給付vs消費税減税──どう違う?効果は? エコノミスト「一律給付なら選挙向けのバラマキに」「減税なら税収減のおそれも」

給付vs消費税減税──どう違う?効果は? エコノミスト「一律給付なら選挙向けのバラマキに」「減税なら税収減のおそれも」

夏の参議院選挙が近づく中、与野党が物価高対策をめぐってアピール合戦を繰り広げています。与党は現金などの給付を主張し、野党は消費税の減税や廃止を掲げています。どう違うのか、財源や効果は─? エコノミストへの取材も踏まえて比較します。

■党首討論で「物価高対策」めぐり論戦

藤井貴彦キャスター

「皆さんのお財布に関わる話です。与党側は夏の参議院選挙に向けた公約に、物価高対策として現金などの給付を盛り込む方針です。この給付をめぐって、11日の党首討論で論戦が繰り広げられました」

立憲民主党・野田代表

「自民党・公明党は給付金を数万円単位、数兆円単位ですか、ということを公約に掲げるそうですけどね。秋の補正ではそうした給付金をバラマキをするというやり方じゃないですか」

石破首相(自民党総裁)

「(野党が提案する)消費税の減税は、先ほど申し上げたように時間はかかります。コストもかかります。社会保障の財源どうするのだ、ということに答えがありません」

■参院選を前に「アピール合戦」

藤井キャスター

「与党が給付を掲げる一方で、野党各党は消費税の減税や廃止を掲げていて、参議院選挙を前に物価高対策をめぐってアピール合戦となっています。お金をもらう『給付』か、払うお金を減らす『消費税減税』か。何がどう違うのでしょうか?」

■負担軽減どれほど?…各党の主張

小栗泉・日本テレビ報道局特別解説委員

「物価高対策として与党は現金などの給付、野党は消費税減税を柱としています。まず与党側について。詳しい設計はまだこれからだとしつつも、ある自民党幹部は『一律で全員に給付した場合は2万円ほどになるだろう』としています」

「一方、野党側は期限付きとする政党もありますが、立憲と維新は食料品の消費税ゼロ、国民と共産は消費税の一律5%への引き下げ、れいわは消費税の廃止をそれぞれ主張。立憲は、消費税減税が実現するまでのつなぎとして、1人あたり2万円を給付するとしています」

■財源どうする? 景気対策の効果は?

井キャスター

「主張している内容は分かりますが、その財源はどうするのでしょうか?」

小栗委員

「与党は想定よりも多く納められた税収の上振れ分を還元するとしていて、新たな財源の確保は必要ないという姿勢です」

「一方、立憲は政府の基金などを充てるとしていますが、具体的な金額は示されていません。また国民は財源として、新たな国の借金となる赤字国債も選択肢だとしています」

板垣李光人さん(俳優・『news zero』水曜パートナー)

「この物価高対策に限らずですが、選挙前になると様々な議論が活発になる印象があります。ただ、それは選挙前に関係なく日常的に行われるべきものなのではないかな、というところはあります」

藤井キャスター

「実際のところ、それぞれどのぐらいの効果があるのでしょうか?」

小栗委員

「日本経済に詳しい野村総研の木内登英さんに聞きました。給付については『GDPを押し上げる効果はある』とするものの、『一時的に給付しても貯蓄に回る割合が高く、景気対策の効果は大きくない』と指摘しています」

「物価高に危機感を抱いている低所得者向けにするべきだとして、『一律の給付にこだわるのであれば、選挙向けのバラマキになってしまう』と話していました」

「一方、消費税の減税について木内さんは『給付よりは景気対策の効果は高い』としつつも、『一度下げた税金は戻すハードルが高いので、そのままの税率が続くと中長期的には成長率が低下し、結果として税収減につながるおそれがある』と指摘しました」

藤井キャスター

「この物価高対策は、今後の選挙でも大きなテーマになるものと思われます」

(6月11日『news zero』より)

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