防犯カメラが“覗かれる日常”に ~IoT時代の無防備な現実~

防犯カメラが“覗かれる日常”に ~IoT時代の無防備な現実~

保育園や工場などに設置された防犯カメラの映像が海外のサイトに流出し、誰でも閲覧できる状態になっていたことが明らかになった。中には園児の顔が鮮明に映る映像もあり、重大なプライバシー侵害として社会的な関心を集めている。専門家の分析では、こうした映像は設定不備や初期パスワードのまま運用されていたネットワークカメラが外部から容易にアクセス可能となり、無断で配信されていたものだという。国のプロジェクト「NOTICE」では、IoT機器の管理者に注意喚起を行い、安全な運用の啓発を進めている。

ココがポイント

保育園や工場の防犯カメラ映像、500件が海外サイト流出…設定に不備「犯罪に悪用される恐れも」

出典:読売新聞オンライン 2025/11/4(火)

防犯カメラ映像の流出先に月300万回アクセス数…海外7サイト分析、静止画保存機能持つサイトも

出典:読売新聞オンライン 2025/11/8(土)

食品工場でも「ライブ映像」流出、異物混入対策に「穴」…防犯カメラの設定や状態「改めて点検必要」

出典:読売新聞オンライン 2025/11/8(土)

NOTICEでは、IoT機器の安全な管理方法の広報や、危険性があるIoT機器の管理者・利用者への注意喚起を行っています。

出典:NOTICE | みんなで守る、IoT。

エキスパートの補足・見解

2016年初頭、ロシアの「Insecam」というサイトが世界中のネットカメラ映像を無断中継し、日本国内でも6,000件を超える映像が公開された。その中には一般家庭の室内や病院の窓口、さらには集中治療室の映像があり、大きな社会問題となった。現在では国内の該当件数は400件程度に減少しているものの、依然として高い水準にある。アメリカが約600件で最多、日本がそれに次ぎ、イタリアやドイツなどは100件前後にとどまる。EU諸国では数十件規模にまで減少しており、日本のセキュリティ意識の低さが際立っている。問題はネットカメラを含むIoT機器全般の脆弱性にある。こうした機器が乗っ取られれば、いわゆるゾンビカメラ、ゾンビルータ、ゾンビスマホ等と呼ばれ、攻撃者に操られて、DDoS(分散型サービス拒否)攻撃等、サイバー攻撃の踏み台となる危険がある。総務省とNICTは、通信事業者と連携して「NOTICE」プロジェクトを展開し、脆弱なIoT機器を特定して利用者へ注意喚起を行っている。不正アクセスを防ぐために新法を整備し、国が主体となって安全確保を進めているが、最終的には利用者自身の意識改革が欠かせない。

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