XがGrokの画像生成機能「Aurora」を一部アカウントで開放、他人の投稿もAI編集可能と物議
SNSプラットフォーム「X(旧Twitter)」上で、投稿画像に対してAI加工を簡単に行える新機能が一部ユーザーの間で確認され、他人の投稿画像にも“1クリック”で加工・編集メニューが表示される仕様が物議を醸している。クリエイターや一般ユーザーからは著作権や悪用リスクへの懸念が強まっている。
SNS「X」上で、AIを活用した画像編集機能が一部ユーザーのインターフェイスに現れたとの報告が発生している。この機能は、投稿された画像を長押しまたはメニューから選択するだけで、AIによる加工や編集のオプションが表示されるもので、自身の投稿画像に限らず他人が投稿した画像でも同様に編集メニューが現れる仕様になっていると指摘されている。このような「AI画像編集」機能は、従来Xが提供してきたAIチャットボット「Grok」の画像生成機能「Aurora」を更に拡張したものであり、ユーザーがアップロード済みの画像に対してテキストプロンプトなどで編集命令を出すことが可能となるものと考えられている。
こうした機能自体は、Grokによる画像生成モデル「Aurora」の編集能力を活用する形で以前から段階的に提供されてきたもので、AIによるビジュアル編集はGrokのアップデートの一環として進められている。Grokの画像編集機能は、AIが画像内容を解析し、指定した指示に沿って背景変更や要素追加などの編集が可能になるという技術的背景に根差しており、既に数カ月前の提供開始時点から複数メディアが機能の概要を報じている。
しかし、今回のように「他人の投稿画像にも編集メニューが表示される」と見える仕様は多くのユーザーから批判を集めている。報道やSNS上の投稿では、漫画家やイラストレーター、一般ユーザーを含む複数者が、自身の投稿した画像に対して第三者のAI編集メニューが表示されること自体を不快と感じ、クリエイティブ作品の取り扱いや著作権について懸念を示している。こうした反応のなかには、実際にX上の投稿画像を全削除する等の行動に至ったクリエイターも確認されており、AI編集機能の実装がコンテンツ所有者の意向と衝突するケースも発生している。
批判の背景には、単純にユーザーの編集の自由という観点だけでなく、無断編集による著作権侵害や意図しない内容改変、さらにはAIが既存のクリエイティブ素材を無断で学習・加工に利用する恐れに対する懸念がある。従来からXでは投稿されたコンテンツがAIモデルのトレーニングデータとして利用される可能性が指摘され、これがクリエイター側の反発を招いてきた経緯もある。
一方で、この種のAI編集機能自体には肯定的な見方も存在し、ユーザーがより簡単に視覚的コンテンツを生成・改善できる利便性への期待は一定程度ある。AIによる画像編集技術は、プロンプトベースで高度なビジュアル編集が可能になる新たな表現手段として評価される部分もあるが、Xプラットフォーム上での実装仕様や制限、利用規約との整合性については不十分との指摘も出ている。
X側からの公式な声明や正式なリリース文書は現時点で確認されていないため、今回の機能が全ユーザーに展開されたものなのか、あるいはテスト段階の機能なのかについて明確な情報は提供されていない。ただし、AI機能の拡張に伴い、プラットフォーム側がユーザー生成コンテンツの編集・変換に関する方針を今後明示する必要性が指摘されている。
イーロン・マスクのxAI、AGI実現を「2026年」と表明
イーロン・マスク氏が率いるAI企業「xAI(エックスエーアイ)」の社内会議で、同社が人工汎用知能(AGI)を「2026年に到達できる可能性がある」と強気の見通しを示したことが複数メディアで報じられた。イーロン・マスク氏は次の2~3年を同社の成否を左右する重要な期間と位置づけ、強い競争環境の中でxAIが優位に立つ可能性について発言した。
イーロン・マスク氏はxAIの全社ミーティングで、人工汎用知能の実現を「早ければ2026年にも可能」と述べた。この発言は、AI業界全体が強力なモデルの開発競争にあるタイミングでのものとされ、GoogleやOpenAIといったライバル企業との対抗を意識した発言でもある。xAIは自社の大規模AI計算インフラ「Colossus(コロッサス)」プロジェクトや、Groklikeモデル群といった独自技術を背景に掲げている。
イーロン・マスク氏は今後2~3年の生存競争が重要であり、これを乗り切れればxAIはAI競争において主要なプレーヤーになる可能性があると強調した。**xAIの計算力やデータ量の増大計画(GPU数の大幅増強)、および他マスク系企業との連携が競争力強化に寄与するとしている。例えば年間200?300億ドル規模の資金調達計画やTesla車両におけるAI活用などを引き合いに出して、他社との差別化を図る姿勢が述べられている。
これらの報道は、公式声明による発表ではなく社内ミーティングでの発言内容に基づいており、イーロン・マスク氏自身の展望として「AGIが2026年に達成できる可能性」を強調したものであるが、同社としての公式ロードマップや外部検証されたタイムラインの発表は確認されていない。
なお、xAIが2026年に大規模モデル「Grok 5」を投入する計画が報じられており、これがAGI開発の重要ステップになるとの見方もある(例:パラメータ数6兆規模のモデル準備)。ただしこの種の技術計画はモデルのリリース時期や性能目標が変動する可能性を含む点には留意が必要である。
