「車のエアコン」から酸っぱくて嫌な臭いが…! くさいのはなぜ?対処法はある?【車の専門家が解説】
暦の上ではすでに秋ですが、まだまだ猛暑が続いています。車内を冷やそうとエアコンのスイッチを入れたら……くさい! 一体どうして? 対処法はある? 車の素朴なギモンにAll About 車ガイドの塚田勝弘が解説します。
◆Q. 車のエアコンがくさいのはなぜですか?
【今回のギモン】
車の冷房をつけたら酸っぱい臭いがして困っています。カーエアコンが臭うのはなぜですか?
◆A. 臭いの主な原因はカビや雑菌
車内は密室に近く、さまざまな臭いが漂いやすい環境にあります。中でもエアコンの吹き出し口からは、時にはカビくささや酸っぱい臭いが漂うことも。たばこを吸う人の場合は、臭いの元がエアコン内部に蓄積することもあります。
嫌な臭いの主な原因は、エアコン内部のカビや雑菌。取り込んだ外気を冷やす役割を担うエバポレーター(熱交換器)にカビや雑菌が繁殖するためです。車のエアコンは、冷媒ガスで冷やしています。冷却時に発生する結露によってエバポレーター内部に水分が残ってしまい、カビや雑菌が繁殖しやすくなります。
車内にカビや雑菌をまき散らす可能性もあります。また、新車でもエアコンから臭いがする場合は、内部のプラスチックや塗料などが原因で、使っているうちに次第に気にならなくなるはずです。
エバポレーターが臭いの原因となっているのは、ある程度走行距離を重ねたり、年式が古くなったりした車で比較的多く見られます。エアコンがフル稼働する夏場などは一時的に臭いが薄れることもありますが、臭いの元から抜本的な対策が必要な場合もあります。
◆臭いへの対処法
まだ比較的新しい車であれば、ノズル付きの消臭スプレーを使って自分でも作業できます。エアコンを内気循環にし、エアコンを切った後に窓をすべて開けます。エアコン吹き出し口にスプレーをした後に、エンジンとエアコンをつけて10分ほど作動させたまま換気します。
ただし、エバポレーターに付着したカビなどの汚れがひどい場合は、ほとんど効果が得られないことも。液剤が内部に残ってしまい、かえってカビの原因になりかねないので注意が必要です。臭いの原因が軽度の場合は、暖房を入れて10~15分ほど窓を開け、内部を乾燥させる方法も有効なことがあります。
効果を感じられない場合は、エアコンフィルターとエバポレーターの徹底的な洗浄が必要です。エバポレーターは、内部の奥にあるためプロにお願いするのが基本。料金は、専門業者やガソリンスタンド、ディーラー、あるいは車種などによってばらつきが多いですが、基本的には5000円~3万円程度が相場です。