ラーメン調理に雨水!?透き通ったスープ「素材のうま味が感じられる」と大絶賛…福井で試食会、災害時にも有用

ラーメン調理に雨水!?透き通ったスープ「素材のうま味が感じられる」と大絶賛…福井で試食会、災害時にも有用

雨水でラーメン――? 雨水活用の研究や社会実装に取り組む、福井工業大の笠井利浩教授(57)らが22日、雨水を使って調理する「雨水ラーメン」の市民向け試食会を福井市内で行う。実は雨水は不純物が少なく、蒸留水に近い水質。災害時などに備えて「雨水をためて使うのが普通の社会」の実現に向け、その有用性を広く体感してもらうのが狙いという。(農本陸人)

 「雨水で作っているとは思えない」「自然な味わいで、素材のうま味が感じられておいしい」

 今月11日、福井駅近くの複合施設「コノジナガヤ」のイベントスペースで行われた関係者向けの試作会では、雨水ラーメンを絶賛する声が相次いだ。透き通ったしょうゆベースのスープはもちろん、麺のゆで上げ、具材のチャーシューの煮込みなど、調理工程の全てで雨水を使用。体調不良や味への違和感を覚えた人はいなかった。

 笠井教授らは、3月に開業した同施設の屋内に雨水タンクを設置。軒下の取水装置できれいな雨水だけを選別し、最大3600リットルをためられるようにした。IoT技術を用いて水量、水質などを遠隔監視し、タンクの洗浄などの操作も行う。ためた雨水は、活性炭やマイクロフィルターで臭いや粒子を除去し、紫外線で殺菌。次亜塩素酸を加え、平時はトイレの洗浄などに使っている。

 国が定める水道水の水質基準もクリアしていることから、当然、食用、飲用も可能だが、一般的に雨水には「汚い」「飲めない」といったイメージが根強い。それを覆すため、笠井教授はこれまでも、雨水を使ったサイダーや日本酒造りに取り組んできたが、さらなる啓発につなげたいと、今回、調理工程で大量の水を使うラーメンを提供することにした。

 渇水などの異常気象や、災害時の生活用水の確保などに備え、雨水は水資源として注目されるようになっている。笠井教授は国内外で雨水を活用する様々なプロジェクトを展開。生活用水を雨水に頼っている長崎県五島市の離島・赤島や、フィリピン・ミンダナオ島では、給水インフラとして雨水システムを導入するなどしてきた。

笠井教授は「豪雨や降り始めからしばらくたった雨は水質が良く、飲用可能ということを知っているだけで、災害に直面した際に役立つ。それを広く知ってもらいたい」と意気込む。

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