洗濯機でカビが生えやすい意外な場所ってどこですか? 【専門家が解説】
洗濯機を使用しているとき、気を付けたいのがカビ。洗濯槽の裏側やゴムパッキンのイメージが強いですが、意外な場所に生えることがあるのもご存じでしょうか。
「All About」ガイドで、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演する安蔵靖志が解説します。
(今回の質問)
洗濯機でカビが生えやすい意外な場所ってどこですか?
(回答)
排水フィルターの奥や洗剤・柔軟剤自動投入機能などにも注意しましょう。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
◆カビが発生するのは洗濯槽の裏側だけではありません
「洗濯機は清潔なはずなのに、洗濯物が生乾き臭い……」。そんなとき、多くの人が洗濯槽の裏側やゴムパッキンのカビを疑いますが、実は見落としがちな場所にカビが潜んでいるケースもあります。
▼排水フィルター(糸くずフィルター)の「奥」や「収納部」
普段、排水フィルター自体はマメに掃除していても、そのフィルターが収まる「ケースの内部」や「さらに奥の配管」までは意識が向きにくいもの。ここには、水垢、石鹸カス、衣類の繊維くず、そしてそれらをエサにするカビやヌメリがびっしりとたまります。水の通り道であり、常に湿っているため、雑菌が繁殖しやすい絶好の場所なのです。これが悪臭の原因となり、清潔なはずの洗濯物に再びカビ菌を付着させてしまうことがあります。
▼洗剤・柔軟剤の「自動投入タンク」とその「内部ホース」
近年、洗剤・柔軟剤の自動投入機能を搭載したモデルが増えています。洗剤や柔軟剤を毎回計量する手間が省けますが、タンク内や、そこから洗濯槽へとつながる細いホースの内部にカビやヌメリが発生することも。特に、液体の洗剤や柔軟剤がタンクやホース内で固まったり、成分が変質したりすると、雑菌の栄養源となりやすく、見えないところでカビが繁殖してしまいます。
◆正しいお手入れ方法は?
これらの見落としがちな場所の対策は、以下の通りです。
▼排水フィルターの奥や収納部
フィルターを外した後、その奥に見える部分や収納部の内側を、使い古しの歯ブラシや細いブラシでこすり洗いします。落ちにくい汚れやカビには、塩素系のカビ取り剤(洗濯機用または浴室用で金属に使えるもの)を吹き付け、しばらく置いてから水で洗い流しましょう。
▼洗剤・柔軟剤の自動投入タンクと内部ホース
タンクが取り外せるタイプであれば、定期的に取り外して丸洗いし、完全に乾燥させてから戻します。
内部ホースは、機種によっては自動洗浄機能が搭載されている場合がありますので、取扱説明書を確認して活用しましょう。ない場合は、タンクが空の状態で「槽洗浄コース」を運転するなど、水を多く流す運転を定期的に行い、内部を洗い流すことを意識しましょう。市販の洗濯機用クリーナーを使用する際も、自動投入機能に対応しているか確認してください。
◆そのほかの予防策は?
使用後は必ず一定時間、ふたやドアを開けておきましょう。洗濯機内部の湿気を逃がし、乾燥させることでカビの繁殖を抑えます。
また、洗濯物は入れ過ぎないようにしましょう。洗剤が全体に行き渡り、すすぎ残しを防ぎます。洗剤や柔軟剤も必ず指定量を入れて、溶け残りやヌメリを防ぎましょう。また、月に一度は洗濯槽クリーナーで槽洗浄を行うことも大切です。