ごはんは土鍋と大火力が決め手! プロこだわりの味も楽しめるタイガー炊飯器の良さとは
タイガー魔法瓶は創立100周年を迎えた2023年、「100周年記念モデル」と銘打って発売した最上位機種「土鍋ご泡火炊き JRX-T100」で家電大賞2023-2024の総合グランプリと炊飯器部門金賞を受賞。さらに翌年の家電大賞2024-2025でも「土鍋ご泡火炊き JRX-G100」で総合銀賞と炊飯器部門の金賞を受賞するなど、快進撃が続いています。
そして今年の家電大賞でも、最新モデル「土鍋ご泡火炊き JRX-S100」がノミネート。2025年モデルはどんな進化を遂げているのか、その魅力を紹介しましょう。
そもそも、なぜ土鍋で炊いたごはんはおいしいのか
タイガー魔法瓶「土鍋ご泡火炊き」最大の特徴は、その名のとおり炊飯器の内釜に本物の土鍋(本土鍋)を採用しているところにあります。土鍋で炊いたごはんがおいしいのは広く知られていますが、なぜおいしく炊けるのかご存じでしょうか。
理由はいくつかあります。1つ目は、土鍋の熱伝導率の低さ。土鍋は熱を通しにくいため、金属釜に比べて温度上昇が緩やかです。その結果、お米のデンプンを糖に分解する酵素・アミラーゼがもっとも活発に働く温度帯(40~50℃)を長く保てるため、お米本来の甘みをしっかり引き出せるのです。
2つ目は、土鍋の蓄熱性の高さ。土鍋は熱伝導率が低い一方で、蓄熱性は高く、一度温度が上がるとその高温をキープすることができます。実はおいしいごはんを炊くには、沸騰後も98℃以上で加熱し続ける必要がありますが、土鍋なら火を弱めても高温が保たれ、火を止めたあともふっくら蒸らすことができます。
さらに、土鍋は高温に耐えられることもあり「土鍋ご泡火炊き JRX-S100」では最大300℃(※1)の大火力加熱を実現しています。対して金属釜は放熱性が高く、炊飯器では高くても130~180℃が最大火力。お米は火力が高いほど甘みと旨みが引き出されるため、土鍋はふくよかなごはんの甘みを感じられる炊き上がりに適しているのです。
そして3つ目は、遠赤外線効果です。土鍋から放出される遠赤外線がお米の芯まで熱を伝え、お米全体を均一に加熱することで、ムラなく炊き上がります。「土鍋ご泡火炊き」では金属釜の約4倍(※2)の遠赤効果を実現。さらに土鍋から発生する泡がお米をやさしく包み込むため、粒立ちよくツヤのあるごはんが炊き上がるのです。
土鍋を炊飯器に使うという難題にあえて挑んだ
「そんなにいいなら、もっと土鍋を使った炊飯器が増えてもいいのに」と思う人もいるかもしれませんが、そう簡単な話ではありません。おいしいごはんが炊ける理屈はわかっても、それを炊飯器の内釜として実用化するのは極めて困難なのです。
まず土鍋は金属ではないため、炊飯器のIHヒーターで直接加熱できません。さらに土鍋は焼き物であるため、金属のように金型で同じ形や大きさに量産することもできません。土の種類や水加減、湿度、焼成条件などによって個体差が生じ、精密な寸法と強度が求められる内釜に使うには、非常に高いハードルがあるという実情があります。
この難題にタイガー魔法瓶とともに挑んでいるのが、三重県四日市市に工場を構える陶磁器メーカー「ミヤオカンパニーリミテド」です。タイガー魔法瓶が2006年、炊飯器に初めて土鍋を採用して以来、約20年にわたってタッグを組み、熟練した職人の技術により、焼成工程を3度に分けるなど時間と手間をかけることで、高精度な土鍋内釜の量産化を実現しています。
