動画生成AI「Sora」、著作権配慮し修正へ アルトマン氏が声明
米オープンAIが新しい動画生成AI(人工知能)のSNSアプリ「Sora(ソラ)」について、サム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は3日に声明で「(キャラクターなどの)著作権者が生成をよりきめ細かくコントロールできるようにする」と修正方針を明らかにした。
9月末に公開されたソラでは、ポケモンやドラゴンボールなど日本のアニメキャラに酷似した動画が次々と投稿され、「著作権を無視している」との批判が出ていた。アルトマン氏は声明で「本来は許可されるべきではない生成が出てしまう『例外的なケース』が存在するかもしれない」とした上で、試行錯誤を重ねながらシステムを整備していくと述べた。
ソラでは、著作権者が著作物の無断使用を拒否しない限り表示を続ける「オプトアウト方式」をとっていたことが、日本のアニメキャラが勝手につくられる理由となっていた。これを事前に著作権者が同意したものだけを使う「オプトイン方式」に近い仕組みに変える方針だ。
Sora2の衝撃的のクオリティ、今後問われるのは誰が作ったかになるか?AI動画の新たな情報リテラシー
OpenAIが発表した最新の動画生成AI技術「Sora2」は、そのクオリティでまたしても世界を驚かせています。まるで現実と見紛うばかりの映像に加え、映像に合わせた高品質な音声まで自動生成されるSora2は、どんなショート動画でもAIが生成できる時代が来たことを予感させます。どんな動画でも生成できてしまうということは、コンテンツの「質」だけでなく、その動画は「誰が作ったか」という「情報源の信頼性」の重要性をますます高めていくことになるでしょう。
エキスパートの補足・見解
Sora2の登場は、ショート動画コンテンツ制作がまた一段変化したことを意味します。そのクオリティはショート動画なら十分なレベルに達し、今後SNSなどのショート動画の多くがAI生成となるでしょう。Sora2は実写のようなリアルな映像からアニメ風まで多様なスタイルで高品質な動画を生成し、映像に合わせた音声も自動生成されるため没入感は一層高まります。
簡単なプロンプトで、Sora2が意図した動画を生成できることは「とりあえず欲しいショート動画はなんとなく生成できてしまう」というSora2の能力を明確に示しています。
これにより、誰もが手軽に高品質な動画を作成できるクリエイターの民主化が進む一方で、コンテンツの真偽を見極めることが極めて困難になります。
ただ、AIによる高品質な動画生成が容易になることで、危険な行為や過激なコンテンツを自ら行う必要がなくなり「ショート動画のためにバカなことをする」といった行為に倫理的なブレーキがかかる可能性もあります。
AI生成動画が氾濫する時代において、私たちは情報を受け取る側として、発信者が誰でどんな意図なのかを読み解く情報リテラシーをこれまで以上に磨く必要があるのです。
なつかしのコピペを「Sora 2」に動画化させまくってみた 「もぅマヂ無理」「猫の喧嘩」など……どんな映像になる?
10月1日(現地時間)の登場以来、SNSで話題になり続けている米OpenAIの動画生成AI「Sora 2」。音声や文字の正確な出力や、簡単なプロンプトからでもカット割りされた映像を生成できる点などが注目を浴びている。
一方、Sora 2は招待制で、全てのユーザーが手軽に使えるわけではない。そこで、Sora 2の性能を分かりやすく確認するため、昔はやった“なつかしのコピペ”をそのままプロンプトとして入力。Sora 2がどんな映像を出してくるか確認してみる。
使ったコピペと、出力された動画はそれぞれ以下を参照のこと。いずれも、デフォルト設定のまま縦動画として出力した。果たしてSora 2のプロンプト理解力はいかほどか。
使ったコピペ(いずれもプロンプトとしてそのまま入力)
今日、母親の財布から金パクろうと思って開けたら、 10年前の母の日に俺があげた肩たたき券が大事そうに入っていた。 俺は泣きながら2千円を抜き取った。
今日帰りにインド人がやってるカレー屋に行ったんだけど、 カレー注文したらスプーンがついてこなくて 「あ、本格的な店なんだ」とか思って手で食ってたら、 半分くらい食ったときに、インド人の店員が奥から すげー申し訳なさそうな顔してスプーン持ってきた
猫の喧嘩ですけど、ニャーニャーなんて声出さないよ 喧嘩時の声は 「マーオ」 これを互いが連呼し合う 交互にやりとりしていくにつれてどんどん伸びる&後部が高音になっていく こんな感じ
A「マーオ」
B「マーオ」
A「マーーオ」
B「マーオ」
A「マーーーオ!」
B「マーーオ!」
A「マーーーーーーーーオ!!!!!!」
B「マーーーーーーーオ!!!!!」
A&B「ギャフベロハギャベバブジョハバ」
ホラー映画を見てたんだが、あまりにも恐すぎて、本当に怨霊が出て きそうだったのでテレビの音量を下げようとリモコンを押したら画面に 「オ ン リ ョ ウ」 ぎゃぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!!!
もぅマヂ無理。彼氏が別れた。 どんどん分裂してぃまゎ8体になってる。 ぅちに勝ち目ゎなぃんだって。 完全にかこまれて る。 っょぃ。 勝てなぃ
実際に試した所感としては、米Googleの動画生成AI「Veo 3」などに比べてショート動画っぽいフォーマットになりやすいように感じた(アスペクト比9:16で生成したからかもしれないが)。また音声の読み上げやカット割りは比較的上手だが、プロンプトが長くなるにつれ、発話や文字、構成が崩れたり、途中で映像が切れたりしやすくなる傾向もあるかもしれない。
英語の動画に比べると、さすがに日本語はやや苦手なようで、やはりプロンプトが長いと映像そのものが途中で途切れたり、不自然に早口になってごまかしたりするような場面が見られた。逆に、動物の鳴き声が主で発話のないコピペなどは違和感が少なかった。この辺りはプロンプトの書き方を変えれば改善する可能性もある。
他社の動画生成AIや旧Soraには、既存の動画や生成した動画の続きを作る機能や、1つの動画をシーンごとに分割してそれぞれプロンプトなどで調整できる機能もある。今後これらがSora 2でも使えるようになれば、さらにクオリティーを上げやすくなるかもしれない。
