全国から熱視線 福岡発「AI教習車」をペーパードライバー記者が体験 人手不足の救世主 AI×人の相乗効果でサービス向上

全国から熱視線 福岡発「AI教習車」をペーパードライバー記者が体験 人手不足の救世主 AI×人の相乗効果でサービス向上

今、自動車教習所が大きく変わろうとしています。

全日本指定自動車教習所協会連合会の試算によると、指導員の高齢化などによって2033年には「教習生の数」に対して「指導員」の数が3割以上、不足する見込みです。

その解決策として福岡で誕生した「AI教習車」が注目されています。

■無人タクシーにも採用の最新センサー搭載

福岡県大野城市にある南福岡自動車学校。

ここで教習車として稼働しているのが・・・

RKB 土橋奏太 記者

「これがAI教習車です。無線で教習ができるのは屋根に搭載されたこのセンサーに秘密があるんです」

実はこれ、アメリカで営業している完全自動運転の無人タクシーにも採用されている最新センサー「LiDAR(ライダー)」です。

レーザー光を使って物体との距離や方向を測定し、車両の周囲360度を正確に認識。

加えて、車内カメラや速度などのデータをもとにAIが運転技術を評価するシステムを南福岡自動車学校の関連企業「AI教習所」が開発しました。

AI教習所 等々力広太 取締役

「限られた指導員が安全運転教育をより広くたくさんしていくというのが求められている」

■”人手不足の救世主”に全国から熱視線

南福岡自動車学校では5年前からAI教習車を6台導入。

企業研修やペーパードライバー講習でもAI教習車を利用し、指導員の同乗を減らして、効率化を図ってきました。

さらに、2025年5月には免許取得前に指導員を乗せずに1人で教習車に乗車するいわゆる「無線教習」での使用も福岡県警などから認められています。

人手不足の救世主として2026年度には全国50校以上の自動車教習所が導入する見込みです。

■ペーパードライバー記者が体験

RKB 土橋奏太 記者

「今からペーパードライバーの私の実力をAIに評価してもらいます、行ってきます」

車を運転するのは年に1回程度。特に、まっすぐ進むのが苦手という土橋記者がペーパードライバー講習に挑戦。

気合い十分・・・果たして!?

AI

「発進前に周囲の安全を確認しましょう」

RKB 土橋奏太 記者

「あ、あ、あれ、確認してなかった」

開始早々、注意され、出鼻をくじかれる土橋記者。

気を取り直して、安全運転といきたいところですがー

AI

「右左折の合図を出しましょう」

RKB 土橋奏太 記者

「あ、やべ、やばいやばい」

AI

「ピピピピピ!」

RKB 土橋奏太 記者

「はみ出してる」

AI

「右折の前は道路の中央に寄せておきましょう」

RKB 土橋奏太 記者

「タイミングが遅いと言われる」

間髪を入れず指摘してくるAIにもはや防戦一方。

さらに・・・

AI

「上り坂の頂上付近は徐行しましょう」

RKB 土橋奏太 記者

「すみません」

最後は、AIに対し謝罪の言葉まで口にした土橋記者。

もはや、スパルタ教官が同乗しているかのような表情です。

RKB 土橋奏太 記者

「思ったより指摘されましたね。ダメなところはダメと素直に言ってくれるのでそこはありがたかったです。ただ心にきましたね、ここまで言われると」

■AIの判定は「不合格」

走り終えたあとはリアル指導員からフィードバック。

判定結果はー。

教官

「判定は不合格になっています」「ショック受けないでくださいね、マイナス90点です」

RKB 土橋奏太 記者

「マイナス・・・・マイナスというのがあるんですね」

教官

「今の運転結果を見ていきましょう」「続いて2番右折中に道路の中央から離れているとありますね」「右折をする場合には、あらかじめ道路の中央線の方に寄せ置かなければなりません。しかし、土橋さんはそのままの通行位置から右折を始めていました」

RKB 土橋奏太 記者

「気づかなかったです」

即座に映像でミスを確認することもでき、人員削減だけでなく、講習の質の向上にも役立っています。

この日2度、AI教習車に乗った女性はー

Q指摘されました?

教習生

「されました。たくさん。1回目、一時停止とか右折の時に中央線に寄ってくださいとかすごく細かい指摘があって、2回目それを意識すると注意点が少しずつ減っていったので改善点も分かるし、次に生かせるかにもつながるので勉強になりました」

■AI×人の相乗効果を模索

AI教習車の導入で教習の質も上がる中、余裕が出来たことで”人だからこそできること”にも力を入れ始めています。

それが「ほめる指導」です。

この教習所では、指導員全員がほめる達人検定「ほめ達」という資格を取得しました。

土橋記者も「ほめ達」の一人、熊川厚哉指導員を横に教習開始。

AIには防戦一方でしたがー。

「ほめ達」取得者 熊川厚哉 指導員

「ブレーキ優しいですね、乗り心地いいです」

RKB 土橋奏太 記者

「本当ですか、初めて言われたー。嬉しい」

🍎たったひとつの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、その名は名馬鹿ヒカル!🍏