世界初。空に浮かぶ飛行船による風力発電
陸と海があるなら空の発電もアリでしょ。
太陽光発電はクリーンだと言われても、発電パネルの設置で自然を破壊したんじゃ本末転倒。寿命が来てもリサイクルの義務はなく、大量廃棄されて社会問題になる可能性を秘めています。
風力発電はタービンの騒音が健康被害を起こすと聞きますし、洋上風力発電はコストがかかりすぎるので企業が撤退するなど、どのクリーンエネルギー発電も理想と現実がうまく噛み合っていないようです。
空の上なら問題ナシ
中国北京のSAWES Energy Technology Co., Ltd.(北京临一云川能源技术有限公司)が開発したのは、ダクト式浮体風力発電システム「SAWES S500」。発電タービンを気球に埋め込んで、空中での風力発電を可能にしました。
エネルギー変換効率は、ベッツの法則の限界値「ベッツ限界」59.3%をわずかに超える60%とのこと。一般的にはプロペラ式で平均40%なので非常に効率的。太陽光パネルに至っては15~20%なので、「今すぐ実用化しちゃいなよ」って感じです。
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地上10kmの高高度で発電
ヘリウムガスで浮かぶ気球は、雨雲や雷雲にジャマされない高度10,000m地点でも活動ができ、それ以下の高度でも悪天候に耐えるタフさを持っています。また地面に固定せずとも、大型車両などに牽引されれば移動式にもなる柔軟性もあります。
被災地で復興の手助けも
24時間連続稼働ができるので、すぐさま被災地に運んで飛ばせば電力確保が可能。カメラを搭載すれば眼下に広がる被災状況を確認でき、通信機器を付ければ現地でスマホなどの情報端末が使えるなど、いろんな用途に使えます。
「S500」は昨年、地上500m地点で50kW以上の電力を発電しました。新型「S1500」は高度1,500mで1メガWの発電ができるとのこと。
陸と海での発電があるなら空があっても良いワケで、フワフワ浮いてるだけなら場所を取らなくて良いのでは? 空中発電は従来型よりメリットだらけという気がします。