ギネス認定証とともに展示した花火写真、1件のクレームで撤去…写真家「納得いかない」
8月に「最も高い山型(形)の仕掛け花火」がギネス世界記録に認定された千葉県市川市民納涼花火大会を巡り、市が、ギネス認定証とともに花火の写真を市役所で展示したところ、1人の市民から「写真家の宣伝につながりかねない」とクレームがあり、市が写真を撤去したことがわかった。写真家は「納得がいかない」と反発。市には、「なぜ撤去したのか」と問い合わせや抗議が複数寄せられている。
写真を撮影したのは、「Shun Shirai」の名前で活動するプロ写真家の白井俊一郎さん(53)。白井さんによると、市の依頼を受けてボランティアで花火を撮影し、写真を無償で提供した。
市によると、8日に写真とギネス認定証の展示を市役所第1庁舎1階で始めたところ、市民1人から9日、「プロ写真家の作品を名前入りで掲示するのは宣伝につながりかねない」との抗議があった。市は写真を撤去し、認定証だけを展示している。
市は「展示はギネス認定証を見ていただくのが目的。不快と感じた人がいた以上、写真は差し替えるべきだと判断した」と説明している。
白井さんは「不可解で戸惑うばかり。大変残念」と話し、「いわれなき抗議に毅然(きぜん)と対応できないようでは、市の芸術展にも悪影響が出るのではないか」と懸念している。