トランプ大統領が無償でカタールから譲り受けた航空機、改修費用が約1400億円に上る可能性

トランプ大統領が無償でカタールから譲り受けた航空機、改修費用が約1400億円に上る可能性

米国防総省は、米国がカタールから無償で譲り受けた航空機の改修費用を機密扱いにしている。だが最近、莫大な費用がかかっていることで知られる核兵器搭載可能な新型ミサイル「センチネル」の開発計画の予算から9億3400万ドル(約1390億円)が名称非公表の機密プロジェクトに振り向けられ、これが航空機の改修に充てられるのではないかとの疑惑が浮上。米紙ニューヨーク・タイムズがこのほど報じた。

報道によると、センチネルの予算はカタールから譲り受けた航空機を米大統領専用機「エアフォースワン」として使えるようにするための改修費用に充てられると空軍の関係者は非公式に語っているが、9億3400万ドルすべてが改修に使われるのかは不明だという。同紙はまた、空軍が先週、機密扱いのため改修費用については明らかにすることはできないと述べたと報じた。

米空軍のトロイ・マインク長官は6月に、国防総省が改修に4億ドル(約590億円)かかると見込んでいると議員らに説明したが、エンジニアや空軍の専門家はこの見積もりは少ないと指摘している。

今回の報道より前の7月7日にピート・ヘグセス米国防長官は、同機が国防総省への「条件や制限のない寄贈」であり、「いかなる形態の贈収賄や不当な干渉、汚職行為の申し出・約束・受領と解釈されない」とするカタールとの覚書に署名した。

カタールがトランプ政権から見返りを得る材料として航空機の譲渡を利用するつもりではないかとの懸念がある中で、トランプ大統領は件の大型機747-8を受け取った。トランプ大統領は同機をエアフォースワンとして使用し、自身の任期終了後に大統領図書館に寄贈するとしている。

トランプ大統領はこの航空機は「無償の贈り物」だとして寄贈を正当化し、受け取らないのは「愚か」だと自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。

トランプ大統領が贈り物だと主張しているにもかかわらず、複数の報道によると、トランプ政権が同機についてカタールに打診したのは、エアフォースワンとして使用される予定の航空機2機の納入がずれ込んでおり、最短で2027年になる可能性が高いとボーイングから知らされた後のことだという。カタール王室が保有機を減らそうとする中、同機は2020年に売りに出された。

ニューヨーク・タイムズが報じたところによると、4億ドル相当のこの航空機は通信・技術システムや対ミサイル能力、エンジンなどを強化する必要がある。また、カタールがスパイ装置を機体に埋め込んでいないことを確認する検査も行わなければならない。改修は間もなく始まり、完了までに1、2年かかると見られている。

同機はいま、テキサス州サンアントニオにある。米国が5月に正式に受領した際、フロリダ州のパームビーチ国際空港からテキサス州の施設に移された。ニューヨーク・タイムズはこれについて秘密技術プロジェクトと報じた。

センチネル開発計画は、地上配備型の核兵器である大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ミニットマン3」のシステムを近代化するプロジェクトだ。古くなった約400基を置き換えるというもので、費用がかさみ、遅延に直面している。ニューヨーク・タイムズによると、空軍は当初、同プロジェクトの費用は777億ドル(約11兆5000億円)と議会に説明していたが、その後1400億ドル(約20兆8000億円)に膨らんだ。

カタールからの航空機の贈呈は、倫理的な懸念やスパイ活動の可能性という党派を超えた批判を招き、カタールでのトランプ一族の事業により新たに懸念材料が加わった。AP通信が以前報じたところによると、トランプ・オーガニゼーションは4月に、カタール国営企業が開発した土地に高級ゴルフリゾートを建設する計画を発表した。

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