トランプ氏に警告 「数年で深刻な問題に」世界三大投資家ロジャーズ氏
取引をまとめるための道筋を立てられるのでしょうか。ワシントン入りした赤沢亮正経済再生担当大臣はあす、トランプ関税を巡る2回目の日米交渉に臨みます。
■ベッセント氏とは?投資家ロジャーズ氏語る
毅然とした表情でワシントン近郊の空港に姿を表した赤沢大臣。記者からの質問に足を止めて答え、交渉への意気込みを語りました。
赤沢大臣
「ウィンウィンの関係になるような、そういう合意に向けてできる限り前進したいという考え」
日本の前に立ちはだかるのは、トランプ大統領から日本との交渉担当を任命されているスコット・ベッセント財務長官です。
ベッセント長官は、投資家としておよそ700億円の資産を保有し「ウォール街で最も頭の切れる男」と評されます。
世界三大投資家 ジム・ロジャーズ氏
「彼はよく働いていましたし、熱心に一生懸命学ぼうとしていました」
こう語るのは、若きベッセント氏を指導していた世界三大投資家のロジャーズ氏です。
イエール大学在学中、ベッセント氏はジャーナリストを志していたといいますが…。
ロジャーズ氏
「彼はジャーナリストの分野について詳しくなく、私のところに来ました。私はすでにイエール大学を卒業していたので、彼にインターンの機会を与えました。彼はいろいろな雑用をしていましたよ」
後に頭角を現すベッセント氏を金融の世界へ導いたロジャーズ氏。若きベッセント氏は、とにかく好奇心が旺盛だったと振り返ります。
ロジャーズ氏
「とても熱心でした。何も知らなかったけれど、熱意はありました。彼は頭が良くて、勤勉な青年だったということは覚えています」
かつての弟子がカギを握る日本との関税交渉。ロジャーズ氏は、今後の世界をどう見ているのでしょうか?
ロジャーズ氏
「今後数年で世界は深刻な経済問題に直面すると思います。アメリカを良くしようという考えは素晴らしいと思いますが、他国の状況が悪化すれば、それは結局アメリカにとっても悪いことになりますから」
ロジャーズ氏の分析は、早くも現実のものとなっています。
■コメ農家の不安「アメリカへの輸出断念も」
きのう発表されたアメリカの今年1月から3月までのGDP=国内総生産の伸び率は、年率に換算してマイナス0.3%。前期のプラス2.4%から大幅に減速して、3年ぶりのマイナス成長となりました。
これに対し、トランプ大統領はこう話しました。
トランプ大統領
「いくつかの数値を目にしたかもしれませんが、マイナス成長はバイデンのせいです。トランプのせいではありません。なぜなら、私たちは1月に就任したばかりだから」
2日に行われる2度目の日米関税交渉に気をもむ男性がいます。
エコ・ライス新潟 豊永有代表
「はっきりしてほしい、もうそれだけ」
新潟県でコメの卸売りや加工を行う会社を経営しています。
10年ほど前からアメリカへのコメの輸出を始め、昨年度は売り上げ全体の7割を占めるおよそ130トンをアメリカに輸出していましたが…。
豊永代表
「もうゴーデンウィーク過ぎぐらいをタイムアップにしようと思う」
関税交渉の行方が不透明なら、大型連休明けから輸出先を、取引価格が下がるEUや台湾、シンガポールなどに変更します。
豊永代表
「(Q.価格下落してもやむなし?)仕方ないですよね、もうそれやむなしです。(輸出せず保管して)ビットコインとか金のように価値が上がるわけではないので。価値は下がっていく一方の食品なので」