「なぜ赤字になったのか。反省がない」…日産が株主総会、業績不振に厳しい声
日産自動車は24日、横浜市西区の本社で定時株主総会を開いた。イバン・エスピノーサ社長は業績不振や経営再建計画で進める工場閉鎖・人員削減などについて株主に陳謝するとともに、経営再建計画について説明した。株主からは業績や株価の低迷、内田誠前社長ら前経営陣を含む役員報酬について厳しい反発の声が上がった。
日産は2025年3月期連結決算で過去最大に迫る6708億円の当期赤字に陥り、世界7工場の閉鎖や2万人の従業員削減などを柱とする経営再建計画「Re:Nissan(リニッサン)」を公表している。
総会では経営陣から削減する7工場について、具体的な拠点名などの言及はなかった。総会には内田前社長らも出席。株主から白紙となったホンダとの経営統合協議について詳細な説明を求める声もあった。
総会ではエスピノーサ社長と赤石永一執行役チーフテクノロジーオフィサーら4人を取締役に選任し、内田前社長、坂本秀行前副社長が退任。社外取締役は全員留任した。日産車体の完全子会社化などを求めた株主提案は否決された。
株主からは「(経営再建計画による)規模の縮小は賛成。一度リセットして再生してほしい」「エスピノーサ社長の覚悟や熱意が聞けて良かった」といった好意的な意見があった半面、「なぜ赤字になったのか。反省がない」「具体的な利益目標を示せていない。業績回復に確信が持てない」との声も上がった。
出席株主は1071人、所要時間は3時間6分だった。