日産、新型「リーフ」年内発売 航続距離と充電速度改善、今秋まず北米投下
日産自動車は17日、電気自動車(EV)「リーフ」の第3世代となる新型モデルを発表した。課題だった航続距離や充電速度を改善し、大幅に性能が向上。販売不振が続く北米を皮切りに今秋に販売を始め、国内では年内発売を予定している。
モーター、インバーター(電力変換器)、減速機を一体化した新型「3─in─1パワートレイン」を採用。従来モデルよりも10%小型化し、静粛性の向上に加えてスムーズな走行性能を実現した。
フル充電後の走行距離は北米仕様(75キロワット時〈kWh〉バッテリー)で最大303マイル(約480キロメートル)。従来型と比べ、航続距離が4割超伸びた。日本、欧州仕様は600キロメートル以上の走行が可能という。最大150キロワットの急速充電器に接続した場合、10~80%まで最短35分で充電できる。
北米向け車両は栃木工場(栃木県)で生産。価格などの詳細は販売開始時期に合わせて各市場で発表する。
日産リーフは2010年、量産EVとして世界で初めて発売。過去15年間で計70万台を売り上げた。
日産、新型「リーフ」を6月17日発表 14分の急速充電で最大250kmの走行が可能に
日産自動車は6月12日、6月に発表する新型EV(電気自動車)「リーフ」について、開発した商品企画、デザイン、開発チームのメンバーを特集した全3回のビデオシリーズの第3弾映像を公開。最終回となる第3弾において、新型リーフが日常の移動手段としてだけでなく、EVのある生活をもっと身近にし、ライフスタイルを豊かにする先進技術を搭載したことをアナウンスした。同時に、新型リーフを6月17日21時(日本時間)に同社のYouTubeチャンネルでグローバル向けに発表することが予告されている。
日常シーンでのEVの使いやすさを追求した新型リーフで鍵となるのが、シームレスな充電体験。新型リーフでは急速充電器を使うことで14分で最大250kmの走行を可能にした。同時に、米国市場では北米充電規格(NACS)に対応し、プラグアンドチャージ機能を有していることも触れられている。
また、ナビゲーションと連動した「バッテリーコンディショニング機能」を採用し、目的地までのルートから推測される走行負荷に応じてバッテリの温度を最適化。さらに夏場の急速充電時において、充電後の走行負荷が低いと判断した場合、一時的にバッテリの充電許容温度範囲を調整し、充電速度を維持させることが可能になっているという。
一方、室内には最大1500Wの出力に対応したコンセントを搭載し、V2L(Vehicle-to-load)アクセサリアダプターを使用することで外部充電ポートからも電力の使用を可能とした。さらに日本市場においては、V2H(Vehicle-to-Home)機能によって家庭への電力供給や太陽光発電の活用が可能。家庭用エネルギーマネジメントシステムと連携することで自宅全体に電力供給でき、停電時のバックアップ電源としても機能する。
今回の発表に際し、日産自動車 グローバル商品企画部門の責任者であるリチャード・カンドラー氏は「EVの長距離走行に対する不安を解消するため、新型『リーフ』はGoogle mapと連携したインテリジェントルートプランナーを搭載しました。これにより、ルート上の充電スポットを簡単かつ直感的に見つけることができ、ドライバーは安心して移動できます」とコメントしている。
日産から新型EV「リーフ」、航続距離を3割改善し600K超…クロスオーバー型で空気抵抗減
日産自動車は17日、新型の電気自動車(EV)「リーフ」の概要を公表した。車載電池やモーターの刷新などにより、航続距離を現行モデルから約3割改善し、最大600キロ・メートル以上に伸ばした。国内では年内の発売を予定する。
全面改良は8年ぶり。デザインを従来のハッチバック型からクロスオーバー型に変更し、空気抵抗を抑えたことも航続距離の伸長につながった。前方の車両にあわせて減速や停止を自動で行う運転支援機能を搭載した。
リーフは日産が2010年に世界に先駆けて発売した量産型EVで、今回で3代目となる。世界的な販売不振に陥るなか、新型リーフの投入で巻き返しを図れるか注目される。
日産、新型「リーフ」(第3世代)概要発表 クロスオーバースタイルで航続可能距離は600km以上に
日産自動車は6月17日、第3世代となる新型EV(電気自動車)「リーフ」を発表した。新型リーフは2025年秋に米国での販売開始を予定しており、その他の地域でも順次展開するとのこと。生産は日本 栃木工場およびイギリス サンダーランド工場で行なわれ、価格などの詳細は販売開始時期に合わせて各市場でそれぞれ発表される。
