ホンダ 新型プレリュードのボディカラーや内装を徹底チェック!プレリュード を 先行初試乗!歴代モデルを一気乗り!

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ホンダ プレリュード

初代(1978)

全長×全幅×全高:4090×1635×1290mm

ホイールベース:2320mm

トレッド 前:1400/後:1410mm

重量:890〜915kg

乗車定員:4名

エンジン:CVCC 水冷直列4気筒OHC 1750cc

圧縮比:8.0

最高出力:90PS/5300rpm(MT車)

最大トルク:13.5kg・m/3000rpm

サスペンション方式:

マクファーソン・ストラット方式独立懸架(スプリングオフセット方式)

2代目(1982)

全長×全幅×全高:4295×1690×1295mm

ホイールベース:2.450mm

トレッド:前/後:1470mm

重量:955〜1000kg

乗車定員:4名

エンジン:CVCC 水冷直列4気筒OHC 1829cc

圧縮比:9.4

最高出力:125PS/5,800rpm(MT車)

最大トルク:15.6kg・m/4,000rpm

サスペンション方式

前:ダブルウイッシュボーン式

後:マクファーソン・ストラット式(スプリングオフセット方式)

3代目(1987)

全長×全幅×全高:4460×1695×1295mm

ホイールベース:2565mm

トレッド前:1.480/後:1.470 mm

重量:1050〜1160kg

乗車定員:4名

エンジン:水冷直列4気筒SOHC/DOHC 1958cc

圧縮比:9.4(DOHC車)

最高出力:145PS/6000rpm(DOHC車)

最大トルク:17.8kg・m/4,500rpm(DOHC車)

サスペンション方式 前/後:ダブルウイッシュボーン式

4代目(1992)

全長×全幅×全高:4440×1765×1290mm

ホイールベース:2550mm

トレッド前:1525/後:1515mm

重量:1210〜1340  kg

乗車定員:4名

エンジン:水冷直列4気筒DOHC/VTEC 2156cc

圧縮比:10.6(Si DOHC)

最高出力:200PS/6800rpm(Si VTEC)

最大トルク:22.3kg・m/5500rpm(Si VTEC)

サスペンション方式 前/後:ダブルウイッシュボーン式

5代目(1996)

全長×全幅×全高:4520×1750×1315mm

ホイールベース:2585mm

トレッド前:1525/後:1515mm

重量:1220〜1330kg

乗車定員:4名

エンジン:水冷直列4気筒DOHC VTEC 2,156cc(Type S)

圧縮比:11.0(Type S 5速マニュアル 2WS)

最高出力:220PS/7,200rpm(Type S 5速マニュアル 2WS)

最大トルク:22.5kg・m/6,500rpm

(Type S 5速マニュアル 2WS)

サスペンション方式 前/後:ダブルウイッシュボーン式

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新型「ホンダ・プレリュード」の登場で思い出す歴代モデルが駆け抜けた姿と時代

1978年に登場した初代「プレリュード」

長いティザー期間を経て、ついに正式発表となった新型「プレリュード」は通算6代目。2001年9月に生産終了した5代目から数えて24年ぶりの復活となる。そんな新型プレリュードのデビューに先立って、ホンダコレクションホールが動態保存する歴代プレリュードを集めたメディア試乗会が催された。

もっとも、どれも今や歴史的遺産級の貴重な個体ということもあり、本来はカートやミニバイク向けとなるモビリティリゾートもてぎの北ショートコースで、一台あたり数周ずつ、先導車つきでのあくまで“チョイ乗り体験会”という雰囲気だったことをお断りしておく。ただ、筆者は幸運にも、初代からデビュー順に乗ることができた。というわけで、最初にステアリングを握ったのは、1978年11月発売の初代プレリュードである。

その初代のデビュー当時は、トヨタの「セリカ」、日産の「シルビア」に「フェアレディZ」、マツダの「コスモ」などなど、国産クーペがたくさんあった。そんななかで、ホンダは1974年11月に「145クーペ」を生産産終了してからクーペ不在の時代が続いていた。その沈黙を破るように発売したのがプレリュードだったわけだ。

