国交省、乗用車に「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」搭載義務化 2028年9月1日以降の新型車対象に
国土交通省は6月17日、道路運送車両の保安基準等を一部改正し、2028年9月1日以降の新型乗用車(輸入車は2029年9月1日)を対象に「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」の搭載を義務付けると発表した。
「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」は、高齢者等がブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違えたことによる事故を防止する日本発の安全技術で、この日本発の技術を国際基準とすることが国連自動車基準調和世界フォーラム(WP.29)において、2024年11月に合意された。
国交省では、2028年9月1日以降の新型乗用車(輸入車は2029年9月1日)に国際基準に適合する装置の搭載を義務づけることにより、ペダル踏み間違いによる事故のより一層の削減が期待されるとしている。
対象車両については、運転者がクラッチ操作を必要としない乗用車(乗車定員10人未満)。電気自動車を含め、クラッチペダルのないATモデルの乗用車には、国際基準の「ペダル踏み間違い時加速抑制装置に係る協定規則」に適合する装置を備えなければならないとした。
日本発の「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」が国連基準化 国交省、自動車基準調和世界フォーラムの結果報告
国土交通省は11月19日、スイス・ジュネーブで11月12日〜15日に開催された、国連の第194回自動車基準調和世界フォーラム(WP.29)において、日本発の安全技術である「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」が国連基準化されたことを明らかにした。
WP.29は、自動車安全・環境基準の国際調和と認証の相互承認を多国間で審議する唯一の場であり、日本も積極的に参画。今回WP.29にて合意された「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」の国連基準は、高齢ドライバー等による事故の削減に向け、アクセルとブレーキの踏み間違いや前方の障害物を検知し、衝突を防止する性能要件を規定した国連基準となる。
同国連基準は、日本からの提案にて議論が開始され、日本の技術や評価方法をベースに議論され、今後の世界スタンダードとして認められた。
日産、「ペダル踏み間違い事故軽減」など最新安全技術を公開
2011年10月12日発表
日産自動車は10月12日、同社が開発している最新の安全技術「ペダル踏み間違い事故軽減技術」「リアカメラを用いたマルチセンシングシステム」「プレディクティブフォワードコリジョンワーニング」を公開した。
■アラウンドビューモニターを応用した「ペダル踏み間違い事故軽減技術」
駐車場等でブレーキと間違えてアクセルペダルを踏むことによって起きる暴走、いわゆる「踏み間違い事故」を防止する技術。2年以内の商品化を目指す。
アラウンドビューモニターの4台のカメラの画像で、縁石、白線などを認識すると駐車場にいると判断する。この状態でアクセルペダルを床まで踏み込むと、エンジンの出力を絞るなどして暴走を防ぐ。
また、アラウンドビューモニターとセットで搭載されるソナーが自車周辺の障害物を検知し、衝突の危険があれば自動ブレーキをかける。
■安価で普及させやすい「リアカメラを用いたマルチセンシングシステム」
「リアカメラを用いたマルチセンシングシステム」は、リアカメラ(バックビューモニター)のみで「ブラインドスポットワーニング(死角検出警報)」、「レーンデパーチャーワーニング(車線逸脱警報)」、「ムービングオブジェクトディテクション(MOD:移動物検知)」の3つの安全機能を実現する技術。2012年の新型車に搭載し、世界で展開する。
これらの技術は、これまでは複数のカメラなどで実現していたが、アラウンドビューモニターの画像処理技術を応用することで、リアカメラのみで実現した。必要なセンサーの数が減り、リアカメラの搭載を義務付ける動きもあることから、低コストで普及させやすくなる。
ラインドスポットワーニング(死角検出警報)は、車線変更時に死角にいるほかの車両を検知し、警告音と、フロントピラーの警告灯で注意を促す。
レーンデパーチャーワーニング(車線逸脱警報)は、リアカメラで道路上の白線を検知し、ターンシグナルランプを点灯せずに車線から逸脱すると、警告音とアイコンで注意を促す。
ムービングオブジェクトディテクション(MOD:移動物検知)は、ギアをバックに入れた際に、リアカメラの映像内の歩行者などの移動物を検知する。検知すると警告音とディスプレイ表示で注意を促す。MODのみ、11月にマイナーチェンジする「エルグランド」のアラウンドビューモニターに搭載される。
なお同社は、「フロントカメラを用いたマルチセンシングシステム」も開発している。これはルームミラーの前部に取り付けたカメラの映像を解析し、安全に役立てるもの。前方の車両に衝突する危険を検出し警告する「フォワードコリジョンワーニング」、車線逸脱警報「レーンデパーチャーワーニング」、歩行者の存在を知らせる「歩行者検知」の3機能が実現される。
こちらは実用化の計画は明らかにされていないが、やはりコストを下げて、安全技術の普及を促進させるのが狙い。
2台前の車両の動きを検知する「プレディクティブフォワードコリジョンワーニング」
ミリ波レーダーにより、前走車のその先にいる車両の動きを検知する技術。2台前の車両が突然減速するなどの状況で、衝突を防止する。
レーダーは、前走車と、前走車の床下を抜けて、前走車の先にいる車両を検知する。2台前の車両の減速を検知すると、表示、警告音、シートベルトの巻き上げでドライバーに警告し、注意を促す。