Sora2著作権問題。ジブリ・任天堂ら加盟のCODAが要望書、日本動画協会・出版社も共同声明発表
OpenAIの動画生成AI「Sora 2」の著作権問題で、スタジオジブリや任天堂など100社以上が加盟するCODA(コンテンツ海外流通促進機構)がOpenAIに要望書を提出しました。Sora 2が日本の著名なアニメや漫画を無断学習したとみられる問題を受けた動きです。これに続き、日本動画協会や講談社、小学館、集英社など出版社19団体も共同声明を発表。巨大AI企業に対し、日本のコンテンツ産業が一体となってクリエイターの権利保護を求める事態に発展しています。
Sora 2の運用において、CODA会員社のコンテンツを無許諾で学習対象としないこと
出典:一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA) | 日本コンテンツを世界へ。 海賊版対策はそのはじめの一歩。 2025/10/28(火)
日本動画協会や主要出版社らは10月31日に共同で、生成AI時代の創作と権利のあり方に関する共同声明を発表
出典:PC Watch 2025/11/4(火)
心血を注いで作品を作り上げた作家の尊厳を踏みにじり、 多くの人々の権利を侵害することのうえに成立してよいはずはありません
出典:ASCII.jp 2025/11/4(火)
エキスパートの補足・見解
今回の動きで注目すべきは、まずCODA(コンテンツ海外流通促進機構 )が要望書を提出し、それに呼応するように出版社団体が共同声明を発表した点です。これは、日本のコンテンツ産業が個社の利害を超え、業界全体として巨大AI企業に公正なルールを求めた歴史的な一歩と言えます。
問題の核心は「オプトイン vs オプトアウト」にあります。OpenAIは、権利者が拒否しない限り著作物を学習・生成に利用できる「オプトアウト方式」を採用していますが、クリエイター側は事前に許諾を得る「オプトイン方式」を強く求めています。これは単なる手続きの違いではなく、創作者の権利を尊重するかどうかという根本的な価値観の対立です。
AIの進化は歓迎すべきですが、それはクリエイターへの敬意と公正なルールがあってこそ成り立ちます。私たち消費者も、AIが生成したコンテンツをどう受け止め、利用していくべきか、倫理的な問いに向き合う時が来ています。日本の文化を守るこの動きは、世界のAIルール作りにも影響を与えるでしょう。