初代プレリュードは、1976年に登場した初代「アコード」の主要メカを多数活用。1.8リッター直4のCVCCエンジンを搭載した。3段ATもあったが、試乗車は5段MT。当時はめずらしかったパワーステアリングも備わっていたものの、実際の操舵感は、今の感覚だとそうとは思えないくらいに重い。加速もかなり物足りないが、こうして走らせていただくだけでも涙が出る。そして、初代プレリュードといえば……の日本初の電動サンルーフは、試乗車にもしっかり装着されていた。しかもちゃんと動いた。さすがである。

初代プレリュードは1979年から北米や欧州などの海外にも輸出。1982年11月に2代目にバトンタッチするまでの4年間で、31万台あまりがつくられて、国内販売は累計4万台強だった。

リトラクタブルヘッドランプを採用した2代目

2代目は初代からすべてが刷新された。担当デザイナー氏によると、初代は企画時に想定したほどには売れなかったことと「アメリカで、若い女性が通勤などで使う“セクレタリーカー”に分類された」ことが、ホンダとしては不本意だったらしい。

そこで2代目は、フロントに当時としては異例のダブルウイッシュボーンサスペンションを採用して、1.8リッター直4エンジンもデュアルキャブの12バルブ(気筒あたり3バルブ)を新開発。さらには、日本車初のABSも用意するなど(当時のホンダでの呼称はALB)、高度なメカニズムを満載したのだった。デザイン面でもダブルウイッシュボーンを生かして、にわかにはFFとは思えないほど低いフロントフードにリトラクタブルヘッドランプを組み合わせて、クルマ好きの男性が乗りたくなる本格クーペを目指した。

そんな2代目の運転席に座ると、開放感……というか、腰から上がすべてさらされているような開けっ広げな乗車感覚が、いかにも1980年~1990年代前半のホンダ車らしい。試乗車は当時の憧れだった最上級「XX」グレードで、パワステもついていた(他グレードはノンパワステだった)が、今の目で見ると操舵力は軽くない。

ホンダのもくろみどおり、本格的な内容が評価された2代目は、1987年春までの4年半の累計生産も約63万台と初代から倍増。とくに国内累計販売は日本経済の成長とも相まって、先代の4倍増となる約16万7000台にふくれあがった。

プレリュード史上最も台数を伸ばした3代目

続く3代目は1987年4月に登場。2代目が空前のヒット作だっただけに、3代目は見るからに、いわゆる“キープコンセプト”である。ただ、1980年代終盤から1990年代初頭といえば、「セルシオ」「スカイラインGT-R」「NSX」など、日本車が名実ともに世界トップカテゴリーに挑戦しはじめた時代でもある。当時の夢の先端技術だった4輪操舵(4WS)も国産各社がこぞって手がけるようになり、リアサスごと動かす日産の「HICAS」に続いて、ホンダはこの3代目プレリュードで、世界初の“本物の4WS”をうたった。

他社の4WSの多くが速度感応式だったのに対して、3代目プレリュードのそれは舵角応動式。「高速レーンチェンジでは安定する同位相、交差点や駐車場では小回りが利く逆位相」という2つの動作を、完全メカニカルで実現するための策だった。具体的には、ステアリングの切りはじめは高速走行を想定して後輪も同位相に切れる。操舵角120度付近で最大1.5度の同位相となるが、さらに切り込んでいくと後輪舵角は減少。操舵角230度付近で中立まで戻ると、そこから先は逆位相となり最大5.3度まで切れた。

3代目では直4エンジンも2リッター化。試乗車は、DOHC+電子制御燃料噴射のハイパワー版(145PS)を搭載する「2.0Si」で、もちろん4WS付き。実際、2代目より格段にパワフルになったが、舵角によって挙動が変わる4WSはやはり独特。当時を知る関係者は「2代目から3代目に乗り換えたお客さんから“車庫でお尻をぶつけた”というクレームが何件かあった。逆位相では曲がるときに、テールが少し外に出ちゃうんです」と語ってくれた。

