Yahoo!ショッピング、やらせレビュー45万件超を削除 不正対策強化
LINEヤフーは19日、「Yahoo!ショッピング」における2025年上半期(1月〜6月)の安全・安心に関する取り組みをまとめたレポートを公開した。出店審査の厳格化や不正商品の監視強化、AIの導入による違反検知の高度化など、信頼性向上に向けた具体的な成果が示された。
上半期の重点施策として、出店審査の強化、不適切なストア・商品の排除、AIを活用した商品監視の本格導入などが挙げられた。出店審査については、2024年から在庫証明審査の導入を進め、個人事業主は2024年1月から、法人は同年5月から審査対象となった。特に24年から法人の無在庫ストア対応を強化したほか、携帯電話やフリーメールによる申し込みも禁止し、2025年上半期の出店審査合格率は4.2%にまで低下。前年同期比で7ポイント、23年度比では21ポイント減となり、信頼性の高いストアの厳選につながっているという。
さらに、AIを用いた商品パトロールを本格導入。従来比で違反検知率は3倍以上に向上し、削除スピードも大幅に改善。Nintendo Switch 2や政府備蓄米など注目度の高い商品に関しては、ストア・ユーザー双方に対する注意喚起も行なっている。
偽造品対策では、2025年上半期から偽造品が増えている「浄水カートリッジ」を審査対象商材に追加。メーカーとの連携のもと、ブランド審査を受けていないストアの商品削除も実施している。ブランド未審査ストアの商品削除数は、前年同期比50%増の3,438件。2025年上半期の1権利者あたりの平均申告件数は10.9件と昨年から下げ止まりしているという。
不正決済対策では、自社開発の検知システムと3Dセキュア、24時間365日の目視判定による三重の防御体制を継続。被害金額は前年比で41.2%減少した。
不正レビュー対策では、2月から自動削除機能を導入。上半期だけで45万件以上を削除し、6月からは商品単位での削除にも対応。なお、現時点でやらせレビューにAIが用いられていると断定できる事例は確認されておらず、人力による操作が中心と見ている。
今後の取り組みとしては、優良ストアアイコンの不正獲得やランキング操作の対策強化、既存施策へのAI活用拡大、有料配送の不正取得対策の抜本的な見直しが挙げられた。2027年までに取引トラブルゼロを目指すビジョンのもと、2025年上半期のトラブル発生率は前年同期比で74.6%減少している。