自動車税・自動車重量税が13年経過で高くなる理由
ディーゼル車とガソリン車、LPG車の自動車税(種別割)と自動車重量税の税額が、初回新規登録から一定年数の経過で高くなるのは、地球温暖化対策と大気汚染対策を目的とした重課措置がとられているのが理由です。
なお、ハイブリッド車や電気自動車、燃料電池自動車など、いわゆる環境負荷の低い「エコカー」は、初回新規登録から11年や13年が経過していても、重課措置の対象にはなりません。
エコカーには軽課措置制度が設けられている
一定の条件を満たすエコカーは、自動車税・軽自動車税(種別割)の税率が軽減されたり、自動車重量税が減免されたりといった「軽課措置」の対象になります。これは、環境性能の高い車への乗り換えを促す施策の一環として行われているものです。詳細は、次のようになっています。
・自動車税・軽自動車税(種別割)の税率軽減(グリーン化特例)
グリーン化特例は、電気自動車や燃料電池自動車、プラグインハイブリッド車など、排出ガス性能と燃費性能に優れた車が対象です。適用期間中に新規登録を行うと、ガソリン車またはLPG車の場合、一定の排出ガス基準を満たした上で、2030年度燃費基準90%達成かつ2020年度燃費基準を達成していれば、翌年度分の自動車税・軽自動車税(種別割)が概ね75%減、同じく一定の排出ガス基準を満たした上で、2030年度燃費基準70%達成かつ2020年度燃費基準を達成していれば、翌年度分の自動車税・軽自動車税(種別割)が概ね50%減になります。
・自動車重量税の減免(エコカー減税)
エコカー減税は、電気自動車や燃料電池自動車、プラグインハイブリッド車など、排出ガス性能と燃費性能に優れたエコカーが対象です。適用期間中に新規登録を行うと、車の性能に応じて、新車購入時や初回継続検査の際に納める自動車重量税が免除されたり、税率が軽減されたりといった軽課措置が受けられます。
なお、軽課措置を受けられる条件は、新規登録を行った時期によって変わるので注意が必要です。
愛車の自動車税(種別割)と自動車重量税が高くなる前に乗り換え検討を
自動車税(種別割)と自動車重量税は、車を持っている限り、継続して納めなくてはならない税金です。重課対象になると、車の維持費も増えてしまいます。
ご自身の愛車が重課対象になり、維持費アップが気になるのであれば、新しい車への乗り換えも検討してみてはいかがでしょうか。中でもエコカーは、税制優遇措置を受けられる上に自動車保険料が安くなる「エコカー割引」を実施している保険会社もあるので、維持費の総額を抑えられる場合があります。
三井住友海上では、契約車がエコカーなら保険料が割引になる「ECOカ―割引」が利用可能です。充実した補償プランの『GK クルマの保険』、はじめて車を持つ方におすすめの『はじめての自動車保険』、ドライブレコーダー付き自動車保険『見守るクルマの保険(ドラレコ型)』『見守るクルマの保険(プレミアム ドラレコ型)』など、多彩な自動車保険をご用意し、皆さまのカーライフをサポートしています。
自動車税と重量税は13年を超えると上がる!
