証券口座乗っ取り被害急増 不正売買は約3000億円にも…乗っ取られた被害者「頭が真っ白に」
今、パソコンやスマートフォンで利用しているネット証券の口座が乗っ取られる被害が急増しています。
コツコツと買いためた株が突然、見知らぬ株に…
複数の被害者を取材すると、犯行の悪質な実態が明らかになりました。
【証券口座を乗っ取られた人】「私が持っていた株が全て売られていまして。マイナス480万円ぐらいになりまして。率直に頭が真っ白になりました」
株の運用で思いもよらぬ大損失。
大阪府内に住む30代の男性を絶望の淵に突き落としたのが、最近相次いでいる「証券口座乗っ取り」です。
■証券口座の乗っ取り被害は先月「2700件以上」と急増
証券口座を乗っ取られ、不正に取引きされた被害はことし1月には30件程度しかありませんでしたが、先月は2700件以上と急増。不正に売買された金額は約3000億円に上ります。
貯蓄から投資へ。「NISA」制度の拡充など、国が積極的に投資を呼びかける今、組織的な犯罪グループが証券口座を狙っているとみられます。
その手口とは一体どういったものなのか。
■「乗っ取り被害」の仕組みとは
「乗っ取り被害」の仕組みを解説します。
犯罪グループはあらかじめ株価が安く、値動きが少ないA社の株式を大量に購入。その後、不正アクセスで被害者の口座を乗っ取り、被害者が元々保有していた株式を勝手に売却します。そして、売却して得た資金をもとにA社の株式を大量購入。
同じことを複数の被害者に対して行い、株価がつり上がったタイミングで、犯罪グループが事前に買っていたA社株を一気に売却します。
巨額の利益を得る代わりに、被害者の手元には価格が暴落したA社株だけが残ります。
■中国の株を購入され、480万円もの大損失に。
30代の男性も自宅の購入資金などに充てるため、大手企業の株式など1000万円近くの資産が証券口座にありましたが…
【証券口座を乗っ取られた人】「それがすべて使用されて中国の『声揚集団』という株を約960万円分購入されました。全く身に覚えが無かったです」
男性は証券会社に問い合わせましたが、回答は以下のようなものでした。
【証券口座を乗っ取られた人】「(証券会社の担当者から)『売ったら私の方が中国の株を買い付けたとみなします』と言われて、そういった事情からずっと保有した状態になってます。今でいうとマイナス480万円ぐらいになりまして、正直腹立たしいです」
480万円もの大損失に。男性は被害にあっても将来への不安から投資はやめないと話します。
【証券口座を乗っ取られた人】「やっぱり続けないと、年金もちゃんともらえるかもわからないですし、老後2000万円問題とか言われているので」
■乗っ取り被害も「すぐ売却」で損失出ず 利益も
多額の被害を出す人がいる一方で、取材を進めると口座が乗っ取られたものの運よく損失を出さなかった人に会うことができました。
なぜそのようなことが起きたのか。
【父親が被害にあった男性(30代)】「意図せず何者かに勝手に株が売られていて(父親から)見ず知らずの株を勝手に買われてると。どうしたらいいっていう連絡が来たのが最初です」
今月14日、男性の父親が保有していたトヨタなどの株式およそ2600万円分が勝手に売却され、通販会社の株式を購入されていました。
【父親が被害にあった男性30代)】「238円・239円で、(通販会社の株式を)買われてます。たまたま翌日朝すぐ被害に気づいて260円台で売ることができたので損失は出ずにむしろ利益が出た」
なんと、乗っ取りの被害にあったものの気が付いたあとすぐに売却したためおよそ200万円の利益を得たのです。
【父親が被害にあった男性(30代)】「少しでも被害に気づくのが遅くなって売るのが間に合ってなかったら値が下がった状態で売らざるをえなかった。ざっくり1000万の損害をこうむる可能性があった」
紙一重で損失を免れた男性の父親はこう話します。
【父親(60代)】「ネット証券は果たして安全なのかどうか、ちゃんとした人が対応してくれる銀行の方がいいんじゃないかなと」
■日本証券業協会が被害補償へ 大阪の証券会社「足並み揃えていくしか」
証券会社は当初“被害補償をしない方針”でした。
しかし、被害拡大を受けて今月2日、日本証券業協会が一転、被害者に一定の補償をする方針を明らか。
この状況について、苦しい胸の内を私たちに明かしたのは大阪市中央区に本社を構える「光世証券」です。
(Q全額の被害補償はされるのか?)
