配線を光に、SSDも進化。キオクシアらの新技術でデータセンターを省エネ化
キオクシア、アイオーコア、京セラは共同で8日、“次世代グリーンデータセンター”向けを謳うPCIe 5.0対応広帯域光SSDのプロトタイプを開発し、動作確認を行なったと発表した。
次世代グリーンデータセンターでは、設置機器の電気配線を光配線とし、広帯域光SSDを使用。これにより高い信号品質を保ちながら、省エネ化やデバイス間の物理的距離の拡大などを可能にすることを目指している。
3社は生成AIを始めとする大量データの高速処理が必要な先進的なアプリケーションへの適合性を高める技術の開発、実証試験(PoC)への適用を推し進めているが、今回の広帯域光SSDはその一環となる。
広帯域光SSDでは、キオクシアは広帯域SSDのプロトタイプ、アイオーコアは光トランシーバー「IOCore」、京セラは光電気集積モジュール「OPTINITY」を組み合わせたシステムを構築。2024年8月にキオクシアが発表したPCIe 4.0対応のプロトタイプと比較して2倍の帯域幅であるPCIe 5.0(32GT/s x4)での動作を確認したという。
この成果は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業である「グリーンイノベーション基金事業/次世代デジタルインフラの構築/次世代グリーンデータセンター技術開発」(JPNP21029))の結果得られたもの。現在のデータセンターと比較して40%以上の省エネの実現を目標として次世代技術の開発を行なっているという。
PCIe 5.0対応の広帯域光SSD、キオクシアらが開発
生成AIなど大量のデータを高速処理するシステムに最適
キオクシアとアイオーコア、京セラは2025年4月8日、PCIe 5.0に対応した「広帯域光SSD」を開発し、動作確認を行ったと発表した。データセンター内に設置される機器間の接続を電気配線から光配線に切り替えることで、高い信号品質を維持しながら大幅な省エネを実現できるという。
PCIe 5.0に対応した広帯域光SSDの外観[クリックで拡大]出所:キオクシア他
光インタフェースを採用した広帯域光SSDは、キオクシア製の広帯域SSDプロトタイプとアイコーコア製の光トランシーバー「IOCore」および、京セラ製の光電気集積モジュール「OPTINITY」を組み合わせた。PCIe 4.0対応の前世代広帯域SSDプロトタイプに比べ、PCIe 5.0に対応した開発品は帯域を2倍(32Gトランスファー/秒×4)に拡大した。
次世代グリーンセンターでは、データセンター内に導入される機器の接続を光配線に切り替えれば、高い信号品質を維持しながらシステムとしての省エネ化や、接続する機器間の距離拡大などが可能となる。3社は、生成AIなど大量のデータを高速処理する必要がある用途に向けて、PCIe 5.0対応の広帯域光SSD導入を提案していく。