日産、AWSで「ProPILOT」など車載ソフト開発加速
Amazon Web Services(AWS)は、日産自動車がSoftware-Defined Vehicle(SDV)を開発するクラウド基盤「Nissan Scalable Open Software Platform」をAWS上に構築したと発表した。同プラットフォームは、グローバルエンジニアリング環境の近代化を目指す日産において、デジタル変革の重要なマイルストーンとされている。
SDV開発において、ソフトウェアが車両の主要機能や性能を定義するようになる中、日産は「Nissan Scalable Open Software Platform」によって以下を実現していく。
・アイデアをデジタルスピードで機能へと変える、より迅速な開発サイクル
・高度なテスト機能による品質保証の向上
・グローバル開発チーム間でのボーダーレスなコラボレーション
日産はすでに開発効率の向上を実現しており、車載ソフトウェアのテスト実行時間を75%削減。従来手動で行なっていたテスト手順を完全自動化した。また、世界中に在籍する5,000人以上の開発者が、物理的な所在地に関係なく、標準化されたツールとリソースに即座にアクセスできる共通の開発環境の構築を目指し、取り組みを進めている。
SDV開発におけるAI活用も拡大。2025年9月に開発試作車の運転能力を公開した次世代ProPILOTは、複雑な一般道を含む走行においても運転支援技術を実現するもので、2027年度に国内の市販車へ搭載される予定。
日産は、自動車産業の変革期をリードするため、SDVでのソフトウェア開発は重要な戦略としており、「Nissan Scalable Open Software Platform」は自動車業界における重要な競争優位性になるとしている。
日産、自動運転レベル2の「ProPILOT」 27年度に国内量産化
日産自動車は9月22日、2027年度に日本市場への導入を予定している次世代運転支援技術「ProPILOT」を公開した。WayveのAI技術と次世代LiDARを組み合わせることで、一般道でも熟練ドライバーのような安全で滑らかな運転を実現する。
また、東京・銀座にて、次世代ProPILOTを搭載した試作車「日産アリア」のデモ走行を実施した。その運転支援技術は、英Wayve社が開発するAIソフトウェア「Wayve AI Driver」と、次世代LiDARを活用した「Ground Truth Perception」技術で構成される。Wayve AIは、周囲の状況を包括的に把握し、次に起こること、自身の行動が及ぼす影響を予測する能力を持つ。
試作車には、11個のカメラ、5個のレーダー、1個のLiDARセンサーが搭載されており、都市部の複雑な道路環境や夜間・高速走行時においても高精度な認識性能を発揮するという。
日産ではこれまで、ProPILOT(単一車線対応)からProPILOT 2.0(複数車線対応)と段階的に技術を進化させてきた。今回発表された次世代ProPILOTは、一般道を含む幅広い環境での運転支援を目指す。
日産はこの技術を、2027年度中に日本国内向けの一部量産モデルに搭載する計画。次世代ProPILOTは、運転支援機能に該当し、自動運転レベル2に相当するとしている。
