「不要」の声もあるけど……パソコンの「セキュリティーソフト」って本当に必要? 専門家に聞いた
ノートパソコンを使うときに、セキュリティーソフトを導入すべきか悩んだことがある人も多いはず。近年は「不要」と語る人もいるようですが、実際のところどうなのでしょうか。
「All About」ノートパソコンガイドの上倉賢が解説していきます。
(今回の質問)
ノートパソコンのセキュリティーソフトって本当に必要ですか? 最近は不要という声も聞きました。
(回答)
Windows含め、OS標準のセキュリティー機能は充実しており、以前は必須といえたセキュリティーソフトを契約する必要が薄れています。しかし、セキュリティーに絶対はないため、セキュリティーソフト導入を含めてさまざまな対策をとることをおすすめします。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
◆セキュリティーに絶対はありません
「セキュリティーソフトが必要か」と聞かれれば、必要といえます。セキュリティーに絶対はないので、Windows OS標準のDefenderでも十分とはいえません。
Microsoft Defenderはウイルス対策機能の一種で、Windows 11ではOS標準機能の「Windows セキュリティー」の一部となっており、セキュリティー対策としてはより進化しています。必要最低限ではありますが、OS自体にこのようなセキュリティー機能が搭載していれば、ひとまずは問題ない状態にはなっています。
しかし、セキュリティー意識の高い企業では、そのような標準機能に加えてさまざまなセキュリティーソリューションを導入しています。また、利用者へのセキュリティー教育なども実施している状況です。この状況を顧みると、個人でも別途セキュリティーソフトを導入した方がより安全といえるでしょう。「企業のように重要なデータは扱っていないから」と、セキュリティーは必要ないと感じる人も多いかもしれませんが、金融機関の情報や知人の住所といった個人情報など、漏えいしたら困る情報は数多くあります。個人だからセキュリティー対策は不要とは必ずしもいえません。
以前のセキュリティーソフトは、アンチウイルス機能が中心でした。最新の製品は、そのような基本機能に加えて、Webサイトの接続先、プライバシー保護、保護者による制限などさまざまな機能が提供されています。さらに、サービスによっては有人サポートが提供されている場合もあり、何かあったときの相談先を確保できます。通常の製品サポートに加えて、セキュリティー関連の相談窓口があるのは、一般の人にとっても非常に魅力的といえるでしょう。
◆知識やスキルのアップデートも重要
とはいえ、ソフトを導入すればセキュリティーが完璧になるわけではありません。2025年前半に話題になった証券会社のセキュリティー問題は、偽物のサイトにアクセスして自らパスワードなどの認証情報を犯罪者に教えてしまうなど、ユーザーのセキュリティースキルにも問題があったようです。このような攻撃をセキュリティーソフトで守るのは難しいといえます。
導入した上で、自身でも関連の知識やスキルのアップデートは常に行い、新しい攻撃に備えることが重要です。その上で、うっかりミスを犯したとしても守れるようにセキュリティー機能を追加し、多重に防御するようにしましょう。あまり詳しくない場合は、よりサポートが充実しているセキュリティーサービスを契約することをおすすめします。