PCが起動しない──「Windows Update」後の不具合でPCメーカーが相次ぎ注意喚起 富士通、マウス、GIGABYTEも
Windowsの6月配布アップデートを適用した後、不具合が発生する機種があると、富士通や富士通クライアントコンピューティング(FCCL)、マウスコンピューター、GIGABYTEといったPCメーカーが相次いで注意喚起している。OSや症状に違いはあるが、PCが正常に起動できなくなる点は共通している。
富士通の場合は、2015年から18年に販売したWindows 10のデスクトップPCやPCワークステーションの一部が該当した。6月11日に配布されたWindows Update後にPCが起動できなくなる場合があるという。13日以降、一時的にWindows Updateの配信を停止した。
富士通の対象機種
・ESPRIMO(16年下期モデル)D556/P、D556/PX、D586/P、D586/PW、D586/PX、D956/P、Q556/P、Q556/PW、Q956/MRE
・CELSIUS(16年下期モデル)J550、W550
・ESPRIMO(15年下期モデル)D556/M、D556/MX、D586/M、D586/MW、D586/MX、D956/M、Q556/M、J529/FA、N529/FA
・CELSIUS(15年下期モデル)J550、W550
富士通クライアントコンピューティングの場合、2015年から16年に販売したデスクトップPCの一部が該当。富士通と同じくPCが起動できなくなる場合があり、現在はWindows Updateの配信を停止している。
富士通クライアントコンピューティングの対象機種
・ESPRIMO(16年10月発表モデル)WD1/A3、WD2/A3
・ESPRIMO(16年1月発表モデル)WD1/X
・ESPRIMO(15年10月発表モデル)WD2/W
マウスコンピューターは、Windows 11搭載のノートPCで不具合が発生している。起動時にロゴが表示された後、先に進まない、あるいは「自動修復を準備しています」の画面で止まるといった症状のようだ。
同社は「特定のBIOSバージョンが原因とみられる」としており、対策したBIOSを準備中。17日までに「mouse A5」「DAIV S4」など8機種のBIOSをリリースしており、「mouse F7」など8機種についても今後公開する予定になっている。
マウスコンピューターの対象機種
・mouse A5、B5、K5、K7、F7
・DAIV S4、R6、4N、5N
・MousePro C4、G4、L5
・G-Tune E4、E5、P5、P7
台湾GIGABYTE Technologyは、ノートPCの一部機種にWindows 11の6月配布アップデート(KB5060842)を適用するとOSが再起動しなくなるとして、該当する機種のユーザーにはWindows Updateを行わないように設定変更を求めている。
対処方法は、1)有線LANやWi-Fi接続を無効にして、2)設定のWindows Updateから「更新の一時停止」を選択、停止期間を設定する。
GIGABYTE Technologyの対象機種
・GIGABYTE G5シリーズのうち、型番がKF-/MF-で始まる製品
・GIGABYTE G6シリーズのうち、型番がKF-/MF-で始まる製品
・すべてのGIGABYTE G6Xシリーズ
Windows PC起動できない問題 マイクロソフトが対応検討
マイクロソフトは6月17日、同月中旬に配信されたWindwos Updateの適用後、デバイスが起動できなくなる問題について、メーカーと協力して対応を進めていることを明らかにした。
マイクロソフトは6月17日、同月中旬に配信されたWindwos Updateの適用後、デバイスが起動できなくなる問題について、メーカーと協力して対応を進めていることを明らかにした。
この不具合は富士通、マウスコンピューター、GIGABYTEなど、複数のメーカーのWindows 10またはWindows 11マシンで発生。前述の通り起動中に不具合が起こるため、OSにログインし、標準の復元機能で復旧することはできない。
マイクロソフト側で初期調査をしたところ、一連の動作はサードパーティー製ファームウェアに関連したもので、ファームウェアとWindowsとの互換性に問題が生じている可能性があることが判明した。
同社はこれを受け、影響を受けるデバイスについて、メーカーと協力して調査および解決策の検討を進めているという。
また、不具合に遭遇したユーザーに対しては、PCのメーカーへ連絡してサポートを受けるよう勧めている。
富士通製PCが起動しなくなる不具合多発。Windows Updateが原因か
富士通製のPCで、Windows Update実施後に起動が失敗するとの報告が増えている。大塚商会が取扱い製品サポート情報として告知した。
大塚商会によれば、不具合が起きているPCは2015~2017年に発売された富士通製PC「ESPRIMO」シリーズの特定機種だという。該当する機種では、6月11日公開のWindows Update後にPCが起動できなくなるという。メーカーロゴの画面から先に進まずBIOSにも入れない状態になる、CMOSクリアやハードウェアの最小構成で電源を入れても症状が改善されないといった事例がSNSなどで報告されている。
原因および解決策については現在調査中とのこと。記事執筆時点で富士通のサポートサイトでは本件について告知していない。
なお、ESPRIMOシリーズの発売時期や型番は富士通製法人向けPCのWebサイトなどで確認できる。