Nintendo Switch 2が発売されるも、解消の目処がたたない安定供給とタイトル不足、そして転売問題

Nintendo Switch 2が発売されるも、解消の目処がたたない安定供給とタイトル不足、そして転売問題

2025年6月5日、ついにNintendo Switch 2(以下、スイッチ2)が発売され、言うまでもなく非常に大きな話題となっている。

 抽選販売にもかかわらず家電量販店に行列ができ、テレビでも取り上げられ、YouTubeでは関連動画がたくさんアップされ、SNSもスイッチ2の話題で持ち切りだ。

 とはいえ、スイッチ2が発売されて一段落というわけにはいかない。むしろこのゲーム機を触っていると、これからの課題がいろいろと見えてくるのである。

■何をしてもまずはスイッチ2の普及が必要

 スイッチ2が最初にこなすべき課題はやはり、ゲーム機としての普及であろう。

 前述のようにスイッチ2はものすごい人気である。人気の理由は前世代となるNintendo Switchが爆発的な人気を獲得していたことが大きい。互換性があるために前の世代を持っている人は買って損がないし、任天堂のゲームを遊びたいのであれば是が非でも持っておきたいゲーム機といえる。

 そして、Nintendo Switchは発売前に予約していればふつうに買えるチャンスがあったものの、任天堂の人気タイトルが出てから一気に品薄になった。さすがにゲーム好きはこの経験を覚えており、スイッチ2ではとりあえずゲーム機を押さえる必要が出てくるわけだ。

 ゆえにスイッチ2は大人気で、まだ一部の人しか手に入れられていないようである。落ち着いて手に入るようになるのは早くとも数カ月先だろうし、その間にまた人気タイトルが発表されるようなことがあれば人気が再び過熱するだろう。

 また、転売の問題がある。任天堂は発売前からフリマアプリやオークションサイトと提携して不正出品対策を施してきたが、結局のところメルカリや楽天ラクマではスイッチ2の出品が行われている(このふたつではスイッチ2の販売禁止までは行われていなかった)。

 記事執筆時点の出品価格は6万5000円〜7万円あたり。販売手数料はたいてい10%で送料がかかることを考えると、そこまで利益が出そうにはない。スイッチ2の国内版にリージョンロックをかけるなどの転売対策はある程度功を奏したようだ。

 とはいえ、多くの人が欲しがるスイッチ2がフリマアプリなどで多数売りに出されている状況なのは間違いない。なるべく早い段階で、こういった出品が見向きもされないようになるのが好ましいだろう。

 なお、スイッチ2は前回と同じかそれ以上に長く現役を務めると考えられる。昨今はゲームハードの寿命がどんどん延びており、次々と新しいゲーム機が出るような状況ではない。

 それを考慮するとスイッチ2の普及を焦る必要はないのだが、それでも早めにユーザーの手元に届くほうがいいだろう。スイッチ2が購入できない人が多いと人気が落ち着いてしまう可能性があるからだ。

■当然ながら遊ぶべきゲームタイトルも必要

 筆者が実際にスイッチ2を触ってみた率直な感想としては、「正統進化であり驚きは少ない」といったところである。

 メインメニュー画面はほぼそのままだし、新しいゲームタイトルもそこまで数がない。もちろんスペックが上がっているので快適にゲームを遊べるし、液晶もより綺麗で大きくなった。コントローラーも改善されており、手触りすら良い。ただ、驚くような変化は特にないのである。

 同時発売の目玉タイトルである『マリオカート ワールド』は相変わらず楽しいパーティーレースゲームで、新しいアクションやアイテムが追加されていて素直におもしろい。ただ、広大な世界で自由に走れるオープンワールドの遊びはおまけ的な内容で、劇的な変化は感じられていないのだ。

 いつもの任天堂ゲーム機であれば、新しい機能のデモンストレーションとなるゲームを同時発売するのだが、今回はそれもないようなものである(『Nintendo Switch 2 のひみつ展』といったタイトルはあるが、あくまでテックデモの範疇である)。

■今後のタイトルラインナップに期待

 スイッチ2は大人気だが、やはりタイトルが圧倒的に不足している。同時発売タイトルはほかのゲーム機でも遊べる移植が多く、直近に発売される目玉タイトルは7月の『ドンキーコング バナンザ』くらいである。

 前述のようにスイッチ2自体の普及が最優先であり、むしろ人気タイトルがどんどん出てしまうと人気が過熱しすぎてしまう懸念もある。とはいえ、結局のところ遊びたいゲームがなければスイッチ2の熱も落ち着いてしまうわけで、これからは計画的にタイトルラインナップを充実させなければならない。任天堂のタイトル発売計画がうまくいけば、スイッチ2の成功がどんどん大きくなるだろう。

 スイッチ2がおおむね普及した頃合いにさまざまなゲームタイトルが遊べるようになったうえで、かつ期待の新作が発表されるのがベターであろう。『スプラトゥーン』『ピクミン』『どうぶつの森』『星のカービィ』など任天堂の目玉タイトルはたくさんあるため、それらを定期的に発表できればこれから先も人気を維持できる。

 スイッチ2はまだ生まれたばかりであり、その魅力をすべて引き出しきれていない状況にある。ゲーム好きの手に渡り、さまざまな魅力的なタイトルが揃うときになってようやく、このゲーム機の真価が発揮されるのだ。その日をうまく迎えられることを望む。

🍎たったひとつの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、その名は名馬鹿ヒカル!🍏