日産はなぜ危機を繰り返すのか 元首脳が語る「トヨタとの違い」
ホンダとの経営統合協議の破談から、13日で1年となった日産自動車。再建へ足場固めを急ぐが、日産は過去にも経営難に陥るたび大規模リストラを強いられてきた。なぜ日産は危機を繰り返すのか。元最高執行責任者(COO)の志賀俊之さんに聞いた。
――1999年に日産が仏ルノーと資本提携した際、志賀さんは日産側の交渉役の一人でした。現在の経営再建計画は、ルノーから乗り込んだカルロス・ゴーン氏が同年に発表した「日産リバイバルプラン」と似ているともいわれますが、どう見ますか。
◆まず、現在の苦しい経営状況を作った元役員として、現役の皆さんにご苦労をかけていることを大変申し訳なく思っている。
そのうえで言わせてもらうなら、企業再生では「生産能力、従業員、借金」の過剰を正常化させなければならない。99年に生産過剰に陥っていたのは日本だけだった。現在はグローバルだ。そこに難しさがある。
トヨタは厳格な「現金収支経営」
――日産はなぜ経営危機を繰り返すのでしょうか。
◆私が入社した76年、日産は自動車業界でトヨタ自動車と肩を並べる存在だった。それがなぜ、差が広がったのか。
戦後の労働争議で、日産もトヨタも倒産の危機に陥った。その際、トヨタは銀行からお金を借りるのに苦労した経験から、必要な部品を必要な時に納める徹底した在庫管理「かんばん方式」による、極めて厳格なキャッシュフロー経営(帳簿上の利益よりも手元で実際に使えるお金の収支を重視する経営)を生み出した。