新型リーフでは長年にわたり蓄積した日産の知見を最大限に活かし開発したといい、現在EVを所有するユーザーはもとより、今後、内燃機関車から代替する選択肢になることを目指し、航続距離の大幅な向上や充電速度の改善に加え、EVが生活の一部としてライフスタイルを充実させるさまざま技術を搭載した。
■ クロスオーバースタイルに変貌
まず目を引くスタイリングだが、これまでの5ドアハッチバックスタイルからクロスオーバースタイルに変貌を遂げた。ボディサイズは現行リーフが4480×1790×1560mm(全長×全幅×全高、X/Gなど。ルーフアンテナ装着時)だったところ、4360×1810×1550mm(全長×全幅×全高、日本仕様)と、120mm短く、20mm広く、10mm低いスタイルとなった。
また、同じクロスオーバーEVである「アリア」が4595×1850×1655mm(全長×全幅×全高)で、それと比べると235mm短く、40mm狭く、105mm低いサイズとなる。
デザインは「アリア」から導入した「タイムレスジャパニーズフューチャリズム」と呼ばれるデザインランゲージをさらに発展させたものとなり、シンプルでありながら力強く、モダンな表現を通じて日本独自の美意識をデジタルな時代にマッチしたデザインとして体現したという。
フロントまわりは彫刻的でEVらしいグリルレスのバンパーがスムーズにボンネットラインと組み合わさったもので、サイドビューではファストバックのようなシルエットが滑らかにリアデッキへとつながって車両後方へ風を流し、格納式のフラッシュドアハンドルやホイールアーチモールディングでフラットな外観を実現。空力を考慮しデザインされたホイールと、フラットなアンダーボディで空力性能を高めた。Aピラーからリアハッチにかけて緩やかなアーチを描くウィンドウラインのアクセントは、日本刀(カタナ)からインスピレーションを得たデザインとなり、日本的なDNAを表現。
これによって米国および日本仕様での空気抵抗係数(Cd値)は0.26とし、優れた空力性能を実現。欧州市場向けの一部仕様では専用タイヤやドアミラーの採用により、さらに低い0.25を達成した。
デザイン面では、チャージングポートリッドに日産グローバルデザインセンターが手掛けたデザインであることをさり気なく表した「Ⅱ三(日産)パターン」が刻印された。
ライティングについて、フロントでは6つの丸みを帯びた長方形で構成されたシグネチャーランプによって最新のモーションを表現。フロントのイルミネーションタイプの日産ロゴの上に配置された一文字のライトバーはウインカーをポジションランプとシグネチャーランプともつながり、ひと目で新型リーフであることが分かるデザインとした。
リアではホログラフィックリアコンビネーションランプが「デジタル“禅”」の要素を表現。パターンで配置された鮮やかなランプは、見る角度によって奥行きが変化するホログラムのような効果を生み出す。また、フロントとリアのランプはオーナーがクルマに近づいたり離れたりすると、ウェルカム/フェアウェルシーケンスで点灯するようプログラムされている。
ホイールは空力性能を高めつつモダンなスタイルを表現したものとなり、フルカバー付き18インチスチールホイール、18インチアルミホイール、235/45R19タイヤを装着した19インチアルミホイールの3種類を設定した。
また、フロントにストラット式サスペンション、リアにマルチリンク式サスペンションを採用(従来モデルはフロント:ストラット式、リア:トーションビーム)し、快適な乗り心地を実現。さらにボディ剛性の向上によって横方向の剛性は従来モデル比で66%向上したという。また、19インチ(235/45R19)仕様の最小回転半径は5.3m(従来モデルは16インチ仕様で5.2m、17インチ仕様で5.4m)を実現し、高い取り回し性能を確保した。
■ ガラスの透明度を変えられる調光パノラミックガラスルーフ
一方、インテリアでは快適性と機能性を考え設計され、広々とした空間を特徴とする。プラットフォームはCMF-EVプラットフォームを採用しており、フラットなフロアに加えて空調ユニット(HVAC)をモータールームに配置することで、開放感ある前席の足下空間を実現。インストルメントパネルは横に広がるフローティングデザインによって落ち着いたミニマルな雰囲気を演出するほか、プッシュボタン式シフターの採用によりさらに開放感を高めたものとなる。
