Windows 10を安全に使い続けられる「Windows 10 ESU」がMicrosoft ストアで提供開始
マイクロソフトが、Microsoft ストアにおいて『Windows 10 Consumer Extended Security Updates(拡張セキュリティ更新プログラム、ESU)』の提供を開始した。価格は30ドル(日本では価格3500円)。ESUを適用することで、セキュリティ更新プログラムの提供期間を延長できる。延長期間(個人向け)は2026年10月13日までの1年間。すでに配布中の無償版ESUと異なりローカルアカウントで利用可能で、いったん「Microsoft アカウント」にサインアップした後はログアウトしても利用できるとの報道もある。
■Microsoft ストア版「Windows 10 ESU」
ITサイトのWindows Latestがこの突然の追加を見つけた。「マイクロソフトはついにMicrosoft ストアに『Windows 10 Consumer Extended Security Updates(ESU)』というタイトルの製品ページを公開した。これはローカルアカウント向けにESUを有効化する拡張機能で、サイズはわずか0.1MBであり、有料と無料の両オプションを提供する」。
Windows 11の場合、マイクロソフトはユーザーに対して「Microsoft アカウント」でのログインを求めている。この姿勢がユーザーの反発を招いており、Windows 11へのアップグレードをためらう理由の1つにもなっている。一方、「Windows 10の30ドルのESUでは、「Microsoft アカウント」に1度サインアップすれば、その後はログアウトして二度とログインしなくてもよい。ESUはそのまま機能し続ける」。
●2025年10月14日、Windows 10のセキュリティ更新プログラムが提供終了
「Dデイ」である米国時間10月14日、マイクロソフトはついにWindows 10を退役させた。なお、いまだ5億台超のパソコンが取り残されているとの情報が、この期限に関する無数のニュース記事がユーザーフィードを埋め尽くした理由である。広範なサポート切れによる「セキュリティ大惨事」のリスクであれ、電子廃棄物のリスクであれ、これは本当に大きな出来事である。
■Windows 10ユーザーの選択肢は5種類
Windows 10ユーザーには、選択肢が5種類用意されている。
(1)「Microsoft アカウント」とOneDriveを使って無償版ESUを利用
(2)Microsoft ストアで有料ESUを購入
(3)利用中のパソコンが動作条件を満たすならWindows 11にアップグレード
(4)新しいWindows 11パソコンを購入
(5)利用中のパソコンにグーグルの無料OS「ChromeOS Flex」(クロームオーエス・フレックス)をインストール
Windows Latestは「29.99ドルという価格は税抜きであり、ライセンスを購入する際にはより高くなる可能性がある。税額は地域によって異なるため、購入ボタンを押す前に確認すべきだ。これは1度きりの購入であり、継続課金型のサブスクリプションではない。マイクロソフトの計画は、あと1年だけセキュリティアップデートを提供することだからだ」と述べている。
■セキュリティ更新プログラムを適用しない場合、セキュリティ上のリスクに直面
米国のサイバー防衛機関も、「Windowsのサポートから脱落してはならない理由」をタイムリーに想起させている。セキュリティ更新プログラムを適用しない場合、セキュリティ上のリスクを抱え込むことになる。
たとえばこの告知では、連邦政府職員に対し、米国時間11月4日までの更新を告知している。Cybersecurity Newsによれば、CVE-2025-59230は「ローカル権限昇格の脆弱性であり、初期アクセスを持つ者のような認可されたユーザーが、より高い権限を獲得してネットワーク全体を侵害する可能性がある」。マイクロソフトは「この問題はWindows 10、11、Serverエディションを含む複数のWindowsバージョンに影響する」と認めている。
■すべてのWindows 11 PCをAI PCにしたい
アップグレードに関して、マイクロソフトは「すべてのWindows 11 PCをAI PCにしたい」とも発表し、「人々が日々すでに使っているWindowsのエクスペリエンスに統合することで、最強のAIをより身近なものにする」と述べている。
マイクロソフトの上級副社長であるユスフ・メフディはThe Vergeに対し、「私たちのビジョンは、OS全体をAIを軸に書き換え、真にAI PCと呼べるものを本質的に構築することです」と語った。
だがその一方で、まずは基本を確実にこなし、現行のPCがすべて安全であることを確認しよう。