1987年~1991年という日本のバブル景気の真っただ中(日経平均株価のピークは1989年12月)に販売された3代目は、2代目を超える17万5000台以上の国内累計販売を記録。いっぽうで、最大のライバルとなった5代目のS13型「日産シルビア」が、1988年5月~1993年10月に国内で売り上げた約30万台にはおよばなかった。

4代目で大きくコンセプトを変更

1991年9月に発売となった4代目は、2、3代目とはコンセプトを大きく変えた。そこには「キープコンセプトで2世代続けると、飽きてしまう」というホンダの特異体質(?)に加えて、3代目の国内販売がプレリュードとしては過去最高なのにシルビアには負けたこと、そしてさらに第2期F1がセナ人気のピークを迎えて、NSXより手ごろな本格スポーツモデルが求められていたことなども影響した。

スタイリングはそれまでの水平基調とは一転したウエッジシェイプで、室内も囲まれ感のあるものになった。技術的には2.2リッター化された直4エンジンと電子制御4WSが売りだったが、今の目で見ても剛性感が高く、プチ体験では物足りないほどのポテンシャルを感じさせた。ただ、当時はクーペの人気が下降しはじめ、1991年9月から1996年10月の5年間で4代目の国内販売は約8万5000台に終わった。頼みの北米販売でも10万台を切るまでに減少した。

そして、プレリュードの歴史にいったん幕を引くことになるのが、1996年11月から2001年9月に生産された5代目である。プラットフォームは先代改良型だったが2.2リッター直エンジンはさらにパワフルとなり、最上級の「タイプS」には、従来の4WSのかわりに「三菱ランサー エボリューションIV」の「AYC(アクティブヨーコントロール)」に続くトルクベクタリング機能「ATTS(アクティブトルクトランスファーシステム)」がFF車として初採用された。

その強力な旋回性能の片りんは今回も感じられたが、あからさまに過去の栄光=2、3代目への回帰を思わせるデザインに、開発当時の迷いがうかがえる。5代目の国内累計販売は1万4000台弱にとどまり、直接的な後継モデルがつくられることもなかった。

新型プレリュードは最初からプレリュードと呼ばれることが決まっていたわけではなく、そのデザインに歴代プレリュードとのつながりは感じない。しかし、過去の5世代のプレリュードは、そのクルマづくりは微妙に揺れつつも、特徴的な台形サイドウィンドウグラフィックだけは守られていたんだな……と、集められた歴代プレリュードを見て気がついた。

月販300台でも2ドアクーペを作る、ホンダが新型「プレリュード」発売

新型プレリュードは2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」と、仮想の8段変速を行う「S+ Shift」を搭載したハイブリッド車(HEV)だ。ホンダは2030年に向けた電動化戦略の中で、HEVの需要拡大が継続すると見込んでHEVの販売目標を220万台に引き上げた。2027年からは次世代HEVを展開し、HEV戦略を強化する。新型プレリュードは、ホンダのHEVブランドを牽引する“前奏曲(プレリュード)”としての役割も背負っている。

車名としては2001年に製造を終了して以来24年ぶりの復活となるが、車名は後付けだ。新型プレリュードのチーフエンジニアを務めたホンダ 四輪開発本部 完成車開発統括部 PRELUDE開発責任者の山上智行氏は「“プレリュード復活プロジェクト”だとしたらこういうクルマはできなかっただろう。対外的に発表することなく企画倒れで終わったかもしれない。昔のいいところをしっかり学んで、受け継ぐところは受け継ぎ、新しいところに合わせて変えるところは変えていく。新しいものを学ぶと古いものの良さが見えてくる。そんな風に古さと新しさを行ったり来たりして、かつてのプレリュードも見つつ開発の中に織り込んだ」とコメントした。

