「Switch2」発売4日間で世界販売台数350万台突破 任天堂ゲーム機、過去最高の記録
任天堂は11日、5日に発売した新たなビデオゲーム機「Nintendo Switch 2」が、発売後4日間(6月5日~6月8日)で世界累計販売台数が350万台を突破したことを発表した。これは、任天堂のゲーム専用機の発売後4日間の世界累計販売台数として、過去最高となる。
『Nintendo Switch 2』は、大きくてなめらかな表現が可能な画面にマグネット式の新しいコントローラーであるJoy-Con 2を備え、パワフルな処理速度やグラフィック性能で、これまでにない新しい遊びや表現が可能になるNintendo Switchの後継機種。
また、『Nintendo Switch 2』の新機能の一つである「ゲームチャット」では、Joy-Con 2 についたCボタンを押すことで、ゲーム中にいつでも、離れた場所にいるフレンドとボイスチャットやビデオチャットを始めることができる。
任天堂は、1889年に花札の製造・販売で創業して以来、娯楽に関わる商品を世に提供。1983年にファミリーコンピュータを発売して以降は、Nintendo Switch 2 を発売する現在にいたるまで、主にゲーム専用機のハードウェアおよびソフトウェアを開発・製造・販売している。
これまで、世界中で8億6000万台以上のハードウェアと、59億本以上のソフトウェアを送り出し、ハード・ソフト一体型の展開を通じて、マリオ、ドンキーコング、ゼルダの伝説、メトロイド、カービィ、どうぶつの森、ピクミン、スプラトゥーン等を生み出してきた。
任天堂は改めて、「今後も関わる『人々を笑顔にする』ことを目指して、ゲーム専用機を中心とした『任天堂IPに触れる人口の拡大』を基本戦略に、『独創的な娯楽』を世界中のお客様へご提供することに挑戦し続けます」としている。
Switch 2、英国で任天堂史上最速の販売ペースを記録 ただしPS5とXbox Series X|Sの初動には届かず
販売初期のデータから、英国においてNintendo Switch 2が任天堂史上最速ペースで売れたコンソールとなり、これまで記録を保持していたニンテンドー3DSを上回ったことが判明した。
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とはいえ、米国の市場調査会社NielsenIQのデータによると、英国におけるSwitch 2の初動の売り上げは、同国におけるPS4、PS5、Xbox Series X|Sの売り上げよりも少ないという(The Game Businessより)。
Switch 2の合計販売台数はまだ公開されていないが、ニンテンドー3DSが2011年に英国で販売した11万3000台を上回ることになるだろう。実際、供給に制限があった初代Switchの2倍以上であると伝えられている。こちらは2017年に8万台超を販売していた。
英国では、初代SwitchおよびWiiの発売時に在庫不足に見舞われ、一部の消費者は購入に至るまで何週間も待ったが、任天堂はSwitch 2で同様の事態に陥ることを防いだ。
ではなぜ、Switch 2は英国において、PS4やXbox Series X|S、さらには発売後数カ月間にわたって深刻な在庫不足に直面したPS5を上回ることができなかったのだろうか。The Game Businessによれば、英国はソニーとマイクロソフトのコンソールの人気が高いため、以前から任天堂にとって比較的厳しい市場であるという。
3つの主要プラットフォームすべてにおいて所有率が高いということは、ソニーやマイクロソフトのコンソールよりも任天堂のほうが明らかに有利なほかの国々(日本)や、PlayStationがXboxに対して大きく差をつけている国々と比べて、マーケットシェアがより分断されているということだ。
また、英国におけるSwitch 2の価格にも注目したい。本体のみで395.99ポンド(約7万7000円)、マリオカート ワールドセットで429.99ポンド(約8万4000円)と比較的高くなっている。
先日、販売に関する内部情報を知る著名な人物が、フランスにおけるSwitch 2の未確認の市場データを公開したことがWccftechで報じられた。これによると、フランスでは初動で20万台を販売しており、これまで最速ペースを記録していたPS5を超えたという(その後情報が修正され初動で16万9000台販売とされた)。さらに、『マリオカート ワールド』はマリオカート ワールドセットを含めて16万本以上を販売し、今年最大規模を記録したとのことだ。
任天堂は、2026年3月31日までの今年度で、全世界におけるSwitch 2の販売台数を1500万台、ゲームの販売本数を4500万本だと見込んでいた。一部のアナリストは、この数字を「控えめ」だとしている。任天堂によれば、初代Switchと同等のローンチを目指すとのことだ。
【解説】「スイッチ2」の世界出荷数350万台突破 三つのポイント
任天堂は、新型ゲーム機「Nintendo Switch 2(ニンテンドースイッチ2)」の世界出荷数が4日間(6月5日~8日)で350万台を突破したと発表しました。任天堂のゲーム専用機として過去最高の売れ行きで、多くのメディアも記事にしていますが、「良くわからない」という人もいるかもしれません。そこで理解の参考になる記事を紹介しながら、三つのポイントを挙げてみます。
ココがポイント
「Nintendo Switch 2」について、発売後4日間(6月5日~6月8日)の世界累計販売台数が350万台を突破
出典:任天堂 2025/6/11(水)
英国におけるSwitch 2の初動の売り上げは(略)PS4、PS5、Xbox Series X|Sの売り上げよりも少ない
出典:IGN JAPAN 2025/6/11(水)
任天堂の2025年3月期連結決算が発表(略)「ニンテンドースイッチ2」の年間出荷計画(~2026年3月)が1500万台
出典:河村鳴紘 2025/5/9(金)
エキスパートの補足・見解
一つ目のポイントは「4日間で350万台」の売れ行きは、驚異的ということ。初代スイッチ(約3万円)の出荷数が1カ月弱で274万台、ソニーの「PS5」(当時は約4万円~)は50日間で450万台でした。一部の報道で出ていた「600~800万台」の予測は、外れたものの、任天堂が多くの在庫を抱えていたことが分かります。ともあれ、お手頃感を“武器”にしてきた任天堂のゲーム機が、約5万円(約500ドル)の価格でこれだけ売れたのは自信になるはずです。
二つ目は、海外の売れ行きは、日本とは差があること。日本で人気爆発のスイッチ2ですが、日本は価格の優遇があります。一方で、海外では抽選をせずに購入でき、英国では、PS5やXbox Series Xの初動の売れ行きの方が上という報道もあります。
三つ目は、この勢いが持続するかです。経済的に依然として厳しいといわれる日本ですが、高めの価格をものともせず、最大商戦の年末年始で売れるか。そして初年度出荷計画の1500万台を達成し、数字を上積みできるか。仮に普及スピードが鈍化しても、任天堂は多くのキラータイトルを抱えていて、その発表でも流れを変える力があります。今後も注目です。