若年層も注意!「人や物の名前が出てこない…」もしかしたら“スマホ認知症”かも…原因は「スマホの使い過ぎ」?
皆さん、「おとといの夕飯に何を食べたのか」パッと思い出せますか?すぐに出てこない人は、スマホの使い過ぎによる“スマホ認知症”かもしれません。
■「認知症」と「スマホ認知症」の違いとは?
井上貴博キャスター:
毎日のようにスマートフォンを触っている人は多いのではないでしょうか。
「認知症」と「スマホ認知症」には違いがあります。
「認知症」とは、情報を脳にインプットすることができなくなっていく。「海馬」と呼ばれる部分が萎縮していってしまうので、情報を取り入れることができなくなる。つまり、記憶ができない状態です。
一方で、「スマホ認知症」とは、スマートフォンを目的もなく見ていると、情報がどんどん脳に入ってきます。その膨大な情報に脳が疲れてしまうことにより、今度は情報を取り出すことができなくなってしまう。
記憶している、覚えている。しかし、その引き出しがどこにあるのかが分からない、引き出しから取り出せなくなってしまうというのが「スマホ認知症」です。
■10項目で分かる「スマホ認知症」の危険度チェックリスト
「“スマホ認知症” 危険度チェックリスト」という10項目のチェックリストがあります。
【“スマホ認知症” 危険度チェックリスト】おくむらメモリークリニックの奥村歩理事長によると
(1)スマホが手元にないと不安
(2)トイレや風呂にスマホを持ち込む
(3)スマホがないと眠れない
(4)通知音・バイブの空耳がする
(5)人・ものの名前がすぐに出ない
(6)気の利いた言葉が出てこない、相手の返答に困る
(7)仕事や家事の効率が悪くなった
(8)仕事・家事・育児など、考える事がたくさんある
(9)心配性である
(10)睡眠不足
スポーツジャーナリスト・大阪芸術大学教授 増田明美さん:
そもそも私はいまだにガラパゴス携帯なんです。ガラケーとパソコンだけで生活しているので、(1)〜(4)など、当てはまらないものが結構ありました。
井上キャスター:
ガラケーの人は(スマホ認知症)になりづらいのでしょうか。
スマホ認知症に詳しい 内野勝行さん:
そうですね。増田さんの手元を見ると、凄まじいメモを書いています。やはり「アウトプット」をきちんとしているのが、記憶の一番のポイントかなと思います。スマホにしても、おそらく認知症になりにくいのではないかと思います。
井上キャスター:
脳に膨大な情報が入ってきても、アウトプットをしっかりとしている人は、スマホ認知症になりにくいのでしょうか?
スマホ認知症に詳しい 内野勝行さん:
そうです。スマホは悪ではなく、自分できっちりと主体的に情報を取ろうとすれば有益なツールです。
漫然と、何も考えずに見てしまう。これによって、脳が「情報のゴミ屋敷状態」になるのが「スマホ認知症」です。そのため、きっちりとした主体性をを持って使えば大丈夫です。
■若い人は要注意 生活に支障が出ている危険な3つの項目
井上キャスター:
「“スマホ認知症” 危険度チェックリスト」で、特に注目すべきところはありますか。
スマホ認知症に詳しい 内野勝行さん:
数が多いのはもちろん危険です。そして(5)人・ものの名前がすぐに出ない、(7)仕事や家事の効率が悪くなった、(10)睡眠不足、にチェックが入っている人です。
他のチェック項目は精神的なものなどがあるのですが、(5)(7)(10)は生活に支障が出てくる“危険なチェック項目”となっています。特に年齢が若い人は要注意かもしれません。
高柳光希キャスター:
(7)の仕事や家事の効率が悪くなった、について、仕事ではなくて家事ですが、少し効率悪くなっているかなと思う時があります。例えば、料理中に一緒に洗い物ができていないなど、とっ散らかっちゃうことが多いです。
井上キャスター:
(スマホ認知症になると)マルチタスクができなくなることはあるんですか。
スマホ認知症に詳しい 内野勝行さん:
特にスマホ認知症で気をつけたい部位は、前頭葉という場所です。段取りを立てて行動するという場所になりますから、とっ散らかっちゃうのは少し危険な兆候かもしれません。
■脳内がごみ屋敷に スマホ認知症が進むと…
井上キャスター:
脳内がごちゃごちゃの状態。「ゴミ屋敷状態」という話もありましたが、おくむらメモリークリニック 奥村歩理事長によると、スマホ認知症が進んでいきますとこのような症状が出てくるといいます。
▼「言葉が出てこない」コミュニケーション能力低下してしまう
▼「脳内が覚醒状態」ぐっすり眠れなくなる
▼「やる気が出ない」不健康な生活になってしまう
■長時間はNG コンパクトな昼寝が予防策
井上キャスター:
予防と改善をするには、どうすればいいのでしょうか。金町駅前脳神経内科の内野勝行院長によると…
・スマホを見ずに、知らない道を散歩
・キャンプやサウナなど、デジタルデトックス
・脳の疲労回復として昼寝
脳に刺激をということだと思いますが、昼寝でもいいのでしょうか。
スマホ認知症に詳しい 内野勝行さん:
はい。記憶は寝ている間にしっかりと整えられます。特に夢もそうです。夢はいろいろなものを整理している状態ですので、昼寝もしっかりとリセットするにはとてもいいですね。
情報を一旦整理する。一番疲れる昼に脳を休ませてあげるのは、認知症予防にはとてもいいです。
昼寝は1時間以内と、コンパクトにしていただきたいです。1時間半〜2時間寝てしまうと、夜の睡眠時間に影響が出てしまうと言われています。そのため、できれば40〜50分とコンパクトにしていただくと、夜の睡眠にも影響されなくて済みます。
スポーツジャーナリスト・大阪芸術大学教授 増田明美さん:
サウナもいいんですね。
スマホ認知症に詳しい 内野勝行さん:
ドーパミンを出すというのが脳にとって一番のご褒美ですので、サウナみたいに自律神経を整えるというのは非常にいいことです。
井上キャスター:
ドーパミンをどのように出すのかを考えればいいのでしょうか。
スマホ認知症に詳しい 内野勝行さん:
ご褒美には、スマホを主体的に使うといいので、ドーパミンを出してあげるために使うということです。
出水麻衣キャスター:
どのようなコンテンツがいいとかはありますか。
スマホ認知症に詳しい 内野勝行さん:
ご自身に興味があって、ある程度ダラダラとしなくても、しっかりと時間を区切って見ることができるコンテンツが一番いいかなと思います。
井上キャスター:
アプリケーション側としては、ある程度、ダラダラしながら見てもらうように設定していると思うのですが、一体どうすればいいのでしょうか。
スマホ認知症に詳しい 内野勝行さん:
タイマーとかをかけていただいて、「ここまでだよ」としっかりと自分に言い聞かせて頑張ると。
出水キャスター:
実は、井上さんのチェックリストがひどい結果なんです。(1)〜(5)(8)(10)と、10項目中7つにチェックが入っています。
「(4)通知音・空耳がする」にチェックが入っているのは少し危険ですよね。
スマホ認知症に詳しい 内野勝行さん:
依存症の域に入っていますので、気をつけていただいて、隣の部屋に置くなど、少しスマホを離したりした方がいいですね。