なぜ「新型コロナ」は何度も流行を繰り返すのか

なぜ「新型コロナ」は何度も流行を繰り返すのか

新型コロナの流行は、なぜなくならないのでしょうか。その理由は、このウイルスが持つ他のコロナウイルスにはない特殊性と我々の社会のあり方が複雑に絡み合っているからです。新型コロナは、世界中に多くの多様な感染者(何度も感染したりワクチンを接種したりしていなかったりなど)がいること、ヒト以外の他の宿主(ミンク、ネコ、シカなど)の間で感染のリンクを形成できること、世界的に感染対策が弱まったこと(ある程度の被害を受容しても経済をまわす方向へシフト)などから、免疫を回避する変異株が出現しやすい状況になっています。

ココがポイント

これまでに流行したウイルスとは特段、重症化するリスクは変わらない一方で、感染力がやや強い特徴を持つ

出典:産経新聞:産経ニュース 2025/8/25(月)

国内で検出されている新型コロナの変異ウイルスのうち最も多いのは、オミクロン株の一種「NB.1.8.1」

出典:NHK 2025/8/25(月)

ニンバスの最大の特徴は「カミソリでのどを切ったような」と表現される強烈なのどの痛みです

出典:【公式】ファストドクター 2025/8/28(木)

エキスパートの補足・見解

 これまでの新型コロナ感染やワクチン接種による抗体の獲得は数ヶ月で減衰するとされ、感染防御のシステムが弱まります(個人差あり)。一方、重症化を防ぐ免疫系(T細胞応答)は長く維持されるので重症化率は下がりますが、無症状や軽症の患者が増え、彼らが活動を続けるため、特にマスク着用(不織布)や換気など感染対策が行われにくい季節に感染が継続的に流行し、なかなか収束しないことになります。

 新型コロナを完全に抑え込み、ウイルスをなくすことは極めて困難としても、ワクチン接種による質の高い免疫の維持、いったん感染した後の早期の治療開始や重症度による炎症抑制と血栓の予防、後遺症患者への包括的な支援などを継続することにより、新型コロナと共存しつつ、社会を維持することができるでしょう。

 高い感染力を持つ新型コロナの変異株NB.1.8.1(通称ニンバス)の流行が継続しており、患者数は9週連続(2025/08/17まで)で増加を続けています。将来の危機的な感染流行を防ぐために、今後は感染流行が拡大し始める早期に公衆衛生当局が警戒アラートを出し、感染そのものを減らす予防医学的なアプローチと医療資源への負荷低減が重要になってきます。

🍎たったひとつの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、その名は名馬鹿ヒカル!🍏