2026年はSwitch 2が主役? 大作ゲーム豊作、PSとXboxは次世代への助走期へ
昨年は Nintendo Switch 2 がついに登場する、節目の年となりました。今年、2026年のゲーム業界は、ソニーもマイクロソフトも新型ゲーム機を投入する噂がなく、一見すると大きなハード交代がない「谷間の年」にも思えます。
しかし実態は、翌年以降に次世代機(PS6/次期Xbox)の投入を控え、各社がそれぞれ異なる戦略で市場を固め、将来の地歩を築く重要な局面になる見通しです。
本格普及期に入ったSwitch 2、国内市場の立て直しを図るPS5、そしてハード競争から一歩引いた立ち位置を取るXbox。これら三者の2026年の展望を整理してみます。
Switch 2:DLSS熟成でAAAタイトルが安定供給
Switch 2は競合ハードより低いスペックながら、DLSS――すなわち「システム負荷を抑えつつ、リッチなグラフィックを実現する超解像技術」に対応しました。
これによりAAAタイトルの移植が可能になったことは、『Cyberpunk 2077』や『Assassin’s Creed Shadows』が証明しています。
そして2026年は、「DLSSが使える年」から「DLSSを前提に設計される年」へと移行していくでしょう。
初年度は各社が手探りでDLSSの最適化を進めていたため、タイトルごとに品質のばらつきが見られました。
しかし、解像度・描画負荷・フレームレートといった落としどころが定まり、移植の難易度が事前に読めるようになれば、AAAタイトルが増えていく可能性は高まります。
さらに一歩進んで、携帯モードとTVモードの両立を前提としたアセット設計が一般化し、「家でも外でも安心して遊べる」タイトルの比率が高まると期待されます。
加えて、Ubisoft が任天堂と協力し、Switch 2のVRR(可変リフレッシュレート)機能を改善していることも明らかになっています。
VRRは、GPUのフレームレートに同期してディスプレイのリフレッシュレートを動的に調整し、ティアリングやカクつきを抑える仕組みです。Switch 2では、携帯モードのみ利用できます。
Switch 2は性能的な制約からフレームレート変動が起きやすいものの、従来は40Hz未満での動作が不安定でした。
これがユービーアイソフトの技術的貢献により実質30Hz帯まで対応し、携帯モードでのプレイ体験を大きく向上させています。今後は標準技術として採用され、他社タイトルの改善も期待できるでしょう。
ほか、著名なリーカーであるNateTheHate氏は、Switch 2の開発キット供給問題について「ほぼ解決した」と発言。これまで任天堂は、一部の大手パートナーにしか開発キットを配布しておらず、供給が非常に限られていたため、専用ソフトの開発が遅れていると見られていました。
今後は開発キットの供給が改善され、より多くのサードパーティがSwitch 2向けタイトルの開発に参入する可能性が高まったと言えそうです。
PS5:日本語モデルによる国内市場の回復とPS6への布石
2026年で最も注目すべき動きは、PS5 の日本語専用モデル投入による日本市場へのテコ入れです。
すでに北米・欧州市場ではPS5の累計普及台数は十分な水準に達しており、「売上最大化」から「基盤維持」のフェーズに移行しています。
一方、これまで後回しにされがちだった国内市場では、日本語版モデルによって割高感が解消され、言語ロックによる転売対策も進むことで、PS5は再び「AAAタイトルの主戦場」として機能し始めると見られます。Switch 2とのマルチタイトルが増えることで、性能面の優位性も訴求しやすくなるでしょう。
もっとも、PS5がSwitch/Switch 2に台数競争で勝つことは考えにくいのが実情です。
しかし「PS5ではきちんとソフトが売れる」という感触をサードパーティに与えられるかどうかは、次期PS6の国内立ち上げに直結する重要な要素となります。
また、ソニーがサード各社に対してPS5の「省電力プレイ」対応を強く促している点にも注目が集まっています。
この動きは、「電力制限のあるPS5互換の携帯型ゲーム機」――いわゆる新型PlayStation Portable(PSP)に向けた準備ではないか、との見方もあります。
2026年はPS5にとって単なる延命ではなく、次世代への助走期間となる可能性があります。
Xbox:ハードを売らず、クラウドで凌ぐ年
現行の Xbox Series X|S は、累計販売台数が約3300〜3400万台(2025年9月時点)と推計されており、PS5の約9000万台に対して大きな差があります。近年は複数回の値上げも行われており、ハードウェアでのシェア拡大は望みにくい状況です。
一方で、近年のメモリ価格高騰により、ゲーミングPCやゲーム機そのものが値上げされる可能性が高まっています。
この文脈では、初期投資ゼロで利用できるXboxのクラウドゲーミングは、短期的に消費者の心に響く存在となるでしょう。コスト回避手段としては、一定の追い風が期待できます。
ただし、クラウドサーバー側もメモリ高騰の影響を受けること、入力遅延や映像圧縮による違和感といった課題が根本的に解消されるわけではないことから、その優位性は限定的です。あくまで短期的な効果にとどまると考えられます。
それでも、次世代機「Xbox Magnus」を2027〜2028年に投入するまでの時間稼ぎにはなるでしょう。
Magnusは高価格ながら、XboxゲームだけでなくPCゲーム(Steam)も遊べるハイブリッド機となり、性能面ではPS6を大きく上回るとの噂もあります。
どの立場であれ、メモリ高騰はハードウェアやサービス運営のコストを押し上げ、ユーザーをゲームから遠ざけかねないリスク要因です。その背景にあるAIブームが収束した場合、反動として景気後退が起きる可能性も否定できません。
そうした不確実性の中でも、業界全体がなるべく軟着陸し、次世代へとつながっていくことを期待したいところです。
