Windows 11の「省エネ機能」に自動調整モードが追加、「省エネON」「省エネOFF」の間で微調整
このコーナーでは、「Windows 11 Insider Preview」ビルドでテストされている最新のOS機能を紹介します。ただし、テストの結果、紹介した機能が製品版OSに搭載されないこともあります。あらかじめご留意ください。
Windows 11の「省エネ機能」にアダプティブモード(adaptive energy saver)が追加されそうだ。米国時間7月11日にCanaryチャネルでリリースされた「Windows 11 Insider Preview」Build 27898より展開が開始されている。
「省エネ機能」(Energy Saver)は、「Windows 11 バージョン 24H2」で導入されたエネルギー管理技術。モニターの輝度を下げたり、ウィンドウの透過処理や一部のバックグラウンドアクティビティを一時的に制限することで、電力消費を抑え、バッテリーの寿命を延ばすのが目的だ。既定ではバッテリー残量が20%以下になると自動で有効化されるが、[クイック設定]パネルなどから手動でON/OFFすることもできる。
これまでの「省エネ機能」はON/OFFの二択だったが、Canaryビルドではこれに加え「アダプティブ」(Adaptive)という選択肢が選べるようになった。「アダプティブ」とは、環境や条件の変化に応じて自動的に内容を調整すること。アダプティブモードでは、デバイスの電源状態と現在のシステム負荷に基づき、システム側がスマートに「省エネ機能」のON/OFFを切り替えてくれる。画面の明るさ調整は除外されているので、よっぽど注意してデスクトップを見ていない限り、「省エネ機能」が自動調整されていることにユーザーが気づくことはないだろう。
なお、このアダプティブモードはバッテリーを搭載したデバイスでのみ利用可能だ。
ユーザー操作の有無をOSが検知して勝手に節電 ~Windows 11に新しい電源管理
米国時間5月19日にDevチャネルでリリースされた「Windows 11 Insider Preview」Build 26200.5603(KB5058488)には、「User Interaction-Aware CPU Power Management」と呼ばれる新しい電源管理が追加されているとのこと。
これはユーザーによる操作の有無を考慮しながら、OSが賢く電源管理を行う仕組みだ。PCの操作が一定時間ないことをOSが検知すると、Windowsはより効率的な電源管理ポリシーを自動的に適用し、電力を節約する。ユーザーがわざわざ電源管理に気を使わなくても、OSが勝手にやってくれるのがミソだ。
この仕組みがあれば、消費電力が抑制され、バッテリー駆動時間の延長が期待できるだろう。ただし、実際に節約できる電力はデバイスのセグメント、電源モード、メーカー定義のプロセッサー電力管理(PPM)設定などにも左右される。場合によってはメーカー側の歩み寄りも必要となる可能性があり、ポテンシャルを発揮できるレベルになるにはまだ時間がかかるかもしれない。