日本では、年式の古い車に対して自動車税と自動車重量税が増税(重課)されます。その目的は「環境負荷の小さい車への乗り換え促進」です。地球温暖化や大気汚染が問題になる中、これまで政府は段階的に低年式車への重課制度を設けてきました。まず2001年には、環境負荷の大きい低年式車に対して自動車税を重課しました。また2010年と2012年の税制改正では、自動車重量税の税率を引き下げたものの、低年式車に関しては引き下げ前の税率を据え置きました。さらにその後、自動車税と自動車重量税の両方で低年式車への重課の上乗せ率を引き上げています。環境負荷の大きい低年式車に重課をする一方で、環境負荷の小さい車にはエコカー減税などの優遇措置を導入。こうすることで、政府は車のユーザーに環境負荷の小さい車への乗り換えを促しています。
「自動車税」は13年を超えた車が約15%増税
自動車税は、車の排気量に応じて課される税金です。毎年4月1日時点の車の所有者に納税義務が課され、5月頃に1年分をまとめて納税します。新規登録(軽自動車は新規検査)から13年を経過した4月1日以降は、普通車で約15%、軽自動車で約20%税額が重課されます。重課の対象となるのはガソリン車、LPガス車、ディーゼル車※です。ハイブリッド車や電気自動車など、環境負荷の小さい車は重課されません。
※ディーゼル車のみ11年経過で重課ガソリン車・LPガス車の現在の自動車税は以下のようになっています。(ハイブリッド車や電気自動車の場合は、13年経過以降も「13年未満の車」の税額が継続されます。)
ガソリン車・LPガス車 |
排気量 |
13年未満の車 |
13年以上の車 |
---|---|---|---|
軽自動車 |
660cc |
10,800円 |
12,900円 |
普通自動車 |
1000cc以下 |
29,500円 |
33,900円 |
1000cc超~1500cc以下 |
34,500円 |
39,600円 |
|
1500cc超~2000cc以下 |
39,500円 |
45,400円 |
|
2000cc超~2500cc以下 |
45,000円 |
51,700円 |
|
2500cc超~3000cc以下 |
51,000円 |
58,600円 |
|
3000cc超~3500cc以下 |
58,000円 |
66,700円 |
|
3500cc超~4000cc以下 |
66,500円 |
76,400円 |
|
4000cc超~4500cc以下 |
76,500円 |
87,900円 |
|
4500cc超~6000cc以下 |
88,000円 |
101,200円 |
|
6000cc超 |
111,000円 |
127,600円 |
※ 2015年4月1日~2019年9月末日までに新規登録した場合の税額で算出
上記の税額は2015年4月1日〜2019年9月末までに新規登録した車の場合です。2015年3月末までに新規検査をした軽自動車、2019年10月以降に新規登録をした普通車では、税額が上記金額より低く設定されています。
「自動車重量税」は13年・18年を超えた車が増税
自動車重量税は、その名の通り車の重量に応じて課される税金です。車検時に2年分(新規登録時は3年分)をまとめて納税します。自動車重量税は新規登録から13年を超えた時点で重課があり、18年を超えるとさらに重課されます。ここでいう「新規登録から13年」の定義は、普通車と軽自動車で異なります。普通車の場合は「新規登録年月から12年11ヶ月以降に車検を受けるタイミング」です。一方で軽自動車の場合は、「新規検査年から13年を経過した年の12月以降に車検を受けるタイミング」(離島は除く)です。例えば2022年6月に新規検査をした場合、普通車は2035年5月以降、軽自動車は2035年12月以降の車検のタイミングということになります。
自動車重量税(2年分、車検実施時) |
|||
---|---|---|---|
車両区分/車両重量 |
13年未満 |
13年経過 |
18年経過 |
軽自動車 |
6,600円 |
8,200円 |
8,800円 |
~500kg以下 |
8,200円 |
11,400円 |
12,600円 |
~1,000kg以下 |
16,400円 |
22,800円 |
25,200円 |
~1,500kg以下 |
24,600円 |
34,200円 |
37,800円 |
~2,000kg以下 |
32,800円 |
45,600円 |
50,400円 |
~2,500kg以下 |
41,000円 |
57,000円 |
63,000円 |
~3,000kg以下 |
49,200円 |
68,400円 |
75,600円 |
※エコカー減税対象車の場合は課税額が異なります。上記の金額は、エコカー減税の対象とならない場合の継続車検時の税額です。新規登録から13年を経過してからの重課割合は自動車税より遥かに大きく、約40%も重課されます。さらに、新規登録から18年を経過した車では、13年経過以降の税額より約10%重課されます。
増税(重課)の前に乗り換えた方がお得?
ここまでご紹介したように、新規登録から13年を経過した車両は自動車税や重量税が増税(重課)されます。また低年式車の場合、部品交換や修理などのメンテナンス費用もかかりやすいです。
車を売却する時のことを考えても、13年落ち以上の車は査定額が大きく下がります。場合によっては値段が付かないこともあるでしょう。こうした理由から、車の売却は増税前に行うことをお勧めします。
低年式車に対する税負担が大きい一方で、環境性能に優れたエコカーには様々な税制優遇があります。また年式の新しい中古車に乗り換えるだけでも、税負担の増加がなく、ガソリン代やメンテナンス費用を節約できるケースも多いです。
今後乗り換えを検討するのであれば、税金や燃費、安全性能なども考慮して車を選びましょう。