 クルマとしてのキャラクターは「シビックタイプR」とも重なるが、シビックタイプRはガソリンエンジン車として性能を追求したのに対し、新型プレリュードはシビックタイプRの技術により、「シビックe:HEV」よりも高いダイナミクス性能をHEVで実現している。

レンタカーで借りるチャンスも

 新型プレリュードのボディーカラーは、強い陰影で造形を際立たせる新色「ムーンリットホワイト・パール」を含む4色を用意した。オンライン販売の「Honda ON」では数量限定でムーンリットホワイト・パールとブラックの2トーンカラーも販売する。インテリアはホワイト×ブルー、ブラック×ブルーの2種類だ。

 一部の販売店では新型プレリュードをレンタカーとして貸し出す。新型車のレンタカーを配備するのはホンダとしては初めての取り組みだ。より多くの人に触れてもらうため、タッチポイントを広く用意する。

新型プレリュードはホンダ 埼玉製作所 寄居工場で生産し、海外向けも日本から輸出する。日本での月間販売計画は300台だ。2025年末からは北米で、2026年前半には欧州でも販売する。グローバル全体での販売台数については回答しなかった。販売が決定しているのは日本と北米、欧州のみで、それ以外の地域は現在検討中だ。

 小規模な月販目標について、ホンダ 取締役 執行役専務 四輪事業本部長の井上勝史氏は「市場のボリュームだけで言えば軽自動車やSUV、ミニバンの方が量産効果は得られる。新型プレリュードはシビック タイプRとの共用を増やすことである程度のコスト低減を図った。ホンダはもともと、スポーティーな走りをポリシーにしてきた。量が少ないからとやらないのではなくファンに応えることがわれわれの義務だ」とコメントした。

消費税込みのメーカー希望小売価格は617万9800円だ。メーカーオプションなしの単一グレードで展開する。新型プレリュードのシャシーはシビックタイプRと、パワーユニットはシビックe:HEVと共通だ。シビックタイプRのシャシーをそのまま使うのではなく、乗り心地を重視してセッティングし直した。

 「なんでもかんでも新しいものを取り入れると車両価格が簡単に2000万円、3000万円と上がってしまう。そうなると全く手の届かない、自動車メーカーの自己満足になる。決してそういう風にはしたくなかったので、今ある技術を熟成させるように、手元の材料を最高のレシピでおいしく作ることに取り組んだ。それでも600万円という価格だが、それに見合うだけの価値を理解してもらえるクルマになったと思っている。また、価値を理解してもらえるようなプロモーションもしていきたい」(山上氏)

年間3万台の2ドアクーペ市場へ

 新型プレリュードのターゲット層は、かつてのプレリュードを知る人などホンダファンに加えて、運転の楽しさや車格に応じた装備を重視する人を想定している。また、子どものころに親がプレリュードに乗っていたという若い層も狙う。「親と趣味や価値観を共有する世代では、親子で使う人もいるのではないか」(山上氏)

 ホンダは2ドアクーペの日本市場は年間3万~4万台と見込んでいる。その中で、新型プレリュードのようなスポーツHEVは他社にはないという。ただ、2ドアクーペは輸入車の場合は為替の影響で価格が上昇。環境規制への対応を鑑みて販売を終了するモデルも増えている。「新型プレリュードはHEVなので燃費がよく、レギュラーガソリン仕様なので経済性にも自信がある」とチーフエンジニアの山上氏は説明した。

 「バブルのころはこういうクルマ(2ドアクーペ)がたくさんあった。ユーザーもどれにしようか悩めるほどだった。ホンダが新型プレリュードを出すことで世の中が活性化して、他社からももっとこういうクルマが出てくると、市場も変わっていくのではないか。2ドアクーペがなくなったのは自動車メーカーの責任が大きい。売れないから作らない、作らないから買えない、そしてみんなが忘れていく。魅力があれば、人は見てくれるはずだ」(山上氏)

