米アマゾン、最大3万人削減へ 28日開始=関係筋
米アマゾン・ドット・コムが本社部門で最大3万人の人員削減を実施することが27日、複数の関係筋の話で分かった。新型コロナウイルス感染拡大によるパンデミック期の需要急増に伴う過剰採用の調整とコスト削減が目的で、削減は28日に開始されるという。
予定する削減数は本社部門の従業員数(約35万人)の約10%。今回の削減数は2022年末以降に約2万7000人を段階的に削減して以降、最大規模になる見込み。
アマゾンの全従業員数は155万人。アマゾンの広報担当者からコメントは得られていない。
1万4000人削減の米アマゾン、理由は財務ではなく「カルチャー」
ニューヨーク(CNN) 従業員1万4000人を削減する方針を明らかにした米アマゾン。アンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)は人員削減の理由について、財務でもAI(人工知能)でもなく、「カルチャー」だと説明している。
ジャシー氏は10月30日の決算説明会でアナリストの質問に答え、今週発表した人員削減は「財務上の理由ではなく、現時点ではAIによるものでもない。カルチャーが理由だ」とコメントした。アマゾンの7〜9月期売上高は前年同期比13%増の約1800億ドル(約27兆7200億円)に達した。
ジャシー氏の説明では、近年のアマゾンが従業員数や拠点、事業分野を増やす中で「以前より大幅に人員が増え、組織の階層が増える結果を生んでいる。気付かないうちに、現場で実際に仕事をしている人のオーナーシップ(主体性)が弱まることがありうる」という。
米証券取引委員会(SEC)への提出書類によると、アマゾンの従業員数は2021年のピーク時には160万人を超え、昨年末の時点でおよそ150万人だった。
「その結果、リーダーシップチームとしての動きが鈍くなる可能性がある」「我々は世界最大のスタートアップのように事業運営することに取り組んでおり、それは階層を取り除くことを意味する」(ジャシー氏)
アマゾンは今週、一連の人員削減について、AIによる将来の効率化を見据え「機動性」を維持する側面が強いと述べたが、テクノロジーが人間の労働者に取って代わるのではないかとの懸念も広がっている。決算発表後、アマゾンの株価は時間外取引で13%上昇した。
