米国産米の輸入拡大案が浮上 関税交渉巡り 政府、来週にも提示検討
トランプ米政権との関税交渉を巡り、政府内で米国産米の輸入拡大案が浮上していることが分かった。政府は来週にも米国で赤沢亮正経済再生担当相とベッセント米財務長官らによる閣僚協議を開き、非関税障壁の見直しなどを盛り込んだ日本政府案を提示する構えで、米国産米の輸入拡大も盛り込まれる可能性がある。
日本は「ミニマムアクセス(最低輸入量)」として年約77万トンを輸入している。2024年度のミニマムアクセスのうち米国産は45%。そのうち主食用となるコメは通常とは異なる方式で国が業者と契約しており、米国産は57%だった。
主食であるコメの輸入拡大には農家の反発も予想されるが、昨年から日本国内ではコメの高騰が進んでいる。米国産のコメの輸入を拡大することは、物価高対策にもつながるため、政府内には「一石二鳥の方法だ」といった声もあり、ミニマムアクセスの輸入枠を拡大する案が検討されている。
16日(日本時間17日)の赤沢、ベッセント両氏らの会談では、米側から自動車の非関税障壁の緩和や農産物の市場開放などについて要求があった。
政府関係者によると、石破茂首相は米側の要求を受け、経済産業、農林水産、国土交通などの各省に対策の検討を指示。政府は今週中にも米側に提示する案をまとめる方針という。
アメリカで米5キロ2100円 日本より安い「価格逆転」の驚き
昨夏の「令和の米騒動」から高止まりする日本の米価を巡り、在米日本人から驚きの声が上がっている。歴史的な物価上昇(インフレ)に見舞われている米国内で買うコメの方が割安なためだ。日本産のコメを、輸入の方が安く購入できる逆転現象すら起きている。
「5キロで4000円ならかなり高級米のはず。信じられない」。米東部メリーランド州に夫と子ども4人で暮らす日本人女性(40)は、最近の日本国内のコメの平均小売価格を聞いて驚きを隠せない。
米国では、西部カリフォルニア州で生産されるブランド米「錦」が現地在住の日本人の間で人気を集めている。かつてのカリフォルニア産米は一粒が細長くてパサつき、チャーハンやパエリア向けのイメージが強かったが、錦は日本人好みのモチモチした食感が特徴。すし屋を含め日本食レストラン向けの需要も増えているという。