山上氏は1969年生まれの56歳。2ドアクーペ全盛のバブル期に学生時代を過ごした。「高校を卒業して働き始めた友人が2代目のプレリュードを手に入れていた。プレリュードのかっこよさや、彼にすぐ恋人ができたことをよく覚えている」(山上氏)と話す。

 「新型プレリュードは以前の2ドアクーペのように好き勝手なクルマにするのではなく、共感を大事にした。開発メンバーが共感することや、買う人がコンセプトに共感すること、例えば夫婦で夫がほしがったときに妻が共感することなどだ。“2ドアで燃費が悪くてうるさいクルマなんてイヤ”と言われないようにした。夫婦でクルマに乗ると夫が運転することが多いのではないか。新型プレリュードは運転しやすく、運転を楽しめるので、妻もハンドルを離したくなくなるはずだ」(山上氏)

 かつての2ドアクーペは「いつか手に入れたい」と憧れられる対象だった。「まずは新型プレリュードに恋をしてもらいたい。縁がなくて振り向かない人もいるかもしれないが、時間をかければ理解してもらえると思うし、理解してもらえるだけのクルマを作ってきた。SUVやミニバンが多い中でこういう低いクルマが走っているのは新鮮に映るのではないか。人がやらないことをやるのがホンダだ」(山上氏)

 「かっこいいと思ったり、気持ちが前向きになったりする何かを人々は潜在的に求めていると考えた。そうした欲求は、家族や配偶者など自分以外の誰かを優先する日常の中で忘れがちになる。アルバイトをたくさん掛け持ちしてほしいクルマを手に入れた、このクルマのために頑張って働こうと思ったあの頃の気持ちだ。憧れるクルマ、いつか手に入れたいと思ってもらえるクルマを目指した」(山上氏)

ホンダ「プレリュード」が24年ぶり復活 HVブランド強化へ次世代制御技術を先行導入

ホンダは4日、24年ぶりの復活となる2ドアクーペ「プレリュード」の新型モデルを5日に発売すると発表した。6代目となる新型はハイブリッド車(HV)でありながら、新制御技術「S+Shift(エスプラスシフト)」の採用により純エンジン車のスポーツカーのような運転する楽しさを実現した。価格は617万9800円。新たなHVブランドの牽引役として年末に北米、2026年前半に欧州にも投入する。

同社は30年にHVの世界販売台数を倍以上の220万台に引き上げる目標を掲げており、27年から次世代HVを展開する計画。エスプラスシフトは、次世代HVに標準導入する予定の独自技術で、先行搭載した今回の新型車は文字通り、次世代HVの魅力の一端を訴求する「前奏曲(プレリュード)」だという。

同日の発表会で、四輪事業を担当する井上勝史執行役専務は、電動化時代の新クーペとして「名車と言われる車になる」と商品力に自信を示した。

エスプラスシフトは、仮想の8段変速で加減速時に緻密にエンジン回転数を制御し、有段変速機があるかのような運転感覚を実現。さらにエンジン回転数と同期した迫力のある音を流すシステムや、これと協調するメーターなどによってドライバーと車の一体感を際立たせた。サスペンションなどの足回りは、同社のスポーツカー「シビックタイプR」の技術をベースに開発し走行性能を高めた。

プレリュードは1978年に登場したホンダを代表するクーペ。1980年代にスタイリッシュな外観などから当時の若者の憧れの車として人気を博したが、2001年に5代目で生産を終了していた。

国内の2ドアクーペの市場規模は現在3~4万台と小さいが、ホンダは今後のHV強化戦略に向け、重視するスポティーな走りのブランドイメージの向上につなげる狙いもあり、HVモデルとして復活させた。

最先端の走りでプレリュード復活!かつての輝きを取り戻せるか?

