中古で人気の「iPhone 13」は今でも“使える”のか? 性能面で不満はないが、注意点も

中古で人気の「iPhone 13」は今でも“使える”のか? 性能面で不満はないが、注意点も

Appleが2021年に発売した「iPhone 13」は、発売から間もなく4年が経過するスマートフォンだが、今でも中古市場で人気を博している。近年のスマートフォンの性能向上と製品ライフサイクルの長期化を踏まえれば、発売から数年が経過したモデルでも「現役」として十分に使える場面は多い。

 しかし、AIやUSB Type-Cの普及など、スマートフォンを取り巻く環境は確実に変化してきている。果たして、2025年現在もiPhone 13は“使えるスマホ”なのだろうか。今回は、2025年3月に購入した中古のiPhone 13を使って確認してみた。

4年落ちのiPhone 13の実力 意外と性能面に不満は少ない

 まず、スマートフォンを使う上で重要な「処理性能」はどうだろうか。iPhone 13に搭載されているSoC「A15 Bionic」は5nmプロセス、6コアのCPUを採用しており、当時としては高効率と高性能を両立したチップだった。

 近年のApple製品の中でもこのチップを採用した機種は多く、今回のiPhone 13シリーズに限らず、2022年発売のiPhone 14やiPhone SE(第3世代)、iPad mini(第6世代)などと多岐にわたる。

 今回、iPhone 13を2週間ほど使ってみたところ、多くの場面で性能的に困ることはなかった。もちろん、最新の機種の方がより機敏に動作するが、4年落ちとはいえブラウジング、SNS、CapCutでの動画編集はもちろん、3Dゲーム(原神など)も画質を落とせば問題なく動作する。

 アプリの起動速度やUI(ユーザーインタフェース)の滑らかさは最新のiPhoneには劣るものの、今でも5万円以下で購入できるAndroidスマートフォンよりは機敏に動作する。4年前のスマホというカテゴリーで評価しても「快適」な部類に入る。

 iOSの最適化もあって、iPhone 13は2025年現在でもミドル~ハイレンジ帯のAndroidスマートフォンと同等かそれ以上のパフォーマンスを有している。ベンチマークの結果はiPhone 16 Pro(Apple A18 Pro)と比較すると劣るものの、iPhone 15(Apple A16)との比較ならその差は思ったほど大きくない。

 iPhone 13はシングルコアで2152点、マルチコアで5125点に対し、iPhone 15はシングルコア2644、マルチコア6558点。世代差はあるが、思ったほど大きな差は開いていない。

 不満があるとするなら、高負荷なゲームを遊ぶシーンだ。iPhone 13はこのような場面でも“そこそここなせる”性能を備えているものの、やはり発熱や処理落ちが気になる。このような場面でも画質を落とす、冷却ファンを使うなどの対応をすれば、今でも問題なく遊べる。性能的には決して低いスマホではないのだ。

 カメラ性能は1200万画素の広角カメラ、1200万画素の超広角カメラを備える。インカメラも1200万画素と十分なスペックを持つ。メインカメラにはセンサーシフト式の手ブレ補正を備えており、静止画はもちろん、動画撮影でもブレを抑えて撮影できる構成だ。

バッテリーの劣化に要注意 必要に応じて交換すれば延命できる

 iPhone 13のような4年落ちとなるスマホで気になるのは、内蔵バッテリーの劣化具合だ。実際、今回使用した端末のバッテリー最大容量は75%まで劣化していた。ちなみに、中古iPhone 13を購入した際のバッテリー容量は76%で、そこから1%減った形だ。これは3年半以上使ったスマートフォンのバッテリー容量としては、やや劣化しているものの、使用年数を考えれば特別珍しいものではない。

 ただしAppleの「バッテリー劣化の目安」である80%を下回っており、電池持ちは新品から明確に悪化している。一般にはバッテリーの交換に加え、年数の経過からスマートフォン本体の買い替えを検討すべき数値だ。

 実際に1日使ったところ、朝100%で使い始めても外出時にSNS、音楽再生に加え、カメラを多用すると15時ごろには20%以下に。モバイルバッテリーがないと心もとない印象だ。

 ここに動画撮影やGPSを用いたナビ、高負荷なゲームなどの負荷が高い用途を組み合わせると、バッテリーは半日持たないこともあった。やはりバッテリーの劣化が使用感に影響を及ぼす要素は大きい。

 また、Appleはピークパフォーマンス制御というものを行っている。これはバッテリーが劣化した端末では、一部性能を制限するとしている。ピークパフォーマンス制限がかかると、電池持ちだけでなく、使用感に直結する部分があるため、バッテリーの劣化が進んでいれば交換を推奨したい。

 Apple正規のバッテリー交換は1万4500円~と安くはないものの、交換を行えば体感が大きく変わるのも事実。今後もiPhone 13を継続して使用する場合は、「バッテリー交換をするか否か」が実用性を左右する分岐点となるだろう。

 長く使う上ではソフトウェアアップデートも気になるところ。iPhone 13は2025年秋に配信予定のiOS 26にも対応しており、過去の推移を見ても、あと3年は最新の環境で利用できると考える。このあたりりはApple製品の長寿命設計を実感できるポイントだ。

