AI利用、6割が期待感や満足感--6割が「回答が間違っている」経験でファクトチェック
電通が12月23日に発表した第4回「AIに関する生活意識調査」によると「AIを利用したサービスに対して漠然とした期待を感じたことがある」「AIが生成したコンテンツの質が高く、面白いと感じたり満足したりしたことがある」との回答が61.7%だった。
一般企業従事者(経営者、役員、管理職、正社員)も6割がAIの利用で「仕事の効率」が向上したと答え、15~19歳では「勉強の効率」や「勉強のクオリティ」が向上したと考える人がそれぞれ約7割にのぼった。
64%が過去にAIの回答が間違っていた経験を持っており、全体の6割以上がファクトチェックをしていると回答。世代別では15~19歳の70.7%が実施していた。AIに勧められて商品を購入したことがある人は全体では約2割強だったが、若年層(15~34歳)では約35%と3人に1人が経験していた。
今回の結果を受けて、調査担当者は「AIが生活者の日常の判断や行動に徐々に組み込まれつつある様子がうかがえる」と解説。「AIの誤答を経験した人が多い一方で、6割以上がファクトチェックを行っている点は、特に若年層はAIを過信せず、主体的に使いこなそうとする姿勢が定着し始めていることを示している」と若い世代を中心にAIを適切に利用しようとする傾向が強いことを指摘している。
「AIに対する期待感や生成コンテンツへの満足感が約6割に達しており、AIが効率化の手段であると同時に、心理的にも身近な存在として受け止められている」と分析した。
AIのレコメンドで商品を購入する人は少ないものの、理由を理解したうえで選択する傾向があることから「AIが意思決定を補助する存在として機能し始めている」と説明。「仕事や学業の効率向上や余裕の創出といった成果に加え、AI導入で考え方や判断プロセス、評価の基準がどのように変わっていくのかにも目を向けていくことが重要」と今後のAI利用の要点を示した。
調査は、AIサービスを利用したことがある全国の15~69歳(中学生は除く)を対象に11月7~9日にインターネットを利用して実施された。