5代目が生産終了してから24年。ホンダの伝統モデルが満を持して復活する。ブランドイメージ回復を託された新型プレリュードは、ハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載し、前輪駆動クーペとして、再び新しい時代のクルマ像を提示。果たして、その走りとコンセプトは、現代のユーザーにどう響くのだろうか。

前輪駆動のクーペは絶滅危惧種

「ホンダ・プレリュード」の車名を聞いて懐かしく感じるユーザーは、相応の年齢に達していると思う。

プレリュードはミドルサイズのクーペで、1978年に初代モデルを発売した。

人気が高かったのは、1982年に登場した2代目と1987年の3代目。両世代とも内外装が洗練させたデザインな上に動力性能も良好。さらに前輪駆動ということもあって、運転感覚が馴染みやすかったことも大きな理由だろう。

こんな風にプレリュードは、クーペであっても後輪駆動のスポーツカーのような体育会系の雰囲気ではなく、同好会のような気楽さを持ったモデルだった。デザインと機能のバランスが優れていたのが特徴だ。

プレリュードのこんなクルマ造りのスタイルは、1980年代のモテる男子とも重なっていたように思える。勉強もスポーツも適度にこなし、ルックスには清潔感があって会話も楽しい。プレリュードが人気だった時は、男子もクルマも、洗練された品行方正がウケていた時代だったと感じてしまう。

つまり、プレリュードを買うのは男子でも、その背景には、女子に対する気遣いがあったワケだ。

それ以前の男性諸氏は「俺は中古のフェアレディZに乗る、キミは助手席に座っていろ」というスタンスだったが、1980年代に入ると、女子に優しくなった男の子がプレリュードを選び、有名な「デートカー」という言葉も生まれることになる。

ブランドイメージの回復が託された救世主

この後、プレリュードはフルモデルチェンジを重ねたが、2001年に5代目で販売を終えている。そんな大看板を24年も経過してから復活させる理由を開発者に尋ねると、このような答えが返ってきた。曰く「近年、ホンダのブランドイメージが変わってきていて、若い人ほど印象が薄い傾向があります。そこで改めてホンダ車の操る喜び、チャレンジ精神を表現すべくプレリュードを復活させたいと思っています」

ホンダは、プレリュードを終了した2001年に初代フィットを発売して、その翌年には2002年国内累計販売台数が250,790台(自販連調べ)となり、国内の登録車販売において第1位になった。その10年後の2011年には、初代N-BOXを発売してヒットさせ、2代目の先代N-BOXが登場した2017年以降は、ほぼ毎年国内年間販売ランキングの総合1位を占めている。

2025年1〜7月のホンダの国内販売状況を見ると、軽自動車が44%を占める。そこにフリード+フィット+ヴェゼルも加えると、国内で売られるホンダ車の76%に達している。つまり、今の30歳以下の人達にとって、ホンダは「小さくて背の高い、安価な実用車を造るメーカー」というわけだ。

本来ならこの対策は、先代N-BOXが発売された2017年頃に実施すべきだったと思う。それでもホンダが往年の輝いていた時代を目指し、ブランドイメージの回復に乗り出したことは、クルマ好きとしては嬉しい。

実際、海外でもクーペの人気は下がっていて、北米ではシビッククーペが廃止されている。そのためなのか今後はシビックから切り離された別の車種として、北米でもプレリュードを販売する計画があるそうだ。

ハイブリッド離れした楽しい運転感覚を実現

ホンダにとって大事な「プレリュード」を名乗ることもあって、新型も歴代モデルと共通点が多い。今のクーペが採用する駆動方式は、輸入車を含めて大半が後輪駆動だが、プレリュードは新型も歴代モデルと同じく前輪駆動を踏襲する。これはこれで今となっては貴重な存在だ。

初代や2代目は希薄燃焼方式のCVCCを採用して、クーペでありながら運転の楽しさと優れた環境性能の両立を図っていたが、新型もハイブリッドのe:HEVを搭載した上で、運転の楽しさを追求している。

その象徴となるのが「S+シフト」と名付けられた新機能だ。e:HEVは、高速巡航時を除くと、エンジンが発電を行って駆動はモーターが担当するため、通常走行時はエンジンと駆動輪は繋がっていない。