また、オーディオ&インフォテインメントについては12.3インチおよび14.3インチのデュアルスクリーンを統合したモノリススタイルのデザインを採用。メーターの背景デザインは最大5種類を用意しており、その中にはリーフ専用の「Engawa(縁側)」デザインも用意した。日本の建築思想である縁側は、内と外の空間を自然に繋げることを目的としており、その哲学がディスプレイにも反映されているという。64色から選択できるアンビエント照明も設定した。
Googleビルトイン機能を搭載した最新のNissan Connectインフォテイメントシステムは、ワイヤレスApple CarPlay、ワイヤレスAndroid Auto、Nissan Connectサービス、車内Wi-Fiが利用可能で、それ以外にもワイヤレススマートフォン充電、最大4つのUSBポートを搭載。さらにBose Personal Plusプレミアムオーディオ(10スピーカー、前席ヘッドレスト内蔵スピーカー含む)を搭載し、没入感のあるサウンド体験を実現したとのこと。
また、調光パノラミックガラスルーフを採用したのも新しい。電子調光技術を採用し、ガラスの透明度を変えることで室内に入る光の量をボタン1つで調整でき、ガラス部には赤外線(IR)反射コーティングを採用することで高い遮熱効果を実現するという。
さらに日本の伝統的な「霞(かすみ)」模様からインスピレーションを得たシェードパターンをデザインするとともに、調光ルーフが作り出す影には小さな「LEAF」のロゴが浮かび上がる遊び心も加えられた。調光はフルシェード(全閉)、フロントシェード(前側のみ)、リアシェード(後側のみ)、シェードレス(透明)から選択できるようになっている。
そのほか、北米/日本仕様では後部座席を立てた状態で最大420L(方式)の荷室容量を確保し、欧州仕様では独自のトランク構造により最大437Lの容量を実現。荷室へのアクセスも容易とし、パワーテールゲートも設定した。一部の仕様ではルーフレールも装備されており、アクセサリーのクロスバーを取り付けることもできる。
■ モーター、インバーター、減速機を一体化した新開発の3-in-1 EVパワートレーン
パワートレーンについては、従来では個別の部品で構成されていたモーター、インバーター、減速機を一体化した新開発の3-in-1 EVパワートレーンを採用。従来モデルより10%小型化されており、日産独自のモーター制御技術によって静粛性の向上とよりスムーズな走行性能を実現したという。さらに新しい高剛性モーターマウントにより、モーターの振動を従来比で75%低減するとともに、高遮音カーペットを採用したことで高い静粛性を実現。バッテリは52kWhと75kWhを用意し、52kWh仕様の最高出力は130kW(174HP)、最大トルクは345Nm。75kWh仕様は最高出力160kW(214HP)、最大トルク355Nmを発生する。
米国仕様の75kWhバッテリ搭載モデルは、EPA基準で最大303マイル(日本、欧州はWLTC基準で600km以上)の航続距離を実現。また、北米充電規格(NACS)コネクターを採用しており、テスラのスーパーチャージャーにも対応可能とした。最大150kWの急速充電に対応したポートが搭載され、150kWの急速充電器に接続した場合、10~80%まで最短35分で充電することができるという。
また、新たにクルマ全体の冷熱システムを一括制御するエネルギーマネジメントシステムを採用。同システムでは普通充電時に車載充電器(OBC)から発生する熱を利用してバッテリを温め、寒冷時の回生性能を向上させることや、バッテリの熱をエアコンの暖房に活用するなど、発生する熱を可能な限り有効活用することで高効率化を図った。
さらにナビゲーションと連動した「ナビリンクバッテリーコンディショニング」も採用することで、走行ルートに応じてバッテリの温度を最適化。目的地を入力すると、ルートの負荷(急勾配や高速道路の長距離走行など)を判断し、負荷が低いと予測される場合は冷却モードを自動で調整してエネルギーを節約する。充電後のルートが低負荷であると判断した場合、一時的にバッテリの許容温度を調整し、充電速度を向上させることも可能になっている。さらに「インテリジェントルートプランナー」を使うことで、目的地までのルート案内だけでなく、リアルタイムの交通状況やバッテリ残量に応じた最適な充電スポットの案内も可能としている。
■ 日本向けにはプロパイロット1.0および2.0を用意
