大阪・関西万博きょう開幕、158か国・地域参加…大屋根リング内に全57館「多様でありながらひとつ」
大阪・関西万博の開会式が12日、大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)の会場で開かれ、国内外の要人ら約1300人が出席した。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げ、日本と海外の158か国・地域、7国際機関が参加する。13日に開幕し、10月13日まで184日間にわたる祭典が始まる。
国内での大規模な万博の開催は、1970年の大阪万博、2005年の愛知万博に続き、3度目となる。
開会式には、天皇、皇后両陛下と万博名誉総裁の秋篠宮さま、同妃紀子さまが出席されたほか、石破首相や大阪府の吉村洋文知事、参加国の代表らが参加した。
万博アンバサダーの佐渡裕さんによる指揮でファンファーレが鳴り響き、現代の音楽と伝統の歌舞伎を融合した「祭り」が場内を盛り上げた。ダンスや歌唱と、映像やAI(人工知能)といった最新技術を組み合わせたパフォーマンスも披露され、未来社会の一端を演出した。
会場の面積は東京ドーム33個分に相当する約155ヘクタール。参加国や国内企業が出展する計84のパビリオンが並び、貴重な文化財や次世代の技術が展示される。
中心部には、世界最大の木造建築となる大屋根リング(1周2キロ)が組まれ、海外各国の57館を全てリングの内側に置くことで「多様でありながら、ひとつ」というメッセージを込めた。ロシアの侵略を受けるウクライナは出展するが、ロシアは参加を見送った。
万博を運営する日本国際博覧会協会は、会期中の来場者数を2820万人と想定。開幕日の13日は14万人超の来場を予定している。
万博の開催は18年11月に決定した。会場建設費は2350億円で、物価上昇の影響もあって当初の1250億円から2度増額された。
大阪・関西万博 きょう開会式 テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」|TBS NEWS DIG
大阪・関西万博が開幕 10月まで半年間、158カ国・地域が参加 早朝から長蛇の列
2025年大阪・関西万博が13日、大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)の会場で開幕した。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに158カ国・地域が参加し、10月13日までの184日間開催。さまざまな社会課題を解決する技術やSDGs(持続可能な開発目標)達成に向けたアイデアが紹介される。
この日は小雨が降る中、会場最寄りの大阪メトロ夢洲駅そばにある「東ゲート」前に、早朝から開門を待つ人たちの長蛇の列ができた。
開門に先立ち、午前8時半から東ゲート付近でテープカットセレモニーが行われ、万博を運営する日本国際博覧会協会の十倉雅和会長(経団連会長)が「大阪・関西万博、ただいま開幕します」と「開会宣言」を行った。続いて政財界の要人ら関係者によるテープカットが行われ、万博が開幕した。
国内での大規模な万博の開催は05年愛知万博以来となり、大阪では1970年大阪万博以来55年ぶり。期間中に計約2820万人の来場を見込んでいる。
会場のシンボルとなる大屋根(リング)は1周約2キロ、高さ最大約20メートルの規模で、「世界最大の木造建築物」としてギネス世界記録に認定された。リングの内側にはユニークな外観の海外パビリオンなどが集まり、「多様でありながら、ひとつ」という万博の理念を表している。
パビリオンでは世界各国の文化やグルメも紹介され、国内企業のパビリオンも、万博のテーマに沿った最先端の技術や映像を披露。大規模な水上ショーが連日行われるなど華やかな祭典となる。
大阪万博の「〝中国製〟バス100台」に疑問 国内EVバス市場にも変化か 「重要な技術も使われている」
2025年4月に開幕する大阪・関西万博で、来場者輸送などのため電気自動車(EV)バス計100台が納車されることになり、話題を呼んでいる。「大阪での万博なのに、なぜ事実上中国製のEVバスが使われるのか」といった疑問・異論の声もあるが、実態はどうなっているのか。
6月、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)へのEVバス納車を発表したのは国内メーカー、EVモーターズ・ジャパン(本社・北九州市)。日本で走行するEVバスは100台程度。そこへ一挙に100台という国内最大の大口契約が結ばれたのだ。
同社は2019年設立のベンチャーで、EVバスでは唯一の「国内メーカー」。ただ、製造の大半は中国メーカーに委託しており、今回の契約でも先月、福建省にある中国メーカーの工場で大々的に「納車式」が行われた。同社は「生産されるバスには一部自社で開発された重要な技術も使われている」と説明する。
大阪メトロでは現在、万博へ向けさらに約50台のEVバスを導入する計画で、同社広報もメーカーについては「一切未定。あらゆる選択肢の中から決めたい」と話す。
国内自動車大手はこれまでEVバスを限定的にしか生産しておらず、国内で走っているのもほぼ中国製だ。
EVバス普及の研究を進める熊本大学大学院先端科学研究部の松田俊郎准教授は「日本では従来のバス自体も生産需要は限定的で、EVバスとなると、大手による生産、販売実績はほとんどなかった」と説明する。
一方で松田氏は「路線バスは定期的な点検などが非常に重要で、日本のバス事業者は品質やアフターサービスの体制を重要視している。その面で中国のEVバス企業よりも日本メーカーへの信頼度は高い」と指摘する。
今年2月には、日本でのEVバスでトップシェアの中国大手BYDが、日本国内で販売するEVバスの部品の防さび剤に有害化学物質の六価クロムが使用されていたと公表した。六価クロムは日本自動車工業会が自主規制として使用を禁止している。BYDは日本での販売を始めた15年以降に納車した全車両を対象に、当該部品の切り替えなどの対応を行っている。