ところがS+シフトをオンにすると、有段ATのように疑似的なシフトダウンを行うし、それに応じてエンジン回転数も高まってくる。モーター回生による充電量も増え、あたかもエンジンブレーキが強まったような減速が生じる。このモードで運転していると、ハイブリッドとは思えず、ダマされて使いこなすと、かなり楽しい走りが体感できてしまう。

とはいえ、これは単なる遊び道具的な機能ではないのか? さらに燃費への悪影響も気になってしまったので、開発者にそんな疑問をぶつけたところ、「シフトダウンに似せた疑似的な変速風の制御と言われますが、スポーティに走る時は、モーターも大量の電気を必要としますので、実はエンジン回転を高めて発電量を増やすことは理屈に合う。燃費もさほど悪化しない」とのこと。

疑似的な制御を加えるならば、S+シフトでシフトダウン風の操作をした時は、もう少しモーターの回生による減速力を強めて欲しいと感じた。理由としては、エンジン回転数が威勢良く高まる割に、速度があまり下がらないからだ。

このあたりについては、開発者は「S+シフトでの減速は0.1Gに抑えていますが、S+シフトを解除して、パドルシフトにより回生の制動力を一番高めると0.2Gになります」と答えてくれた。つまり、峠道を気持ち良く流す時はS+シフト、攻めた走り方をしたい時は、パドルシフトを用いたマニュアル操作と、使い分けがおすすめだという。

カップルのためのデートカーとしての資質も申し分なし

プラットフォームはシビックと共通。足回りの設定は、ショックアブソーバーの減衰力を変化させる機能も含めてシビックタイプRに準じている。走行安定性を高めるアジャイルハンドリングアシストは、制御範囲をフットブレーキ作動時まで拡大して、峠道のカーブに進入する時から挙動が安定している。前輪が踏ん張って良く曲がるが、それ以上に後輪の接地性を高め、危険を避ける時も安定している。高速道路の横風にも強いだろう。

S+シフトとは別に、スポーツ/GT/コンフォートのドライブモードも設定。特にコンフォートモードでは、ショックアブソーバーの減衰力が柔軟に制御され、乗り心地も快適だ。カーブを曲がる時にボディの傾き方が大きめになるが、唐突な挙動変化は生じない。これなら助手席に座る同乗者も不安を感じることないだろう。走りの楽しさと同乗者も含めた快適性の両立は、歴代プレリュードが重視した「デートカー」の魅力。新型にもその美点がしっかりと宿っているようだ。

600万円超えのプレリュード、 シビックタイプRとの違いは明白

プレリュードの価格は617万9800円で、受注を再開したシビックタイプRも同額になる。プレリュードには特別なクーペボディと上質な内装、e:HEVが備わり、シビックタイプRは高性能なターボエンジンと熟成された足回りが採用される違いがある。

つまり、両モデルはプラットフォームや価格などを共通化しながらも、クルマの性格は大きく異なることになる。ホンダはこの個性が違うスポーツカーを世に送り出すことで、ブランド力の回復を狙うことになるわけだ。

プレリュードは前輪駆動のクーペだからライバル車を見つけにくいが、価格も考えると日産フェアレディZのバージョンS(634万7000円/9速AT)が近い。

フェアレディZはV型6気筒の3Lツインターボを搭載して後輪を駆動するスポーツカー。昔を知るユーザーほど「プレリュードの価格がフェアレディZと同じ!?」と思うだろうが、復活したプレリュードは上級スペシャルティクーペ。生産終了となっていなければ、レクサスRCも近い関係になっただろう。

ちなみに首都圏のホンダ販売店では、「1回目の予約受注は、8月の上旬から24日まで実施して一度締め切ることになりました。この中から抽選で選ぶ流れです。今後、2回目の予約受注を行って、9月21日に締め切って抽選を行う」とのこと。購入を希望しているなら、とにかく早めに動くことをオススメしたい。

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