「毎秒3万回振動する包丁」でトマトを切ってみた 普通の包丁との違いは?
われわれはCES 2026の最新ニュースを追いかけているが、その中でもひときわ話題を集めているのが、振動する包丁だ。
【画像】毎秒3万回振動する包丁を使ってみた(全4枚)
2025年、Seattle Ultrasonicsは世界初の超音波ナイフをまもなく発売すると発表した。今週のCESでは、その振動する刃を実際に試せるようにしており、私は毎秒3万回以上振動する399ドル(約6万2000円)のシェフナイフ「C-200」を手に取る機会を得た。
これまで何十本ものシェフナイフを試してきたが、こんなナイフは初めてだ。この不思議なキッチンガジェットの狙いと、振動する包丁で食材をスライスことの意味を紹介しよう。
なぜ「振動する包丁」なのか
非常に高速な振動を加えることで、柔らかくてつぶれがちなトマトや、ぎっしり詰まったジャガイモでも、あまり力を入れずに切れるようにすることがこのナイフの狙いだ。また、微細な振動が食材と刃の間の摩擦を減らしてくれるので、切った食材が刃にまとわりつきにくく、いちいち指で食材をこそぎ落とす必要がない。あれは確かに危ない作業だ。
CESのプレビューイベントにおけるSeattle Ultrasonicsのブースで、私は大勢の来場者の波をかき分け、このナイフを初めて手に取った。同社の担当者は、まな板の上に試し切り用のトマトとジャガイモを用意していた。
使い方は簡単だ。柄の部分にある小さなボタンを押すと、超音波振動が起動する。オンにしても、ナイフ自体がブルブル震えている感じはほとんどない。ただ、手の中を小さな電流がスッと走るような、かすかなビリビリ感はあった。不思議な感覚ではあるが、不快というほどではない。
本当に効果があるのか?
担当者が「最も振動が強い」と言う刃先の部分をトマトに当ててみた。言われた通り、ほとんど力をかけなくても、刃はトマトの実の中にスッと入っていく。ナイフを持ち上げると、スライスしたトマトは簡単に刃から離れた。
もう一度、今度はもっと薄く、正確に切ってみる。一般的な包丁よりも、薄いスライスを楽に切れると感じた。
ここまでは順調だ。
次はジャガイモだ。トマトに比べると、さすがにかなり力を入れる必要があったが、それでも、ふつうにデンプン質の野菜を切るときよりは、少ない力でスッと刃が入っていく。何枚かスライスしてみると、スッと刃から落ちるスライスもあれば、従来通りくっついてしまうものもあった。ジャガイモに関しては、「食材が刃から離れやすい」というより、「固いものが切りやすくなる」というメリットのほうが大きそうだ。
この高価な包丁を買うか?
おそらく、私自身は買わない。料理はよくするが、刻んだりスライスしたりする作業で疲れることはほとんどない。むしろリラックスできる作業だと思っているし、今使っている包丁にも満足している。
このナイフの価格は、なんと399ドル(約6万2000円)。私のお気に入りメーカーの高級包丁でも、その4分の1程度の値段で手に入る。
この包丁はどんな人向き?
超音波ナイフを使うと、食材を切るのに必要な力が大幅に減るので、筋力や手の可動域に問題がある人には特に役に立つはずだ。関節炎や手根管症候群、反復運動損傷などを抱える人は、Seattle Ultrasonicsのこの革新的な包丁によって負担を軽減できるかもしれない。
