「トランプは退陣を」 米各地で抗議デモ、最大規模
トランプ米政権に対する大規模な抗議デモが5日、米各地で行われた。
主催団体によると全50州で約60万人が参加登録し、第2次トランプ政権発足後では最大規模。首都中心部のワシントン記念塔周辺には数万人が集まり、「トランプ(大統領)は退陣しろ」とシュプレヒコールを上げた。
参加者は「独裁者にノー」「プーチン(ロシア大統領)の操り人形」などと書かれたプラカードを掲げ、トランプ氏を非難。実業家イーロン・マスク氏率いる「政府効率化省(DOGE)」による教育、医療・科学研究、社会保障など公共サービスの削減に反対する声も数多く上がった。
ノースカロライナ州の主婦ローラさん(59)は、「この政権は法の支配と三権分立を無視している。黙っていれば容認したことになる」と参加の理由を説明。テネシー州の元教師ビリー・アンダーソンさん(75)は「トランプは米国の国際的評価をおとしめ、(関税政策による)株価下落で私の資産まで削った」と怒りをあらわにした。
トランプ関税に全米自動車労組「何が起きるか分からず恐ろしい」
アメリカのトランプ大統領が表明した関税措置を受けて、全米自動車労働組合の地方幹部が「何が起きるか分からず恐ろしい」と不安を訴えました。
「関税を導入し雇用を取り戻そうとする意図には賛成だ。ただ、短期的な影響はすでに現れている」「ステランティスは900人が影響を受けると発表した。これは氷山の一角に過ぎないと思う」(UAW685支部のデニー・バトラー副会長)
アメリカでクライスラーなどのブランドを持つ自動車メーカーのステランティスは、3日、トランプ大統領の関税措置の発表を受けて、5つの工場で900人を一時解雇し、メキシコとカナダの組み立て工場を1つずつ操業停止すると発表しました。
中西部・インディアナ州にある全米自動車労働組合の支部のバトラー副会長はこうした状況を受けて、組合員は事態の推移が見通せないことに不安を覚えていると訴えました。
トランプ氏「耐え抜け」 関税発動で国民に檄
ドナルド・トランプ米大統領は5日、ほぼすべての貿易相手国に対する一律10%の追加関税を発動したのを受け、国民に忍耐を求める一方、歴史的な投資と繁栄をもたらすと約束した。
トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に、「われわれはこれまで愚かで無力な『むち打ちの柱』だったが、もう違う。かつてないほどに雇用と企業を取り戻している」と書き込んだ。
「これは経済革命であり、われわれは勝利する」とし、「耐え抜け。簡単ではないが、最終的な結果は歴史的なものになる」と付け加えた。
国際緊急経済権限法に基づく、メキシコとカナダを除くほぼすべての貿易相手国に対する一律10%の追加関税は5日午前0時すぎ、発効した。
9日には欧州連合(EU)や日本、中国など約60の貿易相手国を対象に、上乗せ関税が課される。
中国には34%の関税が適用される予定で、同国政府も10日から米国製品に34%の関税を対抗措置として導入すると表明した。
中国はまた、米国を世界貿易機関(WTO)に提訴するとともに、医療や電子技術に使用されるレアアース(希土類)の輸出を制限する意向を示した。
トランプ氏は投稿で「中国は米国よりもはるかに大きな打撃を受けている。比較にならないほどだ」「彼らや他の多くの国々はわれわれを耐え難いほどひどく扱ってきた」とまくし立てた。
「トランプ関税」一律10%が発効 日本は9日から上乗せ
ドナルド・トランプ米大統領によるこれまでで最も広範な関税が米東部時間5日午前0時すぎ、発効した。報復措置と貿易摩擦の激化を招き、世界経済を混乱させる可能性がある。
トランプ米政権が打ち出した関税措置で、日本を含むほぼすべての貿易相手国からの輸入品に対する一律10%の追加関税が米東部時間5日午前0時1分(日本時間同日午後1時1分)、発効した。
トランプ氏が米国の貿易赤字問題と認識している問題への対処として緊急経済権限を発動したことを受け、メキシコとカナダを除くほぼすべての貿易相手からの輸入品に一律10%の「基本」関税が課される。
ホワイトハウスは米国の貿易赤字について、「相互関係の欠如」や「法外な付加価値税」などの政策によって引き起こされたと主張している。
4月9日には、欧州連合(EU)や日本、中国など約60か国を対象に、それぞれの経済に合わせたより高い関税が課される。