新型リーフではさまざまな運転支援技術を搭載しているが、その1つが新開発された「インテリジェントディスタンスコントロール」。この技術は前のクルマが減速した際にドライバーがアクセルペダルを戻すと、システムがなめらかにブレーキを制御して速度を落とし、ドライバーの減速操作をサポートするというもの。また、先行車がゆっくりと停止した場合には、自車もそれに応じて停止まで制御する技術となり、加減速を繰り返すシーンでドライバーの負荷を軽減する。
さらに先進のカメラ技術を用いた「インテリジェントアラウンドビューモニター」を搭載しており、車両周囲を車外のさまざまな仮想視点から確認できる「3Dビュー」、クルマの前方や交差点などの見通しのわるい場所で左右を確認できる「フロントワイドビュー」、目視できないフードで隠れた路面の映像を表示する「インビジブルフードビュー」といったビューモードが用意された。
また、高速道路での運転をより快適にするために、インテリジェントクルーズコントロールとステアリングアシストを組み合わせた「ProPILOTアシスト」も搭載。日本向けにはプロパイロット1.0および2.0が用意されるとのこと。
そのほか「V2L(Vehicle-to-Load)」機能を備え、米国仕様では室内と荷室にそれぞれ120Vのコンセントを搭載。合計最大1500Wの電力を使うことができ、キャンプなどで電化製品が使えるようになっている。また、充電ポートに接続するV2Lアダプターからの電力供給も可能で、日本では最大1500W、米国では1800W、欧州では最大3.7kWを出力することが可能。
さらに日本仕様では「V2H(Vehicle-to-Home)」機能も継続して採用されており、V2H機器と接続することで車両のバッテリから家庭へ電力を供給したり、太陽光発電の電力を車両に蓄電できたりする。
日産、新型リーフ発表 航続距離は600km超 日本は年内の発売予定
日産自動車は6月17日、電気自動車(EV)の新型「リーフ」を発表した。8年ぶりのフルモデルチェンジで、これまでの5ドアハッチバックからクロスオーバーSUVへと車型を一新した。2種類の電池を用意し、航続可能距離は最大600km以上(国内WLTC基準)を実現。電池残量10%から80%まで最短35分の高速充電にも対応した。2025年秋に米国で販売開始し、国内でも年内の発売を予定する。
10年に初代を発売したリーフは、三菱自動車「アイミーブ」に次ぐ量産EVとして注目を集めた。17年には2代目を発売し、これまでの世界累計販売は70万台を超える。
新型リーフは、EV「アリア」と同じ「CMF-EV」プラットフォームを採用した。サスペンション形式はフロントがストラット、リアはマルチリンクとした。ボディー剛性も大幅に向上しており、横方向の剛性は現行比で66%高めた。
ボディーサイズ(日本仕様)は、全長4360mm、全幅1810mm、全高1550mm、ホイールベース2690mm。全長を現行より120mm短縮したが、eアクスルの小型化やHVAC(空調ユニット)を車室外に組み込むことで現行並みの室内空間を確保した。空力性能にもこだわり、空気抵抗係数(Cd値)は0.26を実現。高速走行時のエネルギーロスを低減する。
パワートレインは、モーターとインバーター、減速機を一体化した新開発の「3 in 1」を搭載した。現行に比べて10%小型化した。また、高剛性モーターマウントでモーター振動を同75%低減したほか、高遮音カーペットも採用し、高い静粛性を実現した。
駆動用リチウムイオン電池は、容量52kWhと75kWhの2種類を用意。モーター最高出力はそれぞれ130kWと160kWとした。75kWhモデルは、国内のWLTC基準で最大600km以上の航続可能距離を実現した。また、出力150kWの急速充電を用いて、電池残量10%から80%まで最短35分で充電できる。
インテリアでは、12.3インチまたは14.3インチのデュアルスクリーンを統合したディスプレーデザインを採用した。メーターの背景デザインは最大で5種類用意し、新型リーフ専用の「Engawa(縁側)」デザインも設定した。アンビエント照明も64色から選択可能なほか、遮熱性を高めた調光パノラミックガラスルーフも用意。電子調光技術でガラスの透明度を変更できるなど、気分や好みに応じた演出が可能な車内環境を実現した。
生産は、栃木工場(栃木県上三川町)と英国のサンダーランド工場が行う。米国を皮切りに、カナダ、欧州、日本で発売し、販売価格などの詳細情報は順次公表していく。