アメリカのトランプ大統領は「日本はアメリカ車を買ってくれない」と不満をぶちまけています。一方で、独自の魅力に引かれるファンも存在します。アメリカ車は今後、日本市場で存在感を発揮できるのか、その可能性を探りました。
■日本にアメ車わずか0.3% イメージ本当?
重厚感のある巨大なボディーやクラシカルで洗練された内装。「Welcome to California」と掲げられた看板の先に並ぶのは、アメリカ車です。
埼玉県深谷市にあるアメ車専門の販売店「ワイテック」。30台以上の個性的な車体が訪れた客を出迎えます。福田陽介社長はこう話します。
「SUVっていう今人気の形。これがすごいパワーがあるので、高速なんか乗るとアクセル踏まないでファーっと走っていくくらい」
日本は輸入車に高い関税をかけているわけではありませんが、新車販売台数に占めるアメ車の割合はわずか0.3%です。
「燃費が悪い」「壊れやすい」「日本の道には大きすぎる」などのイメージを持っている人も多いアメ車。そうしたイメージは、どこまで正しいのでしょうか?
「現行車になると、(日本車と)ほとんど違いはない。アメリカ車のSUVも国産車と大差ない大きさのもあるので、本当に全く日本車と一緒に乗れる。正直、最近のものだと違いはないです」
最近のモデルは車体の大きさが日本車とそれほど変わらないほか、右ハンドルと左ハンドルの違いはありますが、メーターの配置などは変わらず、運転もしやすく快適だと福田社長はいいます。
「壊れやすい」というイメージについても、こう話します。
「『アメ車は壊れる』っていうのが、世間では広まっているけど、新しいちゃんとした車って、基本壊れないです。それこそ旧車でもちゃんと整備して、うちのお客さんも平気で10年くらい壊れない人もいる。やっぱり作りが頑丈。鉄が良かったり、鉄が厚かったり。その分、傷みづらい、さびづらい、腐りづらい」
実際、ドアの断面を見ても、鉄の厚みが伝わってきます。
■「優越感ある」店が語る魅力
1950年~70年代のクラシックカーを中心に販売をしているワイテック。半世紀以上も前の車が、今も力強く走っていることがアメ車のタフさを物語っているといいます。
しかし、購入する時や修理する時にはコストや時間がかかってしまうなど、一定の不便さはあるといいます。
それでも強みをアピールできれば、日本でもっと普及する可能性があるというアメ車。一番の魅力を福田社長に聞いてみました。
「最初は、やっぱりアメ車は『デカい』『かっこいい』みたいなのから。一番入りはみんなそれ。やっぱりデカくて派手で目立つ。映画に出てきてかっこいいとか。日本でこれが何台いるかといえば何台もいない車に乗れる優越感とか。僕はアメ車が大好きなので、もっと輸入されて、もっとみんなに魅力を感じてもらえればいいと思う」