廃棄が課題の太陽光パネルをオフィス家具に転用 日立やイトーキが実証

廃棄が課題の太陽光パネルをオフィス家具に転用 日立やイトーキが実証

日立製作所とイトーキ、化学メーカーのトクヤマ(山口県周南市)は9月1日、廃棄方法が課題となっている太陽光パネルをオフィス家具に転用する実証に成功したと発表した。パネルから板ガラスを回収し、会議ブースの素材に使ったという。3社は今後、サプライチェーンの構築や品質のさらなる検証を進め、事業化を検討する。

会議ブースの試作品(ニュースリリースから引用、以下同)

 実証実験では、トクヤマが低温の熱で太陽光パネルの接着剤を溶かす「低温熱分解法」で板ガラスを分離。さらに日立が画像処理技術などを使ってガラスの亀裂やアルカリ溶出、劣化度合いを確認し、問題ないものを使ってイトーキが会議ブースを製作した。

 パネルから回収した板ガラスは、表面に微細な凹凸が視界を遮る点を生かし、会議ブースの仕切り部分に利用。厚さが限定され、サイズが均等でない点を踏まえ、複数の板ガラスで中間膜を挟み込む「合わせガラス」にすることで強度を高めた。これにより、新しくガラスを作る場合に比べ、製造過程における二酸化炭素排出量を半分程度に抑えられたという。

 3社は今後、他社との連携も視野に、サプライチェーンの構築や品質検証の標準化を進め、事業化を検討する。

 太陽光パネルを巡っては2012年、再生可能エネルギーに由来する電気の買い取り価格を政府が保証する「固定価格買取制度」が日本でスタートし、導入が進んだ。一方、パネルの製品寿命は25年~30年程度のため、2030年代後半以降に廃棄が続出する可能性が懸念されている。パネルは適切な廃棄をしなければ環境汚染につながる可能性もあり、リサイクル技術などの開発が進んでいる。

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