【光世証券 石川卓也取締役】「協会さんも含めていま全部いろいろなパターンやってますんで、多分そこに足並み揃えていくしかないので…」
被害には足並みを合わせて対応するとした一方で、利用客へとの向き合いの中で苦労している現状があると語ります。
【光世証券 石川卓也取締役】「被害に遭っている代表的なネット証券も基本的に多要素認証、生体認証含め、ほぼすべて完璧に持っている。お客様の考え方次第で何を優先されるのか。セキュリティーなのか、スピードなのか。これまではスピード優先という形で、(お客様がセキュリティを)使っていないのが大半だったと思います」
この会社は現時点で被害は確認されていませんが、今後、厳しいセキュリティ設定の義務化も検討しているということです。
勝手に中国株を購入され大損失『証券口座乗っ取り』被害急増 不正売買は約3000億円にも…乗っ取られた被害者「頭が真っ白に」〈カンテレNEWS〉
今、パソコンやスマートフォンで利用しているネット証券の口座が乗っ取られる被害が急増しています。
コツコツと買いためた株が突然、見知らぬ株に…
複数の被害者を取材すると、犯行の悪質な実態が明らかになりました。
【緊急】証券口座“乗っ取り”急増!今すぐ対策を!!3ヶ月で1000億円の不正取引が発生中..まだまだ増えている!
先月楽天証券で発覚した不正アクセス事件。
今とんでもない事になっています
金融庁が4月18日に発表した内容によると
✅ 被害件数:たった2ヶ月で20倍に増加
✅ 不正取引の総額:3ヶ月で1000億円近く
✅ フィッシング詐欺に気を付けていても被害に!
ということでこの動画では今何が起こっているのか
どう対策すべきなのかを紹介します!
自分のお金を守るためにもしっかり対策してください!
インターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引による被害が急増しています
実在する証券会社のウェブサイトを装った偽のウェブサイト(フィッシングサイト)等で窃取した顧客情報(ログインIDやパスワード等)によるインターネット取引サービスでの不正アクセス・不正取引(第三者による取引)の被害が急増しています。
2025年1月 | 2025年2月 | 2025年3月 | 2025年4月 | 合計 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
不正取引が発生した証券会社数(社) | 2 | 2 | 5 | 9 | ー | ||
不正アクセス件数 | 65 | 43 | 1,420 | 4,852 | 6,380 | ||
不正取引件数 | 39 | 33 | 687 | 2,746 | 3,505 | ||
売却金額 | 約0.8億円 | 約1億円 | 約129億円 | 約1,481億円 | 約1,612億円 | ||
買付金額 | 約0.7億円 | 約0.6億円 | 約128億円 | 約1,308億円 | 約1,437億円 |
※1 金融庁が現時点で各証券会社から報告を受けた数値を合計した暫定値であり、まだ判明していない不正アクセスや不正取引が存在する可能性があることに留意。
※2 売却金額及び買付金額は、不正アクセスが行われた口座(被害口座)内における不正取引の金額を合計したもの(同一口座内で不正取引が繰り返された場合、売買金額が累積)。
※3 不正取引の態様は様々だが、多くの場合、不正行為者が不正アクセスによって被害口座を勝手に操作して口座内の株式等を売却し、その売却代金で国内外の小型株等を買い付けるというもの。不正取引の結果、被害口座には当該国内外の小型株等が残ることになる。表中の「売却金額」「買付金額」はこのような不正な売却・買付代金の総額を示したものであり、当該金額は、不正取引により生じた顧客の損失額と一致しないことに留意。
ログインID・パスワード等の窃取、不正アクセス・不正取引の被害はどの証券会社でも発生し得るものであるため、こうした被害に遭わないためには、証券会社のインターネット取引サービスを利用しているすべての方において、改めて次のような点にご留意ください。
見覚えのある送信者からのメールやSMS(ショートメッセージ)等であっても、メッセージに掲載されたリンクを開かない。
利用する証券会社のウェブサイトへのアクセスは、事前に正しいウェブサイトのURLをブックマーク登録しておき、ブックマークからアクセスする。
インターネット取引サービスを利用する際は、各証券会社が提供しているセキュリティ強化機能(ログイン時・取引実行時・出金時の多要素認証や通知サービス)を有効にして、不審な取引に注意する。
※ 多要素認証:認証において、知識要素(PW、秘密の質問等)・所持要素(SMSでの受信や専用トークンで生成するワンタイムコード等)・生体要素(指紋、静脈等)のうち二以上の要素を組み合わせること。同一要素を複数回用いる多段階認証よりもセキュリティが強いとされる。
パスワードの使いまわしをしない。推測が容易な単純なパスワードを用いない。数字・英大小文字・記号を組み合わせた推測が難しいパスワードにする。
こまめに口座の状況を確認(※)するとともに、不審なウェブサイトに情報を入力したおそれや不審な取引の心配がある場合には、各証券会社のお問い合わせ窓口に連絡するとともに、速やかにパスワード等を変更する。
※ ログインする際は2.に留意し、ブックマークから正しいウェブサイトにアクセスする。
また、フィッシング詐欺のみならず、マルウェア(ウイルス等)による情報窃取の被害を発生させないためには、PC・スマートフォン等のソフトウェア(OS等)を最新の状態にしておくとともに、マルウェア(ウイルス等)対策ソフトを導入し、常に最新の状態に更新することが有効な手段となります。
- 証券会社のインターネット取引サービスを利用する際にご注意いただきたい事項として、日本証券業協会による注意喚起もご確認ください。