先日「白内障」の手術をしたという同期。自分は治療費が「片目6万円」ほどだったのに、同期は「40万円以上」かかったらしくビックリ! 理由は「保険適用」かどうか? 理由を解説
年齢を重ねるとさまざまな体の不調が出てくることがありますが、加齢によって発症する代表的な病気の1つとして白内障が挙げられます。白内障は手術によって完治が目指せる病気ですが、人によって治療費が異なる場合があります。
本記事では、白内障の手術費用の相場や金額が変動する理由、費用を抑えるためのポイントについて解説します。
そもそも白内障とはどのような病気?
白内障とは、加齢や紫外線、糖尿病などが原因で、目の水晶体が濁ってしまう病気です。中高年がかかりやすく、早い人は40代から発症することがあります。
白内障になると、水晶体のピントを合わせる機能が悪化し、視認対象がぼやけたり、通常よりまぶしく感じたりします。手術を行うことが一般的で、手術時間は20~30分程度、体にかかる負担もそれほど大きくないため、日帰り手術も可能です。
白内障の手術にかかる費用相場
白内障の手術では、濁った水晶体を摘出後に人工の眼内レンズを挿入しますが、この眼内レンズの種類によって手術費用は変動します。
例えば、保険適用対象である単焦点眼内レンズは、3割負担であれば5~6万円程度で片目の手術が可能です。しかし、保険適用外の多焦点眼内レンズを用いて手術をした場合、片目だけで40万円以上の手術費がかかることもあります。
■手術費用は年齢によっても異なる?
白内障の手術費用は、年齢によっても変化します。これは保険適用による自己負担額が、年齢によって異なるためです。
以下は、治療費の年齢別の自己負担割合です。
・70歳未満:3割
・70歳から74歳まで:2割
・75歳以上:1割
ただし、70歳以上の人のうち現役並みの所得を得ている人は3割負担となります。
今回のケースでは、両者ともに70歳未満のため自己負担割合は同じです。にもかかわらず、片目で6万円、40万円の差が出た理由は、6万円の人は保険が適用される単焦点眼内レンズを選択し、40万円の人は保険適用外の多焦点眼内レンズを使用したためと考えられます。
白内障の手術費用を抑える方法
白内障の手術に限った話ではありませんが、保険適用外の治療には高額な医療費がかかります。白内障の手術費用を抑えたい場合は、以下の方法を検討してみましょう。
■自治体の助成を利用する
白内障の手術を受ける際は、住んでいる自治体の助成制度で利用できるものがないか確認しましょう。自治体によっては、白内障の手術をした人を対象に、治療費や補助眼鏡の購入費用の助成を行っています。
例えば、静岡県伊豆市には日常生活を容易にするための医療に対する、医療費の助成制度があり、対象医療には白内障の手術が含まれています。ただし、年齢や病状などの条件が設けられているケースが多いため、自治体の公式サイトをチェックする、自治体の福祉課に問い合わせるなどして、情報収集を行いましょう。
■高額療養費制度を利用する
高額療養費制度を利用するのも、白内障の手術費用を抑える有効な方法の1つです。高額療養費制度とは、医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額を超えた分があとで払い戻される制度のことです。
上限額は、制度を利用する人の年齢や所得によって異なります。例えば、70歳未満かつ所得区分が83万円以上の人の上限は約25万円、所得区分が53万~79万円の人は約17万円が上限です。また、保険適用手術であることが制度を利用する条件であり、単焦点眼内レンズ、一部多焦点眼内レンズ以外を用いた手術の場合は制度の適用対象外となります。
高額療養費制度は1ヶ月単位で計算するため、同じ月に両目の白内障の手術を行えば、制度を利用する条件を満たせる可能性が高まります。
例えば、70歳未満かつ月収26万円以下の人の上限は約6万円のため、両目に単焦点眼内レンズを用いた手術を行うと、自己負担5~6万円(片目)×2で10~12万円(両目)となり、自己負担限度額の約6万円を超えた4~6万円の部分はあとで払い戻される可能性があります。その場合、実質片目だけの手術費用だけで両目の治療が可能です。
ただし、70歳未満かつ所得区分が83万円以上の人のように、自己負担限度額が高すぎる場合は制度が適用されない可能性があります。
手術費用は手術の内容や年齢で変化する
白内障の手術費用は、手術の内容や年齢によって金額が変動します。最初から病気にならないのが一番安上がりではありますが、白内障は50代で37~54%が発症し、80歳以上になるとほぼ100%発症するとされています。
白内障になったときに備え、今回取り上げた内容を参考にできるだけ手術費用を抑えられるようにしましょう。
出典
厚生労働省 医療費の一部負担(自己負担)割合について