大阪・ミナミの道頓堀で起きたビル火災で、ビルに設置されたエアコンの室外機周辺が激しく燃えていることがわかりました。今回のビル火災の火元が室外機と断定されたわけではありませんが、夏は室外機の火事が増える傾向にあり、注意が必要です。
消防隊員2人が命を落とした大阪・ミナミ、道頓堀のビル火災。ビル2棟を焼いた火事の当時の状況が少しずつ見えてきました。
記者
「捜査関係者によりますと、焼けた2つのビルのうち、奥側のビル1階部分にあるエアコンの室外機あたりがよく焼けていたということです」
ビルの1階部分に設置されていたエアコンの室外機。その周辺が火元となった可能性があるということです。
火災発生前のビルの様子を見てみると、室外機がある西側のビルには、壁に多くの看板が設置されていることがわかります。火はこれらの看板をつたい、上の階へと燃え広がっていったとみられています。
今回の発火原因が室外機かどうかはまだわかっていませんが、室外機周りの火災事故は決して珍しいことではありません。一般家庭でも起こりうること。特に今の季節、注意が必要だというのです。
NITE製品安全広報課 岡田大樹さん
「夜も暑い状況が続いているので(エアコンを)ずっと稼働しっぱなし。事故が一番多く起きるのが夏」
NITE(=製品評価技術基盤機構)によると、昨年度までの5年間に起きたエアコン事故は363件。月別で見ると、上位2か月が7月と8月です。
そしてこのうち90件以上が、別のモノから室外機に火が燃え移るケースだといいます。
実験では、近くでついた火が室外機に燃え広がり、爆発。
NITE製品安全広報課 岡田大樹さん
「室外機はすべて金属ではなく、樹脂・プラスチックでできている箇所もある。石油由来の素材なので、燃料となって燃えてしまう」
では、火災を防ぐにはどうしたらいいのか。
まずは近くで火を使わないこと。室外機のそばでたばこを吸う習慣のある人は、後始末が肝心です。
さらに、水の入ったペットボトルも火事につながる可能性が。虫眼鏡のように太陽光が集中し、燃えやすいモノがあると発火するおそれがあるといいます。
さらに“ゴミの放置”も危険です。
NITE製品安全広報課 岡田大樹さん
「小動物・やもり・虫などが集まってきてゴミとか段ボールをすみかに増殖・増える危険がある。室外機の製品内部に侵入するリスクがある」
室外機の中に虫などが侵入すると、ふんなどをして本来電気が通らない場所が電気の通り道になる可能性が。基板がショートして発火したケースもあるといいます。
室外機の周りにはモノを置かない。さらに、エアコンを本格的に使う前に、本体だけでなく室外機の清掃もすることが大切だということです。
(2025年8月22日放送「news every.」より)