さらに土鍋の丸い底にIH発熱シートを貼る技術を開発したほか、土鍋の蓄熱性を高めるために原料に火山灰(シラスバルーン)を練り込むなど、独自技術を提供。タイガーと二人三脚で「土鍋ご泡火炊き」の品質維持を支えています。筆者も今年10月に工場を見学しましたが、土の状態から内釜になるまでの気の遠くなるような精密工程に驚き、両社の本気度を実感しました。
「匠火センサー」による温度制御がさらに細かく
当然のことながら、高品質な土鍋の内釜だけではおいしいごはんは炊けません。土鍋の特性を最大限に生かすには、かまどに匹敵する高火力で加熱できるヒーターが必要になってきます。そこでタイガーは底IHヒーターに「300℃ WレイヤーIH」を採用。従来、底ヒーターのコイルは内釜の底面と、丸みのある部分の2箇所に搭載していましたが、2023年モデルから両者の隙間を小さくしたシームレス構造に改良し、熱をより均一に伝えられるようにしました。
また底ヒーターにはコイルを従来の1層から2層に増やし、さらなる高火力化を実現。鍋底から大熱量を加えて上下の温度差を作り出し、激しくもやさしい熱対流を生み出すことで、お米一粒一粒に効率よく熱を伝えます。
さらに本モデルから、新機能「匠火センサー」を搭載。お米をおいしく炊くためには、お米の量や水の温度に合わせ、最適なタイミングで最適な温度に加熱する温度制御が欠かせませんが、前述のように土鍋は熱伝導率が低いため、温度変化の検知が難しいという課題がありました。
そこで従来のセンサーを薄型化し、土鍋底面との設置距離を近づけた「匠火センサー」を開発。これにより、温度コントロール精度が約1.8倍(※3)向上し、より理想の火かげんで炊き上げることができるようになったというわけです。
どんなお米もおいしく炊ける、豊富な炊き分け機能
「土鍋で炊いたごはんはおいしい」というのは、高級料亭などではいまだに土鍋で炊いたごはんを提供しているところからもわかります。腕のある料理人は長年の経験から、適切なタイミングで火力を調整していますが、本モデルは「匠火センサー」がそれを実現しているというわけですね。
それだけではありません。ライフスタイルやお米の種類、状態など、どんな条件でもおいしいごはんを炊けるよう、炊きわけ機能も充実しています。専用の中ぶたを使い、0.5合から1合の少量でもおいしく炊ける「一合料亭炊き」や、70銘柄の個性に合わせて炊き上げる「70銘柄炊きわけ」に加え、新たに「極・低温吸水メニュー」を搭載。冷蔵庫で6時間以上浸水させたお米を最適に炊き上げる機能で、実際の料亭でも活用されているプロの技に倣っています。また、水分が少なめの古米もみずみずしく炊けると好評です。
一方、水分が多い新米は、吸水させすぎず加熱しすぎない「新米誉れ炊き」メニュー、おにぎりにするのは、冷めてももっちり感を損なわない「おにぎり」メニューなど、多彩な機能が加わっています。
毎日のごはんがおいしくなる価値は大きい
「土鍋ご泡火炊き」の土鍋が持つ特性、そしてかまどに近い高火力と繊細な温度制御技術を知ると、なぜ2年連続「金賞」を受賞してきたのか、そして今年は進化の意義も納得できるのではないしょうか。
実際、「土鍋ご泡火炊き」で炊いたごはんには、他とは明らかに異なる魅力があります。それは、炊き上がってふたを開けた瞬間に漂うお米の香りの豊かさ、口に入れたときのつややかな舌触り、そして一口、二口噛むごとに増していく甘み。そのどれもが格別です。
炊飯器は家電製品の中で、フラッグシップモデルのほうがより比例して性能の向上が大きく、お米のおいしさが増していく製品なのではと筆者は感じています。日々の食生活が豊かになることを思えば、まさに価値ある選択といえるのではないでしょうか。
