできるというのが、1Xの売り文句である。

1Xのデザイン責任者ダール・スリーパーは今週初め、1Xには「桁違いに、世界で最も安く、かつ最も高性能なアクチュエーターがある」と述べた。これは監査済みの主張ではなく、マーケティング上の表現だ。しかし、その背後にある構造的な論点は現実的である。自社でアクチュエーターのスタックを保有していないなら、おそらくロードマップも自社のものではない。

他社は分散調達もまた機会を切り開くと反論するかもしれない。それは事実でもある。だが、産業そのものを握りたい企業にとって、この姿勢は10年前にテスラがバッテリーセルについて、スペースXがロケットエンジンについて展開した主張と多くの点で類似している。いずれも、垂直統合は高コストで遅く不要だという通説は、量産が立ち上がった途端に誤りだと判明した。

1Xが打ち出す差別化は2点ある。初回の出荷先として消費者の家庭を明確に狙う唯一の企業であること、そして「銅のコイルに至るまで、あらゆる層で米国製」という点を提案の中核に据える唯一の企業であることだ。先行きが極めて不透明な貿易環境において、これは大きな意味を持つ。

■自律性と量産化が進めば、1Xは西側ヒューマノイド企業として先頭に立つ

今年後半に出荷されるNeoが、どれほど自律的になるのかは興味深い。1Xは場合によって、人間が介在する遠隔操作(human-in-the-loop。ヒューマン・イン・ザ・ループ)を用いてきたが、最近ではワールドモデルAIの進展を発表しており、それが不要になる可能性もある。

1Xが構築した工場そのものも、実に興味深い。各機体の製造は完全にデジタルで追跡可能になると同社は言い、工場は「従来の部門制ではなく、連続フロー」を前提に設計されている。必要な部品は、事前にキット化されたモジュールとして供給される。さらにロボットの支援もある。Neoを製造する工場では、すでにNeoのモデルが作業を手伝っており、その役割は今後拡大すると1Xは述べる。

「今後数カ月で、施設の警備や、より長期的なタスクなど、信頼できる手助けが最も必要とされる領域で、より幅広い役割を担うようになる」。

すべては非常に有望に聞こえる。焦点となるのは、1Xが実現できるのか、それともテスラがModel 3の初期に直面したような「製造地獄」の類いに陥るのかという点だ。

すべてがうまく運べば、1Xは西側のヒューマノイドロボット企業として、真に大きな生産規模に最初に到達する有力候補となる。

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