AppleはiPhoneにWindows Vistaを導入した!? SNSで話題になった理由
米Appleが6月9日(現地時間)に開発者向けイベント「WWDC25」で発表した新OS群のデザインが、かつてのWindows Vistaを思わせるとSNSなどで話題になっている。「Liquid Glass」と呼ばれる新UIが、半透明の質感になっていたことが大きい。
Liquid Glassは、Appleが秋にリリースする「macOS 26」「iOS 26」など6つのOSに共通して採用したユニバーサルデザイン言語。ガラスの光学的な性質を再現し、奥行きや躍動感を生み出す。
例えば、画面内にある文字が周囲の光を反射し、下に見えるコンテンツを透過しながら光を屈折させる。スライドバーのつまみが液体のようにぽよぽよ動く。
Appleでヒューマンインタフェースの開発を担当するシニアディレクター、Billy Sorrentinoさんは「かつてないアップデート。大きな転換点になる」とLiquid Glassをアピール。見た目だけではなく、高い応答性も実現しているという。
この透過するインタフェースは、多くの人にかつてのWindows Vistaを思い出させたようだ。Windows Vistaは、2006年に米MicrosoftがリリースしたOSで、「Windows Aero」と呼ばれるデザイン言語を採用。透過ウィンドウなど、当時としてはリッチな視覚効果を実現していた。Windows Aeroは09年登場のWindows 7にも継承された。
海外のSNSでは「Liquid Glassはスマホ時代のVista」「AppleがiPhoneにWindows Vistaを導入した」「AppleはWindows Vistaを革新して“Aero Glass”(Liquid GlassとWindows Aeroを勝手に組み合わせた造語)を作った」などと話題に。Liquid GlassとWindows Aeroの画像を並べる人も多い。
もっともWindows Vista登場時は、GPUのパワーをUIに消費されることを嫌い、視覚効果をオフにする人も多かった。一方でAppleのBilly Sorrentinoさんは、Liquid Glassを実現できた理由の一つに「ハードウェアの驚くべき進化」を挙げている。Windows Aeroの登場は、20年ほど早かったのかもしれない。
「iOS 26」正式発表 12年ぶりにデザイン刷新、“液体ガラス”のようなUIに
米Appleは6月9日(現地時間)、同社の開発者向けイベント「WWDC25」において、「iOS」を始めとするOS群のアップデートを発表した。2025年秋の正式提供を予定する。各OSのバージョン表記が統一され、次期iOSは19ではなく26になるという。また、ソフトウェアデザインを2013年の「iOS 7」から刷新、新デザイン言語「Liquid Glass」を採用する。
Liquid Glassは、iOS 7から続くフラットデザインの後継にあたるもので、ボタンやメニューといったUIオブジェクトが、文字通り"液体ガラス"のような半透明素材のテイストに置き換えられる。iOSだけでなくiPadOS、macOS、watchOS、visionOS、tvOS全てでUIデザインをLiquid Glassに統一する。
iOS 26では、カメラアプリや写真、電話、Safari、FaceTime、マップ、Apple Music、Apple Wallet、CarPlayなどもLiquid Glassベースに刷新。UIだけでなくアプリもアップデートする。
同社のAI「Apple Intelligence」を拡充。電話、メッセージ、FaceTimeに「ライブ翻訳」を実装、テキストと音声をリアルタイムで翻訳。メッセージを直接相手の言語に変換して送信することも可能だ。生成AIを使った絵文字「Genmoji」を合体させて新しい絵文字を作る「Mix emoji」も利用できる。
カメラや画像などを処理できるVisual Intelligence機能も強化。あらゆるアプリの画面上の内容を検索・操作できる他、店舗や運送業者からのメールから注文追跡情報を自動特定・要約する機能なども追加する。
電話アプリは統一レイアウトを採用。ライブ留守番電話がアップデートし、通話スクリーニング機能を搭載する。担当者が電話に出るとユーザーに通知する保留アシストも搭載する。メッセージアプリでは、不明な送信者からのメッセージを専用フォルダに表示してスクリーニングできる機能を追加する。
CarPlayは着信表示が新しくコンパクトになり、次の経路などの重要情報を隠さずに通知できる。メッセージにTapbackやピンで固定したチャット機能を導入し、ウィジェットとライブアクティビティで運転中の情報把握が容易になるという。これらのアップデートはCarPlay Ultraにも導入される。
Apple Musicでは歌詞の翻訳でお気に入りの曲の歌詞を理解できるようになるほか、歌詞の発音ガイドで言語を問わず歌うことができる。また、AIがDJのように曲を自然に繋いでミックスを生成する「Auto Mix」機能を用意する。
マップでは訪問した場所の記録機能と、オンデバイスAIによる日常経路の理解・提案機能を提供。ウォレットでは、Apple Pay使用時の分割払いやポイント支払い選択、搭乗券のリアルタイム更新をライブアクティビティで確認・共有できる機能を追加する。
AirPods 4、AirPods Pro 2向けに、「声を分離」のメリットを生かしたスタジオ品質をうたう音声録音に対応。iPhone、iPad、Macユーザーは高音質録音/クリアな通話が可能。AirPodsの軸部分を長押しして、iPhone/iPadで写真撮影、動画撮影の開始・停止ができるリモート機能を追加する。
iOS 26は同日よりApple Developer Programでテスト提供を開始し、来月にApple Beta Software Programでパブリックベータ版を提供する。対応モデルはiPhone 11からとなり、iPhone XSなどは動作対象外となった。
Appleの新OSデザイン「Liquid Glass」で、往年の“Windows Vista”を思い出す人が続出
Appleが今秋にリリースする次期OS(iOS 26/iPadOS 26/watchOS 26/tvOS 26/macOS 26/visionOS 26)で、新デザイン「Liquid Glass」が採用される。Xでは発表直後から「Windows Vista」を思い浮かべる人が続出しているようだ。
新しいLiquid Glassは、ガラスのような光沢や透明感が再現されたデザインで、環境に合わせて色が変化したり、背後にある画像やウィンドウが透ける見た目を採用している。
AppleはvisionOSで初めて採用した同デザインを改良し、その他のAppleデバイスにも統一感を持たせる狙いがあるようだ。
Appleの発表直後から、Xでは海外ユーザーを中心に、同じくすりガラスのような透明感があるデザイン「Aero Glass」を採用していたWindows Vista(2007年)のようだと言及する人が目立った。
Windows Vistaが登場した2007年当時はPCのグラフィックスのスペックが今ほど高くなかったため、動作パフォーマンスを優先させるために透明なデザインを停止させるカスタマイズが人気だった。iPhoneのような小さなデバイスで、当時よりも高度な透明デザインのUIが余裕で動作することに隔世の感がある。