イーロン・マスクのAI半導体工場「テラファブ」構想にインテルが参画

イーロン・マスクのAI半導体工場「テラファブ」構想にインテルが参画

米インテルは2026年4月7日、実業家のイーロン・マスク氏が主導するAI向け半導体製造プロジェクト「テラファブ」に参画すると発表した。テスラ、スペースX、xAIの関連3社が共同で推進する同プロジェクトに対し、インテルは最先端の製造プロセスとパッケージング技術を提供する。

インテル、マスク氏のAI半導体「テラファブ」構想に参画

 米インテルは2026年4月7日、実業家のイーロン・マスク氏が主導する大規模半導体製造プロジェクト「テラファブ」に参画すると発表した。インテルは同社の公式X(旧Twitter)アカウントを通じ、マスク氏の関連企業が展開する人工知能(AI)およびロボティクス事業を支える次世代プロセッサーの製造を担当することを明らかにした。

 この提携により、インテルは自社の最新製造技術である「18A(1.8ナノメートルクラス)」プロセスノードと、先端パッケージング技術を提供する。インテルのパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は個人のXアカウントでこの動きに言及し、テラファブがシリコンロジック、メモリ、パッケージングの将来の製造方法に大きな変化をもたらすとの認識を示した。

 インテルは近年、ファウンドリ(半導体受託製造)事業を中核とする戦略「IDM 2.0」を掲げ、製造部門の分社化や外部顧客の獲得に注力してきた。2026年初頭には18Aプロセスノードの量産(HVM)フェーズへの移行を達成し、データセンター市場の回復を背景に業績の立て直しを図っている。テラファブへの参画は、同社のファウンドリ事業において極めて重要なアンカー・カスタマー(主要顧客)を獲得したことを意味する。

 今回の協業において、インテルは単なるシリコンウェハーの供給にとどまらず、チップの設計段階から製造、最終的なパッケージングに至るまでの実務を主導するファウンドリとしての役割を担う。最先端プロセスの実用化と量産能力を市場に示すことで、台湾のTSMCが優位に立つ半導体受託製造市場でのシェア拡大を狙う。

フィジカルAI覇権の布石「テラファブ構想」とは?

 テラファブ構想は、マスク氏が率いる電気自動車(EV)大手のテスラ、宇宙開発企業のスペースX、およびAI開発企業のxAIの3社が共同で推進するメガスケールの半導体製造プロジェクトである。総投資額は200億ドルから250億ドル(約3兆円から3兆8000億円)規模と推定されている。建設予定地は米南部テキサス州オースティンであり、最先端の半導体工場を新たに建設する。

 同プロジェクトの最大の目的は、年間1テラワット(1兆ワット)という膨大な演算能力を供給する製造基盤の確立にある。これは現在の世界全体のAI計算出力の約50倍に相当する規模である。製造される半導体は、テスラが開発を進める自動運転技術や人型ロボット(ヒューマノイド)の制御チップとして搭載されるほか、スペースXが計画する宇宙空間のAIデータセンター向けに使用される。従来の半導体産業におけるモデルは設計と製造が分業されているのが主流だが、テラファブは設計からウェハー製造、パッケージング、そして最終製品への組み込みに至るまでの全工程を単一の施設内で完結させる垂直統合モデルを採用する。

 マスク氏は2025年11月のテスラ株主総会で「米国はより多くの半導体生産能力を確保する必要がある」と発言しており、テラファブの建設はその布石となっていた。スケジュールとしては、2027年後半に工場の稼働を開始し、2028年に量産体制に入ることを目指している。

 この半導体構想は、マスク氏の関連企業を取り巻く大規模な組織再編と密接に結びついている。スペースXは2026年2月にxAIの買収・合併を完了させており、評価額1兆2500億ドルの新体制を発足させた。同社は2026年6月に最大750億ドルの資金調達を目指す新規株式公開(IPO)を計画している。

 IPOで調達した資金は、太陽光を利用した軌道上データセンター(Orbital Intelligence)の構築や月面コロニー建設に充てられる予定である。テラファブで製造されるAI半導体は、この宇宙空間でのデータ処理インフラや、大規模言語モデルの開発に直結する。外部の計算資源に依存せず、半導体の製造から宇宙インフラの構築までをグループ内で自己完結させることで、急拡大するAI需要に対応する体制を整える。

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