“半固体=安全”安直な認識に警鐘―モバイルバッテリー大手のCIO、新製品で独自基準の安全設計を紹介
モバイルバッテリーを販売する株式会社CIOは、同社独自の設計基準を満たす「半固体系バッテリー」を採用した次世代モバイルバッテリー製品の販売を発表した。公的規格や明確な業界定義が存在しない領域であることから、同社は名称にとらわれず、採用セルの仕様、評価試験の条件、実測データを順次公開するとしている。
CIOは、従来のリチウムイオン電池よりも発火や液漏れリスクを抑えた「半固体電池」と呼ばれる製品群について「2025年11月現在、公的規格はもとより、業界として統一された定義も存在していない」と指摘。そのうえで、未成熟な技術領域であることからメーカー間の品質差が大きく、「半固体=安全」といった単純な理解は誤った判断を招きかねないとの危機感を示した。
今回販売を開始する「SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K」(5000mAh/6980円)では、スマートフォンで実績のあるTier1電池メーカー製の半固体系セル(同社定義)を採用。内部構造設計を「NovaCore C2」と定義し、既存製品のリビジョンアップや新製品への置き換えを進める方針を示している。
同社はモバイルバッテリーの安全性を「構造=NovaCore」と「制御=NovaSafety」の二軸で評価しており、NovaCore C2では、膨張余裕やセル区画、難燃性、放熱性といった内部構造の基準を設定。NovaSafety S2では、高温時の出力抑制などファームウェアによる安全制御を強化しており、いずれの要件を満たすものを販売するとしている。
同社は「内部構造が見えにくい製品だからこそ、どのような技術で構成され、どこまで安全性が確認されているのかをお伝えし、理解した上で選んでいただきたい」「“半固体=安全”ではなく、どのような構造で、どのような制御が施され、どの条件で安全性を確認しているのか――。CIOは、こうした見えにくい領域こそ丁寧に開示すべきだと考えています」との意見も寄せている。
