メモリ高騰が揺るがすゲーム機市場 「発売直後が最安値、その後ジリジリ値上げ」は定番になるのか
メモリ高騰が続くなか、その影響はゲーム機市場を大きく揺るがしています。もともと本体価格がPCよりも安く抑えられており、部材コストに占めるメモリの比率が相対的に大きいためです。発売済みの製品は値上げが相次ぐ一方で、予約を受け付けていた新製品が事実上の発売延期となるケースも見られます。
その一方で、世界各地の小売店ではメモリが一時的に値崩れした局面もあり、全体の情勢はかえって見えにくくなっています。この混乱のなかで、ゲーム機メーカーがどのように立ち回り、いかなる戦略を描こうとしているのか、考察してみます。
ココがポイント
「Steam Machine」などは“2026年に出荷する予定”とValveがコメント。ただしメモリ・ストレージ不足に苦
出典:電ファミニコゲーマー – ゲームの面白い記事読んでみない? 2026/3/7(土)
DDR5メモリの下落傾向が強まる、32GB×2枚組の複数モデルが10万円割れ [3月後半のメモリ価格]
出典:AKIBA PC Hotline! 2026/3/26(木)
AIの拡大によりメモリ価格は2025年に急騰した後、2026年も最大で20%上昇する見通しだという
出典:EETimes 2025/12/1(月)
製造ラインの確保やAMDとの共同開発には莫大なコストがかかる(中略)PS6も2027年後半の発売を強行する可能性が高い
出典:多根清史 2026/3/9(月)
エキスパートの補足・見解
小売店での値崩れは、投機的に仕入れていた業者が在庫を投げ売りしているためとみられます。メモリには大企業向けの「契約価格」とそれ以外の「スポット価格」がありますが、後者が行き過ぎて高騰していた反動で、いったん調整に入った形です。ただし、このまま下がり続けるとは考えにくく、再び上昇に転じる可能性が高いでしょう。
また、AI需要はすでに一過性ではなく、数年単位で企業の予算に織り込まれています。そのためメモリ不足と価格高騰もしばらく続くと考えられ、ゲームビジネスもそれを前提にせざるを得ません。
ソニーがPS5を大幅に値上げしたことで、任天堂も価格改定に踏み切りやすい環境になったともいえるでしょう。そもそも食料品などの物価も上昇しているため、ゲーム機の価格が上がるのも自然な流れです。
一方で、新型ゲーム機は価格を抑えることで存在感を示しやすい側面もあります。Switch 2はその成功例の一つですが、次期PS6や新型PSPについても「製造コストを最小化する設計」が噂されています。
発売時に手頃な価格でシェアを拡大し、その後はメモリなどの供給状況に応じて徐々に値上げしていく戦略が、今後の定番となる可能性もありそうです。
