「スイッチ2」発売から1カ月 売れ行きは好調も 今後の注目点は
任天堂の家庭用ゲーム機「Nintendo Switch 2(ニンテンドースイッチ2)」が発売から1カ月が経ちました。220万も応募があったため抽選販売の落選者が続出する一方、懸念された高価格の転売は想定より抑え込んだという声が大勢を占めています。気になる売れ行きですが、「ファミ通」によると国内の推計販売数が累計で140万台(~6月29日)を突破するなど順調です。好調の要因を振り返る記事を紹介しつつ、三つのポイントを挙げ、さらに今後の注目点を考えてみます。
ココがポイント
(佐々木俊一郎教授)抽せん販売で厳しい条件をつけた(略)『転売ヤー』には売らないということがある程度できたのではないか
出典:NHK 2025/6/5(木)
今回のSwitch2はiPhoneが新機種を発売するようなもの(略)初めてiPhoneを出した時のような衝撃はない
出典:デイリー新潮 2025/7/3(木)
(任天堂古川俊太郎社長)重要なのは、ユーザーにそれだけの価値を感じてもらえるような楽しいエンターテインメントの体験を提供
出典:ITmedia NEWS 2025/7/2(水)
王者を支えているのが幅広いファン層(略)目をひくのが女性利用者の多さ。男女比を全年齢で見ても半数近くが女性
出典:東洋経済オンライン 2025/5/13(火)
エキスパートの補足・見解
好調の理由の一つ目は、スイッチ2の日本語版を用意、為替レートと切り離して、価格を約5万円にしたこと。PS5の度重なる値上げなどもあり、相対的に割安感が出たのもプラスに働きました。
二つ目は、徹底した転売対策が支持されたこと。任天堂自らの抽選販売もそうですし、大手フリマサイトと提携し、LINEヤフーのサイトでは「スイッチ2」の出品を禁止するなど、一定の成果を挙げました。また一部の店頭で買える条件付きの「ゲリラ販売」を開始するなど複数の入手手段を用意しました。
最後は、初代スイッチを強化するゲーム機の方向性が、現時点では歓迎されていること。スイッチの性能強化の要望はずっとあり、保守的ゆえに購入者がイメージしやすく、さらに初代スイッチのソフトも生かせ安心感があります。
今後のポイントは二つ。このまま高値の転売を抑え込んで普及するか。そのためには潤沢な在庫を用意し、購入時に条件なしの店頭販売で誰もが買えるタイミングがいつになるかです。
もう一つは、この価格でミドル・ライト層に売れ続けるか。想定を超えて爆発的に売れるソフトも欲しいところ。求められるのは、普通の成功でなく大成功だけに大変ですが、引き続き注目です。