 あと3年、現役として使い続けるためには、バッテリー交換込みでの延命、またはバッテリー状態が良好な中古個体を選ぶことが大切だ。

 中古販売大手のGEOやイオシス、じゃんぱらではバッテリーの最大容量を公開している。利用者もバッテリー状態が良好な個体を見つけやすく、安心して選べる。オンラインストアでもバッテリーの情報を確認できる。

 フリマアプリの場合、バッテリーの情報を開示している出品者を選ぶと安心だ。バッテリーの情報がない場合は、出品者に問い合わせて確認してから購入する方がより安心して購入できる。

AI機能のApple Intelligenceは非対応だが、ChatGPTやGeminiで代替可能

 Appleが2024年に発表した新機能「Apple Intelligence(AI)」は、生成AIを活用した文書生成やプッシュ通知の要約、画像生成などに対応する。iPhone 16シリーズが登場した際に大きくアピールされ、これから登場する新型iPhoneには欠かせない要素となる。

 しかしApple IntelligenceはiPhone 15 Pro以降の機種が対応しているため、iPhone 13では利用できない。アップデートによる機能追加が多いiOSとはいえ、これはプロセッサによる物理的な制約によるものだ。

 それでは、iPhone 13ユーザーはAI体験ができないのだろうか。その答えは否だ。AI機能自体はChatGPTやGoogle Gemini、XのGrokなどのアプリを入れることで利用できる。Claude、PerplexityなどのAIサービスもiPhone 13のスペックなら不満も少なく使える。

 OSに組み込まれたApple Intelligenceには使い勝手や連携性、アプリ内参照といった要素で劣るものの、アプリの組み合わせやショートカットの使い方次第では同等の体験を再現することもできる。むしろ、一部機能ではChatGPTなどの方が先行している部分もある。

 つまり、AI機能という側面で見ても、「Apple Intelligence非対応=時代遅れ」とは限らないのだ。

 iPhone 13でもロック画面にアイコンを配置したり、ショートカットに設定したりすればApple Intelligenceのように使うことはできる。少々手間はかかるが、AI機能は一般的な使い方なら問題なく網羅できると実感した。

Lightning端子ゆえにアクセサリーは少ないが、ケースや保護フィルムは入手できる

 性能面やバッテリー以外に、iPhone 13で“時代遅れ”を感じさせる最大のポイントが、充電端子がLightning端子であることだ。今まで使ってきた人にとってはあまり大きな問題ではないが、これから中古で選ぶときは頭に入れて欲しいポイントだ。

 2023年以降、AppleはEUの規制方針に伴い、iPhone 15シリーズ以降の機種はUSB Type-C端子に変更した。2025年2月のiPhone 16eをもって現行ラインアップからLightning端子のiPhoneは姿を消した。

 この流れを受けて、少しずつ影響が出始めている。例えばiPhone向けもUSB Type-C対応アクセサリー(イヤフォン、カードリーダー、外部ストレージなど)が主流になったことで、Lightning対応アクセサリーは徐々にラインアップが減っている。サードパーティー製品でもUSB Type-C専用アクセサリーが増加しつつある、

 また、2025年現在はLightning端子のアクセサリーもまだ市場に存在しているものの、iPhoneもUSB Type-C端子に置き換わり切った今、あと1~2年で入手性は大きく低下する可能性が高い。

 ただし、ケース・保護フィルムといった消耗品は依然として多くのメーカーが取り扱っており、日常的な維持には支障がないのも事実だ。ブランドものやキャラクターコラボ製品は少なくなっているので、好きなデザインのケースやニッチなアクセサリーは予備を含めて早めに確保した方がよさそうだ。

 Lightning端子での運用が嫌なら、MagSafe対応のアクセサリーやモバイルバッテリーを組み合わせるのもアリだ。一般的なワイヤレス充電にも対応しているので、Lightningケーブルなしでの運用もできないことはない。

割り切りと工夫でまだまだ使えるiPhone 13

 まとめになるが、iPhone 13は2025年現在でも性能面に大きな不満がなく、日常用途での快適性は十分に保たれていると感じた。最新のApple Intelligenceには非対応だが、Geminiをはじめとした外部のAIサービスで現状の機能的には代替できた。

 OSアップデートも例年通りならあと3回は行われる。仮に今から利用を始めても、最新OSをあと3年間維持できると考えれば、安心して利用できる。これは同世代のAndroidスマートフォンにはできないiPhoneの利点だ。

 アクセサリー事情は年数の経過から徐々に厳しくなるが、現時点ではケースや保護フィルムもダイソーなどで安価に購入できる。Lightning端子の端末は販売終了したものの、ケーブル自体はまだ公式ストアから購入できるため、まだ致命的ではない。

 iPhone 13は1世代後のiPhone 14とプロセッサが同じであることから、中古で購入してもコストパフォーマンスが高い。センサーシフト式の手ブレ補正を採用する広角カメラに加え、アップデートにて衛星通信を用いた緊急SOS機能にも対応するなど、機能面でも最新モデルから大きく見劣りしない。

 キャリアで多く売れたこともあり、流通量が多いこともあって中古市場で存在感を示すiPhone 13。バッテリーさえ適切であれば、性能面やサポート面でもまだまだ戦えるスマホであると確認できた。iPhone 13はいまから選んでも、これから使い続けるのも“アリ”な選択肢と考える。

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